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第11話 異世界初戦闘

011-1-009 (編集版)

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「オスク!!アンタなんで生きてやがる!!」


近寄ってきた男たちのうちの1人、大男が大声を上げ威嚇するかのように美里の召喚した新しいアンデット・・・リビングコープスの大男に向け詰め寄る。


オスクと呼ばれたアンデットは2m近くある大男で怒鳴りつけた男もオスクほどではないが190cmはありそうだ。


大男は威嚇にも微動だにしないオスクを見て怒りが増したのか、オスクへ詰め寄り鼻が着かんばかりまで顔を寄せ殺気の籠った眼で睨みつけるがリビングコープス化したオスクは微動だどころか目線すら向けず立ち尽くしている。


生前も真面に喧嘩などした事がない美里の心臓が破裂しそうなほどに激しく鼓動する。


「オスクさんの体の入れ墨がないぞ?あんなにあった傷も無い?」

後ろの男が疑問を口にする。


「ティモスの兄貴も刺青が綺麗になくなってんぞ?」

もう一人の大男がティモスさんかな?


「みんな髪があんな長くなかったよな」

リビングコープスみんなロン毛だね、アンデット召喚の仕様かな?


「なんか、みんな凄く若くなってないか?」

そういえば元々の年齢ってどれくらいだったのかな?若返っちゃったかぁ。


「あの女もヘリュなのか?あんな可愛かったか?」

女の人はヘリュさんかぁ、結構かわいいな。


「違うだろ、あんなエロ............いや胸はデカくなかったよな?」

確かにデカイ!推定Eはある。今日見たオッパイで一番デカイ。


等々と後ろの取巻達が口々に違和感を唱え始めたところに心で突っ込みを入れる。


美里薫は比較的善良な人間であり喧嘩はほぼしたことはない。当然現在の状況は怖くてたまらないのだが愚かでもない。

美里はこの状況でアンデット達の戦闘力の実験を始め、最初のターゲットに唯一武器を抜いていた男にに決めた。


「1号、短剣を抜いている男を殺さずに倒せるか?」

不可視化していた1号へ小声で確認すると1号は迷いなく頷く。


「やったんさい」

小声で指示を出すと、1号は静かに動き出し目標の男へと滑るように近づくとそっと胸へと触れた。


先ずは生きた人間の霊体(アストラル)への攻撃はどの様な反応になるか検証である。


「ぶふぅ!」

1号が触れた刹那、探検男は口から泡を吹き崩れ落ち、ビクンビクンと大きな痙攣を始める。




あらやだ怖い・・・




「新人、その目の前の(うるさ)い男に鯖折(ベアハッグ)だ」

痙攣している仲間をみて呆然としている隙に美里はオスクと呼ばれたリビングコープスへ命令を下す。


オスクは躊躇なく目の前の男のベルトラインより少し上に抱きつき、両手でガッチリとクラッチさせ自分の胸にひきつけると右脚を半歩下げ一瞬腰を落とす。

突然の事に引っ張られまいと踏ん張った男に上半身では引寄せつつ、左足を一歩前に出し、男の重心を奪うとそのまま男の巨体を軽く持ち上げ体を強烈に締めあげた。


「うがぁああぁぁああぁぁぁあああああああ!」

締めあげられた男は尋常ではない痛みと苦しみに大声で悲鳴を上げる。こうなれば人体の構造上下半身に力は入らない。


「そのままひき倒してマウントで押さえつけろ、抵抗するようなら死なない程度に懲らしめてやりなさい」

オスクは淡々と美里が指示したとおりに遂行する。


「1号、逃げるやつがいたらそいつを倒せ。それと新人の大きい方は残った連中を殺さない様に全員倒してくれ」


バスン!バスン!

言うや否や大男が素早く移動すると残りの3人のうち2人をそれぞれ大ぶりパンチの一撃で叩き伏せる。


一方的な状況に残った男が後ろを向き走り出すが、1号が素早く回り込み空を掻くように手を振ると、その手が男の体をすり抜ける。


途端に男がその場に倒れこむとピクリとも動かなくなる。


「つっよ・・・」思わず美里の口から感嘆が洩れるほどにアンデット達の戦闘力は強かった。


正直、美里は足が震えていたし、負ければ殺されると覚悟もしていた。不可視化した1号の攻撃が意味をなさなかった場合は一巻の終わりとも思っていたのだが、初の戦闘実験は大成功である。


今回、一番重要であったのは美里は『鯖折(ベアハッグ)』『マウント』と言う言葉で美里が知っている『鯖折(ベアハッグ)』の技術を使い、『マウントポジション』という馬乗りの体制を取った。


美里は格闘技に若干の知識があり、そのイメージが通じるのかと言う実験が成功したのだ。


特に『鯖折(ベアハッグ)』に関しては手のクラッチの方法、片足を引き半歩下がり一度腰を落として、重心を変化させて相手を崩し、そこから引きつけて持ち上げる、まさに美里の知るグレコローマンスタイルレスリング出身選手が使う『鯖折(ベアハッグ)』のテクニックだ。


この世界に地球の近代レスリングの技術があるのは考えにくいし翻訳がそのまま通るとも考えにくい。原理は解らないが指示をすれば美里の認識が伝わる、この情報はかなり大きな収穫である。


物凄い打撃音に美里が振り返るとオスクに制圧された男が抵抗したのだろうか、オスクの巨大な拳に殴られたであろう顔が大きく変形し身動きも取れず苦しそうに唸っていた。


美里は制圧された大男へ近づき、すぐ横で腰を落とす。


「えっと...初めまして、みなさんに幾つかお聞きしたいんですがいいですか?」

その場の状況ににつかわない美里のとぼけた口調と質問に、大男はもちろんゴロツキ全員が一様に困惑する。


「えー、簡単な質問なんですがあまり暴力的な事はしたくないので申し訳ないのですがご協力いただければと思います」

美里は笑顔で会話を続ける。男も美里の得体の知れなさと、全員が一瞬で制圧された事実に観念したのか素直に応じてくれるようだ。


「この3人を殺したのはあなたたちですか?」

「そ、そうだ」

オスクに押さえつけられている大男は小声で答える。


「あなたたちは、どういった関係ですか?」

「元々同じファミリーの(もん)だ」


「冒険者ギルドか何かですか?」

「あぁ?ファミリーだっつてんだろ!」


ゴスン!ゴスン!ゴスン!


男が大声を出すと、『抵抗』と判断されてしまったのか男の顔面にオスクの鉄槌が幾度も振り下ろされる。おおよそ人間から出ていいような音ではない衝撃音が響く。


美里はあまりの光景に何も言えず硬直してしまう。


「うあぁ...待ひぇ...まっひぇてくへ...ちゃんと話しゅから話しゅ話しゅ!」

殴られた男の顔はすでに原型を留めず大量の出血であったが辛うじて意識を保っている、丈夫な人何よりですごめんなさい。


そこからは話が早かった、取り巻きの殴り倒された2人も交えて素直に質問に答えてくれた。


まず死体として転がっていたのは、この街のギャング組織『ラヘイネンペラヘ』の元ボス『オスク』とその幹部『ティモス』、そしてオスクの情婦であった『ヘリュ』の3人で内部抗争のなんやかんやでの結果、暗殺されこの場に打ち捨てられたようだった。


彼らはいわゆる『ラヘイネンペラヘ』と呼ばれる東区最大の組織でファミリーと言うのはそういう意味であった様で押さえつけられている男は『エサイアス』内部抗争の首謀者で現在のラヘイネンペラヘのボスであった。


生前のオスクは42歳でかなり粗暴な男らしい、見た目も怖いし死んでいてくれて助かった気もする。


そして幹部のティモスはエサイアスより少し年下で30歳過ぎでオスクの従弟だと言うが、近づいた時にはオスクと共に体に合った傷や刺青が無い事に疑問を持ったものの、暗い中で視界も悪くこれほどデカイ2人組が死体遺棄現場に居た事で本人達と判断した様であった。


そして現在ムチムチのヘリュは、元々は痩せこけ目付きの悪い40歳手前のババアだったはずと皆驚いているが、復活後の見た目は20歳そこそこで中肉巨乳の妙に色気のある風貌である、美里も倒れたラヘイネンペラヘのメンバーもこの状況ではあるが裸で立っているヘリュから目が離せない。


内部抗争の理由はオスクの目に余る横暴で無思慮且つ暴力的な振る舞いから仲間を守るためと言うから、本当であるならなんだか物凄く罪悪感を感じてしまう。


「死んでる...」

取り巻きの男が急に呟き、全員が一斉にそちらを見る。


どうやら逃げ出そうとした男が、1号の一撃で死んでしまったらしく、美里の中で自分の指示で人が死んでしまった事による恐怖と罪悪感が押し寄せる。


倒せとはそういう意味ではなかったんだが、『鯖折(ベアハッグ)』は通じて倒せの意図が通じないのはどういう事なんだと動揺するもすでに時遅し。


しかし、この異世界で生きていくためには強くあらねばなるまい。ましてや相手はこの3人を殺した犯人、ギャング組織の構成員で殺人犯なのである。甘い顔を見せれば自分自身の実が危ないのだ。


流石に騒がしかったか近くの建物の窓から、こちらを覗く影がちらほら見え始めたことに気づく。


「えっとエサイアスさん、夜中にこんな所でお話してても近所迷惑になってしまうので場所を変えたいんですが、皆さんの拠点と言うかアジトみたいな場所はこの辺りにあればお呼ばれしたいんですがどうでしょうか?」


エサイアスたちは一瞬戸惑うが素直にアジトへの正体を快諾してくれる、というかこの状況でことわるせんたくしもないであろう。


彼らのアジトは意外にも同じ東壁街区の同じ外壁沿通り、美里が借りたインスラと同じ通りに構えられていた。


アジトには常時6~7人の人間が常駐しているらしく、この時間は流石に恐らく寝ていると言うので、これ以上争いは避けたい事と殺しは避けたい旨を伝え移動を始める。


「俺の安全を最優先で頼む、あと逃げる人はしょうがないからアレでたのむ」

美里はアンデット達へ指示し彼らの拠点へ移動を開始するが『アレ』と言われたギャング一味の心情は恐ろしく重い物であった。


死体と痙攣君は新人アンデットのティモスが担ぎ、皆でラヘイネンペラヘのアジトまで搬送しているのだが、なんと満身創痍に見える顔面ドリアン状態のエサイアスは自分の足でしっかりと歩いている、頑丈過ぎである。


アジトの前まで到着すると美里は1号へ建物の中には人間が何人いて何処にいて何人起きているかの確認を指示する。


「確かに6人いるみたいですね、皆さん寝ているようですね」

「アンタ、魔術師か何かなのか?」

ほどなくして建物内には現在6人いて、全員が就寝中と確認すると振り返りエサイアスたちへと話しかける。


とその言葉に驚いたエサイアスが質問する。先ほどから誰もいない場所へ1号と言う名前を呼び、命令の様な独り言をしている美里を皆が奇異の目で見ていた、それはこの世界の認識では魔術魔法の類という認識なのであろう。


しかし美里は軽く微笑むだけに留める。情報は生命線なのである。



扉を開けて中に入ると1階の一番広い部屋へ招かれ、ゴロツキの1人が部屋にあるランタンに火を灯す。


くさい!


やはりこの建物も1階は糞尿臭く排便壺が一階にあるのであろうことが解る。


この世界の住人は何故この臭いに我慢できるのであろうか?


死体は部屋の端に転がし、生き残った全員を壁際に立たたせると。生き残りの中で一番元気そうな小男に、寝ている全員を直ぐにこの部屋に集めてくれる様に指示する。ほどなくして寝ていた6人全員が素直に部屋へ集まってくれた。


彼らが部屋にやってくると全員が死んだ筈のオスク達3人がそこにいる事で明かに顔を引きつらせていた。よっぽど怖い人だったのだろうか?というより死んだ人間がここにいるからであろうか?そりゃあ怖いよね。

更に彼らを恐怖させたのは部屋の奥、壁際には血まみれでドリアンの様な顔になっているエサイアスと仲間が立たされており、そのうちの1人・・・先ほど迄痙攣していた男などは青い顔でフラつきながら必死に立っているのだ。


そして足元に転がる仲間の死体・・・集められた者達は全員最悪の事態を察し、この後に自分たちに降りかかる運命を覚悟したであろう表情をしていた。


「えーと皆さん初めまして、あまり荒事はしたくないので出来れば平和的な関係を気づきたいと思いますのでよろしくお願いします。騒いだり大声出したりは夜なので厳禁です」

美里は状況にそぐわぬ口調で全員へ説明を行うのだが彼らの表情は恐怖に染まりどうやら騒ぎ立てるような様子はない。


「お...俺たちはどうなるんだ?」

エサイアスの疑問はもっともである。


「俺はこの街の事はよくわからんので、色々教えてほしいんです。ただこれ以上死体は見たくないので是非積極的な協力をお願いします」と言えば起きたばかりの6人はやはり殺される可能性があると再認識し震えあがる。


美里はまず改めてラヘイネンペラヘと言う組織とオスクについて確認をする。


ラヘイネンペラヘは東区全体を仕切るギャング組織で裏の治安を担っていおり主構成員200名、関係者を含めると1000人近い組織であった。


主な収入源は、東区の商売人からの『守代』や都市の行政には相談出来ない様なトラブルの解決、他区や壁外の住人、裏社会との交渉や仲介、またそれらを荒事や金で解決する組織であった。

他にも冒険者や傭兵ギルド、その日暮らしの労働者への仕事の斡旋、口入業や真っ当な商取引も行っているらしい。


ヘルガ達の様な街頭で客を取る売春婦からも毎月一律で銀貨5枚を徴収していたそうだが、オスクは頻繁に無料の奉仕や追徴金の徴収を行い、商業区でも無銭飲食や理不尽な恫喝、暴力を日常的に行ってもいたらしい。


実際はもうアンデット化した別人なのだが、そんな男を使役して大丈夫なのだろうかと不安がよぎる。


エサイアスは強面だが財務面などの事務方を1人で取り仕切っていた頭も働く系ゴリラで事実上のファミリーのナンバー2であったが、長年に渡り周囲からオスクの暴挙に対する相談を受け続け頭を抱えていた。

オスクに対しても勇気を持って何度も諫めて見ていたがその都度圧倒的な暴力によって押さえつけられ困り果てていたのだが、つい最近大きなトラブルが発生しとうとう重い腰をあげて下剋上を成したということなのだ。


つまりオスク達は殺されるべくして殺されたという事であるのだが、それが突然復活なんてしたら当人たちにとっては笑い事ではない。


美里はエサイアスから聞いた話を話半分としても間違いなく正義は彼らにあるし、ここにいるオスクは既に全くの別人であるのだが、彼らにとってはそうではないのだ、これは使う人選・・・死体選を誤ったらしい。


その後も口々に語られるオスク達の悪行数々を聞くにつれ、いたたまれなくなっていたが、既にオスク側の人間として見られている事実をどうにかしなければいけないのだが、美里はあまり策略を使うタイプではないし人間関係の構築を避けてきた彼には手に余る状況だ。


ラノベの主人公であれば、転生前の人間社会で無能だったり、社会経験のない子供やコミュ障がとんでもない機転を利かせて無双するのに、自分ときたらと頭を抱え込む。


よし、時間を稼ごう。


一通り思いついた質問を終えると部屋の中には重い沈黙が流れる。


「今日はもう遅いので話は明日にしましょう」

美里が明るい感じで宣言すると、集められた人間は目が点である。


「俺としては怖い皆さんと関わってしまったので幾つかの約束をしてほしいのですが..........私と私の周辺には一切手を出さない事を約束してくれませんか?エサイアスさん大丈夫ですか?」

少し間をおいてエサイアスは頷き皆にも了承させる。


「あーあと、安全の為に俺や俺の周囲にとって危険を感じるような状況があったと感じれば、残念ではありますが皆さんの命は無くなります、ごめんなさい」


先ほど意味も解らず、突然倒れて死んだ仲間を見ていた4人はその言葉に心底恐怖し、その4人の様子に集められた6人も事態を察して顔を恐怖に歪ませた。


「それと申し訳ないんですが、ここにいる方々には明日の話し合いが終わる迄、この部屋に待機していてほしいと思います。基本的には誰にも死んで欲しくはないんで、この部屋からは出ない様お願いします」


部屋には沈黙が走る。


「本当に申し訳ありませんが、もし勝手に部屋を出た場合は...その...お察しください」

部屋には重苦しい沈黙が流れる。


「わかった」

暫くの沈黙を破り苦々しい顔でエサイアスが答える。


「あと、色々すいませんがこの3人は裸のままっていうのもあれなんで服をお借りしてもいいですか?」


美里は全員を見回し、建物で寝ていた6人の中、唯一の女性へお願いすると、女性は急ぎ服を探しに行く。


彼女は上の部屋から3人が着用できる服を持ってくる、もしかしたら生前の3人のものかもしれない。ついでに隣の部屋にあった排便壺もこの部屋へ持ってくるように頼む。部屋から出れないのだ、漏らされても困る。


美里はオスク達に着替えをさせると、目を瞑り天井を仰ぎ大きな溜息をつく。


しばらくの沈黙のが流れ、美里は意を決したように口を開く。


「3人は皆さんが逃げない様に見張っててくれ、もし逃げ出したときは........................殺していい」

苦渋の判断ではあったが安全には変えられないのだ、オスク達3人への無慈悲な命令を、部屋の全員に聞こえる様指示をし部屋の中に集められた人間は、自らに降りかかった運命に恐怖した。



美里は立ち上がると、死霊秘法(ネクロノミコン)を開き先ほど1号が殺してしまった男へ向けて『死体使役』を施す。


死霊秘法(ネクロノミコン)によれば死んだばかりの人間は、死体本人の魂が残っている場合があり、その魂の再定着が成功すれば、生前の記憶を持つ生きたリビングコープスが生成できるはずである。


結果的に試してみたいと思っていた魔法である、そして死体使役は当然のように成功し男がゆっくりと立ち上がった。


感覚で理解できる、魂の再定着はなされた。


死体であった『それ』はゆっくりと動き出すと、美里はしれっと「あぁ、生きていたみたいですね、よかったぁ~。では貴方は玄関で来客や訪問者が来た時にファミリーの方はこの部屋に案内して待機してもらってください。ファミリーの人以外の来客だった時は今日は立て込んでるので日を改める様に伝えて追い返してください、いいですか?」と伝えると新たに使役されたリビングコープスは感情を感じさせない声で「ハイ」と一言返事をしつつ頷き、ゆっくりと玄関へと向かう。


その異様な光景には、その場にいた生者全員が既に何度味わったかしれない言い知れぬ恐怖を覚える。


「じゃあ俺はいったん帰ります、昼過ぎにはまた来ますのでそれまで不便かもしれませんが、それまで皆さんもゆっくりとお休みください」

とは言えゆっくりできる状況ではないよなぁと美里は嘆息すると、アジトを後に重い足取りでヘルガの待つインスラヘと向かう。











文字通りに人の生き死にと向かいあった美里の心は重かった。




拙作「のんねく」をここまでお読みいただきありがとうございます。


思い付きで始めたこの作品ですがお楽しみいただけましたでしょうか?良ければイイネやお気に入り登録いただけると執筆の励みになりますのでぜひよろしくお願いします。


現在、本作品の誤字や名称などの編集と修正を行っています。文頭に編集済みとあるところまでが完了分となります。

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