第82話 汚いおっさん③
今回は下ネタ回です、苦手な方は飛ばしていただくのもアリですが、ちょっとした伏線にになっています。
082 2 023
「え?」
ロリガの叫び声に衆目が集まる。
しかしその多くは目に生気を感じさせない生まれたての生ける屍、つい先ほど骸骨死霊達に虐殺された汚いオッサンの蘇死体達なのである。
川だか池だかで身体を洗ってきた様だが、表面の汚れがどれほど落ちようとも美里にとってどんなに綺麗になっても汚いオッサンは汚いオッサンとしか認識が出来ない。
水浴びをして来た後だからなのか、ほとんどのオッサンは半裸だし、数人は全裸の汚いオッサンである。暗くてハッキリしないが若い男もいた様だが問題はそこではない。
大勢の汚いオッサン達から向けられた視線というのは、なかなかに気分がよくないし正直怖い。
美里に限らす誰しも汚いオッサン集団から向けられた視線は恐怖しかない。いくら自分の眷属となったと言えども美里にとって居心地簿良いものではない。
「はぁはぁ…」
美里の思いをよそに既にえちえちモードのヘルガは、汚いおっさん達日の視線を気にする様子はなく、美里耳元へ口を寄せると唾液で滴る舌を美里の耳たぶへ這わせた。
「カオ…ぬ…脱いだ方が...いい?着たまま……がいい?」
視界を遮る事のない大自然の中、二人の周囲を大量の汚いオッサンが囲み、冷たい視線を注いでいると言うのに、ヘルガはソレを気に留める様子はない。
そんな時に、おやと美里の頭の中に一つの疑問が浮かぶ。
周囲の視線に全く動じることのないヘルガたん、そんな彼女に向けられた疑問、いや一抹の不安は衆目の中でのプレーに抵抗がないのかという疑問だ。
ヘルガは見られる事を問題にはしていない?
美里はふと思い出す。この世界に来てから路上娼婦達が昼日中から通りの片隅でいたしているのを何度か見かけている。中には人からみ見られる様な場所でも堂々とお仕事に精を出している、むしろ精を絞り出していた。
ヘルガも色々な人といろんな場所でハッピーアワー?
つまり見られること自体は当然のことで、美里が考える様な倫理観は働かない?
ヘルガもお仕事で多人数プレーを幾度も経験している可能性もある...なんだか美里の心はモヤっとしてしまう、どうやら美里にNTR属性はなかったらしい。
美里の中に元娼婦であるヘルガへの不快感にも似た感覚が沸き上がる。男として女の過去を蒸し返すのは程度の低い行為ではあるが、やはり気にはなるものらしい。
とはいえ性行為を好きではなかったし、したくないけれど生きていく為の選択だったと言うのは関係者各位の周知の事実である訳だから、元娼婦だとしてもそれを責める考えを持つのは正しくはないだろう。
しかし、どんな人間関係でも、どんな好意的な感情があっても、人を図るのは多くの場合妄想ではなく情報である。
彼女は娼婦の道を選び何十人、何百人という男と行為を繰り返し、2年程度の短い期間だったとしてもそれだけの経験をしているのだ。今更ヘルガの人生を否定する訳ではないし美里も割り切っているつもりだが、何かを考えるときに情報としての選択肢から外される事はないのだ。
そこで美里は思考がネガティブになっている事に気づき頭を振る。しかし現代日本人の美里にとっては元娼婦の経歴が思っていた以上に引っ掛かっている事に気づかされた。
だが一つ分かっている事は、ちょっと病みが入っているけど今はヘルガを愛していると言う事である。だからすべてを受け入れて守るのが自分の役目であると思いを新たにし、現状の打破のため思考を切り替える。
しかしロリガの権能は恐ろしい。
精神攻撃への抵抗は自身の体内にある魔力のコントロールと精神的な強さが必要となるらしく、魔力コントロールを知らないヘルガへの効果は覿面であったようだ。
もともと親和欲求の強いヘルガには美里相手の性的欲求を精神的に抵抗しようという考えが根本からないので抵抗理由も無いのかもしれない。
だが喫緊の問題は汚いオッサンが見つめているにも関わらずヘルガにはソレを気にする様子など微塵もない事である。せめてマジックミラーカーならとも思うが手を伸ばせばそこにいると言う事状況は素直に危機感を感じるのだが、性欲に支配されたヘルガは周りが見えていないのだろう。
視姦されたり乱入されたり等と言うリスクは美里によって開発され過ぎたせいで快楽と言う報酬が上回ってしまったのも要因である。
「カオル、あたし【自主規制】がね…【自主規制】」
ヘルガは何処で覚えてくるのか美里の美里部分を強く刺激する淫猥な言の葉を濡れた唇から紡ぎだす。
当然美里の美里は超美里になっている。
美里の下半身に縋りつき潤んだ瞳でこちらを見つめるヘルガに内なる美里の高まりを覚えるが周囲のオッサン達の視線を如何にかしなければならないと思考を巡らせる。
暴走するヘルガがこのまま衆目の中でプレー的なものを求められたとしても非常に困ってしまう。美里には衆人観衆の元でおっぴろげる趣味は持ち合わせていないし、ヘルガの裸を汚いオッサンに見せたくもないのである。
どうしてこうなった?
間違いなくロリガの仕業である。
「ロリガアアアアアアアアア!」
美里の叫び声にロリガはビクリと体を跳ねさせ、これはやばいと逃走体制に入るのだが、美里の怒りの声に今まで静観していたエーリカが逃げ出そうとするロリガの顔面をむんずと掴み力いっぱい握りしめる。
メキメキと音をさせつつロリガの体を軽々と持ち上げ、美里達の前まで犯人を運んでくる。
そんな状況にもヘルガは止まらない。美里の纏った貫頭衣の中に顔を突っ込み腰や太腿に抱き着けば、顔を下腹部へと埋めスーハースーハーと何度も大きく匂いを描き始める。
もしこのまま始めたとしても、眷属化した汚いオッサンが勝手なことはしないだろうと言う事はちゃんと理解しているが、見られているだけで嫌なのだ早急に状況を変えていきたい。
目の前にはエーリカに力いっぱい顔面を握られ、つい先ほどまではバタバタと暴れていたロリガも抵抗を諦めプラーンと垂れ下がっている。
まずはヘルガの状態異常解除が最優先だ。
「ロリガとりあえずヘルガの状態異常を解きなさい」
エーリカの怒気を孕む声が静かに放たれる
「む...むりだが?」
「「え?」」
ロリガの即答に思わず美里とエーリカが声を重ねる
「ふごおおおおおお」
ロリガの態度に怒りを覚えたエーリカの顔面掌握に力が入ったのか、ロリガがエーリカの腕を掴み足をばたつかせる。
「ロリガ、なんでできないの?」
「ふごおおおおおお」
エーリカのアイアンクローが相当な力なのかロリガの耳には美里の声が届かずロリガはただ叫ぶ。
「ぐへ!」
エーリカに一旦手を離すように指示するとロリガの体がぽてりと地面に落ちるがエーリカはロリガを逃がすまいとドカリと踏みつけ抑え込むとロリガからつぶれたカエルのような声が吐き出される。
「なんで権能を解除できないんだ?」
まずは状況の確認である。
「えっちな気持ちにさせただけなので...」
解答はシンプル。つまりロリガの持つ権能は継続的に影響を与えているのではなく権能を発動させて爆発的に性欲を溢れさせるているのだろう。
となるとこれはまずい、美里に高度な開発をされているヘルガたんは素で我を失くすほどにエッチな娘になってしまっている、それは朝までロディオ大会を始めるほどにである。そして今はロリガの権能により、既に彼女の中では大会は開始されているのだ。
ジ~~~~
ヘルガが美里のズボンのボタンを外しファスナーを下ろすと、ズボンを素早く脱がすと勢いよく状態を起こし、前で手を交差させ、腰の部分の布を掴んだかと思うと自らが纏った貫頭衣を一気ににぎ捨てる。
痴女である。
ロリガの権能影響があろうがなかろうがまごう事なき痴女である。
ここにいるのが汚いオッサンを含めて全てが眷属だとしてもヘルガの裸を他の男に見せる事は許容できない。
「汚いオッサン全員!許可がするまでもう一回体洗ってきなさい!!」
美里は状況の回避方法として汚いオッサンの排除を判断し、この場で暴走するヘルガとの一騎打ちを受ける判断を下した。
「これでもう邪魔者はいない」
かっこいいせりふを吐いたつもりだが、すでに美里はヘルガに両足を勝つがれ、おむつを替える赤ちゃんのような状態でパックリと咥えられていた。
「ヘルガ!お仕置きだ!」
気を取り直した美里も負けてはいない。両手を伸ばし、ヘルガの頭をムンズと掴みヘルガの顔を自分の顔を引き寄せ、激しく唇を奪う。
「ふぁ..」
正気失っていたヘルガも美里の本気のお仕置きが来る事を理解し、身体をビクンビクンと小さく跳ねさせ、体の力を失わせると美里の蹂躙を受けることに彼女自身の白銀の草原に愛を溢れさせた。
状況を理解したエーリカはオッサン達が森の奥へ消えたのを確認すると骸骨死霊達を広場外周まで下がらせ周辺警戒を指示すると残ったロリガの顔を掴むと叫びをあげるロリガを無視し離れた木陰まで引き摺りゆっくり腰を下ろした。
「ひゃうん!」
ヘルガの嬌声が広場中に轟きお仕置きの開始が知らされる。
◆
【自主規制】
◆
「ぎゃあああああああああ!!」
突如、美里の悲鳴が広場に轟く。エーリカ達は一斉にヘルガの御仕置が行われている場所へと視線を移す、そこには美里の上に馬乗りになり彼の肩口を夢中で噛つきながらも激しく腰を打ち付けるヘルガの姿があった。
自らの主の叫びにいち早く駆け寄ったたクロとフェンも、その状況にどうしたらいいのか困り果て2人の周囲をくるくると回っていた。
クロアはなにか納得した顔をしつつクロエのめを塞ぎ、5号と6号は周囲の草木を集めて迷彩の様に見を包み結構な近い距離で美里達の行為を見学していた。
エーリカはやれやれと言った表情をすると、この件をスルーする事を決めたのか目線を空へと移しロリガの顔を掴む手に少し力を籠める。
「ちょ!ヘルガたん!待って!噛まないで!待っててててて痛いよ!痛いからね?!ス…ステイ!ヘルガたんステイ!!」
「がぶ〜」
「ちょ!マジ痛いよ!?へるがたんマジで痛いよ!?」
「がぶ〜」
「イタタタ!」
「ガジガジガジガジ〜がぶ〜ちゅーちゅー」
「ぎゃああああ!え?すってる?!吸ってるの?!」
美里の身体中には血が流れだす程深いヘルガの歯型がついていた…つきまくっていた。そして血が流れ出すとヘルガが嬉しそうにウットリとした表情でそれにしゃぶりつく。
美里がぐったりし始めると、ひとしきり満足したのかヘルガの動きも止まった・・・科の様に見えたがその視線は未だ輝きを残しその鞘から美里の美里を抜刀すると、ヘルガに濡れ輝いた刀身を見つめる。
「ヘルガたん!そこはマジで噛んじゃダメなところだからああああああああああああああああああああああああ」
ヘルガの視線の先に気づいた美里が息子の危険に今日一番の叫び声を上げるが、その叫びはヘルガの耳には届かない。
「ぱくっ…もごもご」
死んだと恐怖に顔をひきつらせた美里の刀は手折られる事はなく、ただねっとりと暖かく優しいうねりに包まれていく。
どうやらヘルガも流石に美里の命を奪うつもり迄は無いらしい事が判り、ひと安心するのだが未だヘルガはうつろな目で美里を加え、時折ビクンビクンと体を跳ねさせつつも美里を咥えその腰に縋り付く。
ヘルガの動きが落ち着くと、美里の体から滲み出す血液を見つけては舐めとり、舐め取る血がなくなると再びヘルガは
【自主規制】
「ちゅぱ、ちゅぱ」
時折艶かしい音が耳に入る。
美里はヘルガの顔をただ見つめる。
うっとりと優しくゆっくりと美里の美里を美里するヘルガはやはり可愛い。
噛まれたりしなければ、このまったりしたアフタータイムは素晴らく心地よいのだが今夜は身体中が痛い。
このままヘルガに変な癖が残らねばと思いながら美里は意識を手放した。
いつも拙作「のんねく」をお読みいただきありがとうございます。もし、もしもすこ~しだけでも面白いかも?と思われたらイイネやお気に入り登録をいただけると作者の生き甲斐になったり更新頻度が増えたりしますのでよろしくお願いいたします。




