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第51話 異世界で厄介事に巻き込まれます②

第51話 異世界で厄介ごとに巻き込まれます②

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「カオル様、おはようございます朝ですよ」

その日の朝もクロアのモーニングコールである。


ここ数日はヘルガとヴィルヘルミーナが交互にやって来ては美里と夜を共にした。

美里の子供が欲しい両者としては迷宮(ダンジョン)探索(ダイブ)も大事ではあるのだが、それ以上に美里の子種が欲しいと言う情動が強くなっていた。


しかし美里の「最大限の安全策を」という一言で、迷宮(ダンジョン)探索(ダイブ)の前日はなるべく控えようという事になり昨晩は一人で眠っていたのだ。



男性は前日に性行為を行う事で5~15%程度の運動能力の低下や集中力の低下があると前世の知識で知っていたのだが、それは男性限定である・・・理由の多くは男性から分泌された液体に大量の亜鉛や他の重要な栄養素を持っていかれるからと言う話もあるが美里も詳しくは知らない。


前日行為を本当の理由はヘルガは一度始まると止まらない傾向がある為、結局朝まで止まらない。

ヴィルヘルミーナも同様で不思議と美里との行為はいつまでも続けられる気がすると言っていたのだ。


そこで美里は考えた、これは自分の魅力や前世での知識だけでは無く異世界特典的な何かがあるのではないかと言う事だ。


原因を突き止めたいところだが、取っ掛かりが無くい為、原因究明をする術がない。

ただ、朝まで頑張って睡眠時間が取れずに迷宮(ダンジョン)へ入るのは危険なのは判るのだ。



「カオル様失礼いたします」


ジュプ・・・


【自主規制】


素晴らしきサラウンドが美里の耳に流れ込む。


【自主規制】


今日はヘルガが横に居ない為か、クロアもいつもと違う攻め口で切り込んでくる、口だけに・・・・


【自主規制】


「うっ、あっ....クロアさん........うっ......おはようございます」

「カオル様おはようございます」


【自主規制】


クロアは美里のソレをコクリと飲み込むと、ふたたび優しい笑顔で美里へ朝の挨拶を行う。

クロアのモーニングコクリは結果として寝覚めが良く、今や美里の秘かな楽しみでもあった。


これは世界の8割の男の夢が異世界で叶ったのだ、異世界転移した甲斐があったと言う物だ。


ただこれには一つ大きな問題がある、目を開けるとロリガが入り口からこちらをじーっと観察している事である。

まぁ最近はそれもアリとは思い始めてはいるのだが。


しかし幾つか疑問もある。何故エーリカ、オリガ、ロリガは性的な行為を行おうとしないのにクロアだけがこの行為を行うのか、しかもそれを誰かに伝える事はない。元が人間マテリアル構成だからなのだろうか?


しかしこういう事を聞くのは恥ずかしいし、余計な言い方をして今後してくれなくなるのも寂しい。



コンコンコン!



ドアのノックオンがすると特に確認もせずロリガがドアを開けた。

もちろんそれは、訪問者がギルド死霊秘法(ネクロノミコン)のメンバーと言う事である。


「おはようございます主様」

「おはようございますカオル様」

「カオルお兄ちゃんおはようございます!」

エーリカ、ヘリュ、クロエである。


本日の朝食はみんなで屋台飯と決めていたのだ、4人は既に外出準備が整っており、美里の着替えを手伝ってくれる。


くれるのだが、クロエたんの目が最近変なところに集中している気がして気が気ではない。


流石に君には早いよ?


「主、おはようございます」

「おふゃやぅかおりゅ.....」

着替え終わった頃に、オリガとヘルガがやって来たのだが、どうやらオリガがヘルガを叩き起こし準備をさせてくれていた様であった。


「ヘルガ、1番妻なのですからシャキッと挨拶なさい!」

オリガがヘルガの尻を強めに叩く

「はい!お早うございます旦那様!」

「お、おうおはようヘルガ、それにオリガもおはよう」


「全くヘルガは」

そう言いつつヘルガの顔を拭いたり髪型を整えたりと甲斐甲斐しくヘルガの世話を焼くオリガの姿はまるでオカンである。


「ヴィルヘルミーナはもう起きてるかな?」

「おはようカオル」

タイミングよくヴィルヘルミーナが部屋へとやって来た。彼女は廊下を歩く音も階段を上り下りする時も非常に静かで気が付きにくい。

そして自力で朝早く起きて準備を整えているの彼女は流石熟練の冒険者であろう。


全員の準備が整いインスラを出た頃にはうっすら空が明るくなり始めていたが、吸い込む朝の香りはひたすら臭いである。


いつも通りの悪所である。


悪所周辺では人が増え始めた為か、美里達御用達の屋台通りでは屋台数が増え、普段早朝からは営業していない食堂(タベルナ)もモーニングサービスを始めていた。


モーニングサービスと言う物は最近までこの世界には存在していなかったが、このサービスはエサイアスとの話し合いの中で美里がポロリと口にした物をエサイアスの知り合いへ勧め始めたのだが切欠だったらしい。

これが他の地区から来た力仕事をする職人達に好まれ開店直後から大賑わいなのだ。


屋台通りは都市デルーカでも古い地区で、最古の商業区であったというのだが、スラム化が長く続き現在はシャッター商店街になり果てていた。


しかし昨今の好景気にモーニングサービスの成功で閉めていた店舗を改装して営業をしようとする動きも始まった。


勿論それらは、キヴァ・エラマによる事業が発端でラヘイネンペラヘの後押しもあっての事である。

都市全体から集めた職人や働き口を求めて集まりはじめた者が、インスラの空き部屋を埋め尽くし木賃宿や食堂付宿(ポピーナ)の部屋を(こぞ)って埋めてゆく、当然食の需要が増える。



『食べれば出る』



そこで下水道の心配であるが、こういう場所でも商業地には排便壺の集積場所があり、定期的に農家が来ては回収されている。


しかし排便壺は臭いがかなり漏れてしまう。


早くトイレと下水設備を作りたい物であるが、下水道を作る様な技術もアイディアも無く、回収して何処かに捨てに行かなければならない。

回収先のアテについてはエサイアスに依頼しているが、事業を進めるにつれ色々見えてくるとしなければいけない事がこんなに在るのかと驚いてしまう。


ただ、野晒の排便壺よりは衛生的にも臭い的にもかなり改善が見込めるので頑張りたい所である。


回収先が見つからない場合も最悪リビングコープスを使って自主回収して運送させてもいいだろう。

今はお金がいくらあっても足りないが労働力であればは無償で働く不死怪物(アンデット)を無限に生む事が出来る。

そう考えると、食事摂取が基本必要のないリビングコープスはロボットやAIの様な物なのかもしれない。

継続的なコストがかからず命令に忠実な労働力と言うのは実に素晴らしい。

問題がある人間や無能な人間を雇うリスクを負うよりロボット化やAI化が進む理由が解る気がする。

だが美里はリビングコープスにはちゃんと毎日3食を食べさせるつもりである。



給料は出す予定はないのだが・・・



然しそうなると、更なる確認と実験が必用である。食べ物の味は飽きるのか?個性と同じように嗜好にも差が出るのか?それはそれで楽しそうだが、最終的にはアンデット専用のバイキング方式の社員食堂を作るのも面白そうである。

人の形をしていれば情も移るので低コストで運用できる分、ある程度還元してあげたいものだ。


何故なら『白靖(すらやす)様教徒』は『お腹がいっぱいは幸せ』こそ教義なのだ、今のところは・・・



気軽に決めた土木事業だが、始めてみると色々考える事がある物だと小市民 美里薫(みさとかおる)は嘆息する。

しかしヘルガや仲間の笑顔を見れるならとやる気は十分、これこそ美里薫(みさとかおる)が異世界転位した理由、我が使命なのだから!



「あれどこ行くの?」

「蜂蜜パン!」

ヘルガはオリガと蜂蜜パンの屋台を梯子するその都度追い蜂蜜をかけて甘々にする、将来太らなければいいのだが・・・

エーリカはカンパンの様な固いパンが好みの様でヴィルヘルミーナは太い腸詰の屋台、ヘリュは串焼きの肉に鹿麦のパンでクロエはみんなから少しづつ別けてもらいつつ何時の間にか合流していたクロとモツパンを食む。


僅か数日でここ迄増えるものかと驚くほど店舗数が増えている。


「カオル様は何を召し上がりますか?」

そこで横を見るとクロア母娘が美里の動向を見守っていた。

「クロアさんは何を食べます?」

「うふふ、先ほどカオル様をパクっといただきました」

今ここで押し倒してやろうか!未亡人!


「我慢できなくなるんで勘弁してください」

美里が小声でクロアへ伝えれば

「我慢できなくなったらどこでもいつでも大丈夫です♡」

美里の耳元に唇を触れさせ囁くように返してくる。


最期に軽く舌先で耳を舐められたのには、流石の美里も危なく限界を突破しそうになった。


「じゃぁモツパンのでも食べましょう」

クロア母娘を連れて何時ものモツパンの店へ足を向けると、パン巻き腸詰をもったヴィルヘルミーナが合流する。


「カオルのお陰でこの通りも様変わりしたね、ほんの数日だってのに私たちの旦那様は凄いね。なぁクロア姉嫁様あねさま

「カオル様ですから当然です」

ヴィルヘルミーナは傷顔(スカーフェイス)と渾名はされているが、勇ましくも色気のある顔立ちをしている、正直そんな美女に言われるのは嬉しい。


ただし問題はクロアである!何故か美里と話タイミングになると声がエロくなる、しかも毎朝の


【自主規制】


しかも完全にヘルガの目を掻い潜るのだ!


№2だったはずのヴィルヘルミーナが自主的に姉嫁様あねさまと呼び、いつの間にか№2の座に鎮座しているこの手腕!確認や許可申請と言う形でエーリカやオリガをもコントロールしている節迄ある、影の支配者かもしれない。


既に慣れ親しんだモツパンを食むと、美里は人知れず我慢の限界を超えぬよう耐えていた。


「カオル、そういえばさっき屋台の女将に聞いたんだけど迷宮(ダンジョン)広場で都市軍同士で揉めてるらしいよ」












はい、さっそくフラグがたちました! キリッ(`・ω・´)


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