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06.06 「もう、何してるのよ(怒)」

 会長に連れられてやってきた3年1組。


 「先に入ってて、私も着替えてくるわ」

 「えっ、うん……」


 えっ……


    ❝ビキニカフェ❝


 いいの、これ……

 1年1組から逃げるようにして向かった3年1組。そこに広がっていたのは別世界と思える程のなんだかいかがわしい光景だった。その名の通り、色とりどりのビキニを身に着けたおねえさんたちが接客しているわけで、当然というか、男子生徒でごった返している。


 「あら? 2年の姫神(ひめがみ)さんじゃない?」

 「本当だ。なになに? メイドさん? 男の子に戻ったって聞いてたけど……、可愛い~」


 おねえさんたちが僕に近寄ってくるんだけど……

 ちゃんと許可降りたの? こんなの。


 「おねえさんたちといい事しましょうか~」

 「特別なサービスしてあげちゃうぞっ」

 「ちょっと、そんな……」


 体が反応しちゃいそうだよ……

 多分、僕だけじゃないよ。店から出てく男子はほとんど前かがみになってるもん。


 「彼は私のお客様なのだけど。同伴、っていうのかしら?」


 声の主は会長だ。会長が白いビキニに……


 「神楽(かぐら)さん。彼って事は本当に男の子なの?」

 「勿論よ。と、(とおる)さんとは家同士も認めた――」

 「そうそう、家の人もちゃんと男だって認めてますから……」


 危ない危ない。会長に見惚れてる間に余計な事言われるところだった。家同士は認めてるのかもしれないけど、僕は認めて無いんだから。

 でも会長ってとっても……


 「流石の私もそんなにジロジロ見られると恥ずかしいのだけれど……」

 「うわぁ、ごめんなさい」


 水着姿で恥じらう会長がとってもセクシーで……、スカートで正解だったかもしれないな。うん。


 「冗談よ」


 えっ……


 「立ち話もなんだから、とにかく座って」

 「はい……」

 「神楽(かぐら)さん、私達もいいかしら?」

 「ええ、いいわよ。と、(とおる)さんもいいわよね」

 「う、うん」


 と、何処から持ってきたのか豪華なソファーに座って、隣には会長と初対面のおねえさん、正面にもおねえさんが何人もいて全然落ち着かない。


 「まあ、赤くなっちゃって。可愛いのね、姫神(ひめがみ)さん」


 隣のおねえさんが体を密着させ、腕を組んでくる。


 「そんなにくっつかれると……」

 「今は鳳凰院(ほうおういん)さんよ」


 会長も腕を組んでくる。あ、当たってる……、当たってますよ、会長。


 「鳳凰院(ほうおういん)っていうと、あの中学生と?」

 「ええ。二人は本当の兄妹だったの」


 ううう……、おねえさんのも当たってる……


 そんな所をよりにもよって一番見られたら不味い人に目撃されてしまうことになったのだった。


 「(とおる)、やっぱりここに居た。もう、何してるのよ(怒)」

 「何って、これはその……」


 白いビキニに身を包んだ会長に……、大事なところだけを隠した会長にケーキを食べさせて貰ってると言うか……


 「ほら、あ~ん」

 「あ、あーん」

 「(とおる)っ(怒)」


 だって、食べないと帰してくれないって言うんだもん。会長と隣のおねえさんが密着してて、変に動くと弾力というか何というか、とにかくダイレクトに伝わってくるんだもん。

 しょうがないじゃん。今は立てないんだもん。察してよ。解るよね、凜愛姫(りあら)なら。


 「会長、こんな過激なサービス、ちゃんと許可取ってるんですか?(怒)」

 「勿論認められてるわよ? 生徒会に」

 「生徒会にって……」


 それって勝手に決済しただけなんじゃ……


 「とにかく、大金(おおがね)さんが探してるから、帰るわよ、(とおる)っ(怒)」

 「う、うん」


 帰りたくない。あんな所に帰りたくないけど……、そんな事言ったら凜愛姫(りあら)が爆発しそう。はぁ……

 凜愛姫(りあら)に腕を引っ張られ、得利稼(えりか)の元へと連行されて行く。僕の手を掴む力が強い。それはもう鬱血して指先が紫色になりそうなぐらい。


 「あの、凜愛姫(りあら)?」

 「何よ、鼻の下伸ばしちゃって(怒)」


 ごめんなさい……


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