第35話 異世界でケモミミが触りたい
第35話 異世界でケモミミが触りたい
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最初に目が覚めたのはクロアであった、正確にはクロアを始めとした美里に使役されている肉体を持つアンデット達は完全に睡眠をとっているわけではなく、活動が必要な時以外は動かず睡眠に近い状態で無駄なエネルギーの消費を省いている休眠状態を取っていた。
窓から差し込む柔らかな朝日の光を受け、クロアは朝と認識した為に目を開く。
そして主である美里の部屋の惨状を見ると、昨晩の酔っぱらい達がちらかした後始末を始める。
その気配で美里も目を覚ますした。
裸で部屋の片付けをする未亡人・・・双丘がぷるんぷるんと揺れている。彼は昨晩のめくるめく大人の世界を思い出すとついつい興奮してしまうのは仕方が無い事である。
「おはようございます、カオル様」クロアが振り向き優しい笑顔で自らの主、美里薫へ目覚めの挨拶をする。
――――――――振り向いて。
ぷるん!
美里の目に、振り向いてぷるん!が飛び込んできたのだ。
美里の美里も元気に起床をしている事に気づくとクロアはゆっくりと――――――
【自主規制】
【自主規制】
まさかのテクニックである。
昨晩の大人の講習会で伝授した内容を見事に咀嚼し昇華させたクロアは正に未亡人の鏡である。
【自主規制】
【自主規制】
美里の声と、クロエの口元から奏でられた艶めかしい音が静かな部屋に小さく響く。
【自主規制】
【自主規制】
【自主規制】
ゴクンッ
「カオル様、御馳走さまです♡」
「えっと、お粗末様です」
ペロリと口元を舐めるクロアにトクンと心臓が跳ねる。
「朝から元気だね.....カオルはその、凄いね........昨日は全員その...満足させて....それと、昨日の『アレ』は危険だわ.....本当に危険だわ.....そりゃヘルガもゴニョゴニョ」
次に目覚めたのはアルアだった。二人の朝の運動を横目で見ながらと真っ赤な顔でぶつぶつ言いながら服を着ると、仕事が有るからとそそくさ部屋を後にした。
去り際に小さな声で「また頼むね」と言い残し照れていた。
「カオルおは..........くぁwせdrftgyふじこlp」
次にヘルガが目を覚ます、部屋に広がる裸の女達の散乱されている状況に混乱する。
昨晩のヘルガは調子に乗ってかなり飲み過ぎていたのもあり、記憶が曖昧なのか言葉にならない。
「おはようヘルガさん」クロアが微笑ましく挨拶をする。
「え?あ、おはようございます」
ヘルガは今だ混乱しているが、あまりに普通のクロアの挨拶にヘルガはさらに混乱する
ヘルガは部屋を見回すと、床の転がる裸のヒルマとヤーナを確認するとここに至り昨晩の大人の2次会を思い出す。
顔を真っ赤にして、昨晩の自分の行動と言動が蘇り再び両手で顔を覆う。
その騒ぎに床で寝ていたヒルマとヤーナが目を覚ます。
ヴィルヘルミーナと言えばヘルガと美里の枕になっていた様だがまだグッスリと寝てる。
ヒルマとヤーナも昨晩はかなり飲んでいたが、昨晩の大人の2次会を思い出し各々が朝の挨拶をしつつ顔を赤らめた。
「えっとそれじゃぁ自分の部屋でもうひと眠りするよ」
2人は照れ臭そうに、とにそそくさと自室に戻ると、クロアもクロエの面倒を見る為にと自室に戻る。
ヴィルヘルミーナはまだ起きる様子がないのだが枕から解放されたためか寝返りをうつと『ぷるん』と彼女のたわわが揺れる。
ヘルガの手前あまり見ない様に務めるが、美里はヘルガに見えない様に獣耳族族の特徴である尻尾をコッソリ触る。
「カオル...昨日はその...と特別だからね」
ヘルガは着替えをしつつゴニョゴニョ恥ずかしそうに告げると、部屋に戻ろうともした。
しかし扉の前で足を止め振り返り、裸のヴィルヘルミーナが部屋に残る事が気になるようで、アウトドアチェアにどっかり座り傍にあったコップを掴む、喉が渇いたがコップの中には何も入っていなかったためムッとしてしまう。
なにやら、機嫌の悪そうなヘルガにヴィルヘルミーナと自分が2人きりになる事が良くなさそうだと気づき、外で食事にしようかと誘い、ヴィルヘルミーナは眠っているためそのままロリガに後を任せ屋台へ向かう。
クロア達にも声を掛けるが是非お二人でと気を使われてしまう。
「カオルの国って、その....凄いんだね」と顔を赤くする。
昨晩の大人の宴が頭に残ってかヘルガはどうもヨソヨソしく暫くは無言で歩き出したが、小さな声で顔を真っ赤にして離し始める。
昨晩のは攻め手だけではなく、女性側からのテクニックを色々とレクチャ―した結果、酔っ払った彼女達もノリノリで色々な技術を吸収していった。
今朝のクロアもその成果と言える。
同じインスラに住まう妙齢の女性全てと関係したと言うのは何やら気恥ずかしいのもあるが、前世で悪い終わり方をした美里の中では誇らしさが圧倒的に上回った。
しかも原因が悪乗りしたヘルガなので全く罪悪感を持つ必要もなし、あんなことやあんなものも見れたと思い出して興奮がこみ上げ、思わずヘルガを抱き寄せ熱いいキスをしてしまう。
異世界万歳だ。
「そういえばヘルガはヴィルヘルミーナとは仲良かったのかな?」
同じ元冒険者でもあるし、今後パーティーを組むため色々知っておきたい。
「娼婦を始めた時に色々世話になったよ、部屋の紹介もしてくれたし。元冒険者とは知っていたけどまさか下層まで行ってたとは知らなかったなぁ」
昨日はヘルガが酔っぱらって直ぐにエチエチヘルガだんになってしまい、ヴィルヘルミーナ本人には冒険者時代の話が聞けなかったが、彼女がパーティーに参加するのであれば彼女の冒険者スタイルは知っておきたい。
片目と言う事に加えて指が三本欠損していると武器の扱いにはかなり制限があるであろう。
「カオル...もしかしてヴィルヘルミーナみたいな女の人が好みなの?」
明かに不愉快な声色で質問が飛んできたが、パーティーとしての運用を考えている事を伝えると、ヘルガから獣耳族はとても俊敏で体力があると教えてくれる。
一度、実力を確認するため中層で実力を試してみたい、本人さえよければ明日にでも探索に行こうという話になる。
◆
悪所の屋台街につくと、目についた井戸で水を飲む。
流石に昨晩大ハッスルしたせいでヘルガも美里ものどが乾ききっていた。
十分にのどを潤すと、臭いが気になった大きな肉の串焼きや蜂蜜パンを買いヘルガと2人で分け合って食べる。
「あ!」
ヘルガが突然大きな声をあげる
「どうした?」
「赤ちゃん...私カオルの赤ちゃん欲しいけど出来たらカオルが他の子に取られちゃう...」
ヘルガが物凄く泣きそうな顔になる。
「いやいや、1番はヘルガだから安心しなよ。出来たら子育てに専念してほしいしほら、昨日色々おしえたろ?」
昨晩女たちは体のあらゆる使い方や技術を美里に叩きこまれている、そして技術の最奥は更に深いと言われていれば、ヘルガも再び顔を紅潮させ、体中の使われると思しき部分が妙な感覚を持ち始めたっていられない程にモジモジし始める。
「ヘルガたんエロエロだね」
耳元で囁くと既に耳への防御力が低下していたヘルガは体を何度か跳ねさせ美里に潤んだ目で首をふり今は限界のため意地悪をしない様懇願する。
「じゃあ避妊草やめても大丈夫?子供出来たらカオルに捨てられたりしない?」
さんざん子作りをしているのに今更なのかと笑う美里に真剣な眼差しで問いかける。
「避妊草エカイシュってなに?」
美里が聞けば娼婦御用達の避妊薬らしい、月にに1回程度飲むと殆ど妊娠し難くなる薬らしいのだが絶対に出来ないわけでもないらしく、大抵は月2~3回摂取する様だ。
ヘルガの心配は冒険者等の仕事をしている男には、子供が出来ると平気で女を捨てたり、自分の子ではないと言い始めたりと逃げ出す者が多いらしく不安でいっぱいらしい。
特に美里は旅人なのである。ヘルガの心配は当然の物であるだろう。
「俺が逃げる様な男に見えるのか?」
伝えると返事を待たずにヘルガの唇に軽くキスをする。
「俺は働かなくっても従業員を使えばダンジョンの収益だけで暮らしていけるし、ヘルガが心配って言うならずっと一緒に居られるし育児だって一緒に出来るよ」
「え?」
良い事を言ったはずなのにヘルガが素っ頓狂な声をあげる。
あれ何か不味いこと言ったかな!?異世界ギャップ発生?今いい感じな答えじゃなかったの?!
「男が育児!?」
ヘルガが妙なところに食いついていた。
この世界では男が育児を手伝うなんて事は母親が死んでいて已む無し等の理由が無ければする事はい無いらしい。
むしろ母親がいなければ売られたり捨てられる事も多いと言う程この世界の男は自由奔放だと言うのだ。
きっと世界中の現代屑男子なら天国に思うかもしれない男尊女卑にドン引きする。
確かに前世の地球でも近代迄はそういう事も許容された国や地域もあったが、いざ自分がその環境になると現代の知識と現代の良識がある分ドン引きしてしまう。
「何人産んでもヘルガだけに苦労させないよ」
いい顔でフォローを入れたが、美里は『誰が生んでも』とは一切言っていない。
「カオル大好き♡いっぱい産むね!」
素直すぎるヘルガは昨晩の状況も忘れ、他の女が無断で避妊草をやめる可能性も、美里の言葉の裏も疑わずにカオルに情熱的なキスをした。
美里も負けじと再びヘルガの唇の中に愛情をねじ込みヘルガの愛情と絡み合わせる。
「じゃあ、お父ちゃん頑張らないとな!」
と既に父親面をすれば、ヴィルヘルミーナが明日にでもダンジョン探索可能ならば、直ぐに装備を揃えてやる必要もあると考え2人でインスラヘ戻った。
◆
ヘルガは装備の確認をする為自室に戻り、美里は一人で部屋に戻るとヴィルヘルミーナはまだ裸で寝ていた。
流石に昼近い時間の為、彼女を起そうと考えたが、美里の中で一つの疑問が生れる。
それは獣耳族じゅうじぞくの耳はどうなっているのだろうか?と言う疑問である。
勿論昨晩は尻尾も耳も色々触った、それは衛生の事も考えて全員の体を拭きヘルガが自慢していたマッサージを施したときにであるが、流石に詳細の確認までは出来ていない。
美里にはヴィルヘルミーナのモフモフの耳の魅力に対して抗う力はないのだ。
ぐっすりと寝ているヴィルヘルミーナの耳に触れるとゆっくりと根元まで指でなぞる。
産毛に隠れているが、耳穴は蟀谷の後ろ辺りに位置し、耳たぶに当たる根元部分は割と下の方まで伸びていて髪の毛がではなく耳周りと同じ様に産毛に覆われていた。
ついつい耳の匂いを嗅いでしまう。
クロの臭いとは違い何だかエッチな香りがする、やはり獣耳族族の女性も動物ではなく女性なのだ。
ゴクリと唾をのむと、美里の目は裸で横たわるヴィルヘルミーナのたわわに実った双丘へと移る。
彼の手は誘われるかの様にたわわに実る双丘へと伸び、頂に備わるAボタンを襲おうというその瞬間だった。
「カオル.....何してるの?」
凍り付くような冷たい声でヘルガの声だ。
そう、この部屋の扉はヘルガにだけは自動で開くシステムだった。
振り向くとそこには目のハイライトが消え去り、感情を失ったヘルガが立っていた。
心なしか扉の横に立つロリガの表情には愉悦を含んで見えた、物凄くぶん殴りたい。
「じゅ、獣耳族じゅうじぞくって初めて見たから耳がどうなっているのか興味があって....」
「おっぱいに耳はついていないよ」
ヘルガが冷たく答える、仰る通りです。
「ん~、カオルお早う」
冷たい空気が流れる中でヴィルヘルミーナが目を覚ました様だが、何故か美里の腕をつかみ顔を擦り付けると彼女はふたたび眠ってしまう。
「もう!カオルはもう!」
ヘルガが二人の間に割り込むと流石のヴィルヘルミーナも目を覚ます。
「カオル様、耳が好きなら好きなだけ触っていいぞ」
井戸で組んできてあげた水をヴィルヘルミーナに渡すと彼女は一気に飲み干し美里へとありがたい爆弾を投下する。
ヴィルヘルミーナ、起きてたんだね、もうヘルガの視線が本当に怖い。
もう一度尻尾も触りたい等と言う言葉は飲み込んだ。
まぁ昨晩たっぷり触ってはいるのだが。




