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周りとプライド

「はっ!おやつに冷えピタ貼ったら冷えちゃうよっ!」

謎の言葉を発した自分にびっくりして目がパッチリと覚めてしまった。

まだ空は真っ暗だ。

ゾクゾク……。

尿意を催して、トイレを探すためやどやを歩き回る。

2階にはない?

時間確認とトイレの場所を確認するため一度1階へ通る。

と、何やらまだ賑わっており何かしているようだ。丁度いいや。トイレの在処を聞こう。

そしてリビングの扉を開けようと瞬間だった。

ガシャーン!と、何かが割れ飛び散った音がした。

俺はドアをダンッ!と勢いよく開けた。

「だ、大丈夫ですか!?」

目の前の光景は悲惨なもので机は粉々に砕かれ、ガラスや皿の破片が床に飛び散って、鬼人さんやその周りの人達も怪我をして尻を着いていた。

「お、おう……」

「何事ですか?」

「あ、いつが……」

「た、助けてください!」

逃げるように俺の背後に立つお母さんと子供。

なにかに怯えてる?

俺は目線の先を辿ってみた。

「お前も邪魔者かぁ?助けてやるのに宿を貸すのは当然だろぉ?てめえらが俺のおかげで助かるって分かってんのか?」

なんだこいつ?

毎日鍛えているアスリートのようなスリムマッチョな恰幅。身長はすらっと俺より高く、着ているパツパツのタンクトップの上から筋肉が浮き彫りになっている。

助ける?同じ役目か?

「ん?どういうことだ?」

「なんだ?なんにも知らねえやつがここに入ってくんじゃねえよ」

「同じ役目じゃないのか?」

「おんなじぃ?」

「助っ人かなんかなんだろ?」

「はっ!まさかお前が持ってるわけじゃねえよなあ?そんなヒョロいから出して何ができんだよ!ってかこいつのせいで俺はこの宿を借りれねえってか?あっはっはっ!笑わせんなよ!こんなやつより俺の方が力は上だし、やる事やってやるよ!だからてめえはどけ!」

「ふ、二人でやるって考えはないのですか?」

「ああ?ババア!さっきも言っただろうが!俺一人で十分だ!ってか。こんな奴がいると逆に足でまといだろ!」

「??」

少しだけ状況が読めた気がする。

まあ、反論はしない。間違いではないような気がするし。でも。

「この現状はなんなんだ?」

こいつが助っ人?人を脅してなんにも思わないのか?

「はっ。聞き分けねえから体で償ってもらっただけだが?」

「体で償う?この人達がなにかしたのか?」

「俺を邪魔だって言ったからなぁ!わざわざ助けにきてやってんのによぉ!」

「助けてやるだ?役目だからやるだ?」

「おー、そうだよ!そして見返りを求める、それが幸せじゃねえか!分かったらとっとと出てけよ!クズどもがぁ!明日は俺一人でやってやるよ!」

「はは、…………おもしろ。それは無理だろ」

「あ?なんか言ったか?」

「いや、無理だから」

「俺様の実力を知ってから物言えやゴミが!」

「じゃあ、実力見せろや。言うだけじゃないんだろ?」

「ああいいぜ!やってやるよ!」

と言いながら殴りにかかるが、俺じゃない!?

倒れている鬼人さんに向けて拳を入れる。

ただ、別に早いわけじゃない……。桜のやつで目が肥えたのかなんなのか分からないがモーションはゆっくりと見える。

俺は鬼人さんとの間に入って拳を止め、たかった。

「うぇっ!」

そうとめたかった。でも手が上がらなくて顔面直撃だよ。顔めり込んでない?大丈夫?

俺は後ろへと吹っ飛ばされる。

「はっ!助っ人なら救って見せろや!やっぱりゴミじゃねえか!宿を空け渡せ!」

「やだね。お前だってこっちの私情を一切無視じゃねえかよ」

「まだ懲りずに……」

「明日」

「あ?」

「明日、俺とお前で一緒に仕事しろ」

「あ?なんでだよ?」

「お前より雑魚かったら俺はお前の言うことをなんでも聞いてやる。お前はどうするかなんでどうでもいい。お前のやり方じゃあ結局人は救えない」

「はっ!綺麗事ばっか並べやがって!ま!良いだろう。実力の違いってやつを見せてやるよ!助っ人ってのはやればいいんだよ!やれば!」

「……じゃあ明日だな」

「……ッチ。なんだコイツ。調子狂うな!……クソが。てってやらァ!うぜぇな」

なんなんだこいつは。

踵を返して外へと出ていく。

人を助けて、幸せにするのが俺らの役目じゃないのか?

何が助ける?何を助ける?なんのために?何が?

俺は疑問を拭いきれないまま部屋の掃除を手伝った。

そして夜はもっと更けって、丑三つ時となった頃、やっと羽毛布団にくるまることが出来た。

な、なんとか隅っこで優しく寝ないと……。密着してると絶対犯す自信がある。

目をぎゅっと瞑ってなんにも考えないことを考えていた。

…………。

「……道行くん」

「あれ?起こしちゃったか?」

「ううん。元々いっぱい寝てたからね」

そんな時、愛がウトウトと覇気のない声でそう言った。

「道行くんはどしたの?」

「え?」

「下でなんかあったんでしょ?」

「うん。まあ」

「言えないこと?」

「違うよ」

「じゃあ何だったの??」

「そう。同じ役目のやつと仕事することになってな」

「へぇ。良かったじゃん」

「いや、それが。どうも馬の合わないやつで、雑魚じゃないって証明することになった」

「えへへ。なにそれぇ」

真剣なんだけどな。

「いつも通りやる以外ないよねえ。いつも道行くんは全力でさー。人が笑ってるのを見るのが好きで。そんな道行くんを見せつければいいわけだよね?そんな道行くんに私はついてくし、桜ちゃんも着いてくんだよ。どっちが正しいかなんてさ、なんにも考える必要ないない。行動で示すだけ、結果は見えてるよ?」

「そう、だよな……」

「うんうんー。…………」

「?」

「何か心配かな?私が………安心させてあげる。これもお役目、えへへ」

……よく俺のことが分かってるな。

不安なんだろうな。モヤモヤして寝付けない。

愛は横向きに寝ているそんな俺の背中に胴体をピッタリくっつかせ、抱きついてきた。

「私は言葉で伝えるのが上手じゃないから……。これくらいはさせて」

「ありがと……」

……安心する。寝れそう……。

「どーいたしまして!」

急に声でか。






チュンチュンと鳥が囀るお時間が来ましたとさ。

あの後はぐっすり寝れて朝も爽快な目覚めをした。

「……おはよう」

「おっはよー!」

二人も珍しく早起きをしていて炭鉱に行くのが早めになりそうだ。

一度下へ降りて鬼人さんの奥さんに挨拶をしてから外へ出た。

鬼人さんはもう作業始めてるのか……。大変だな。

昨日見た道をもう一度通り採掘場へ。

採掘場の中へと入って休憩場のような所に、奴は待ち構えていた。

「よお、遅かったじゃねえかよ!」

「……誰?」

「昨日言ってた人だねえ」

「……知らないよ?」

「同じ役目のやつだよ」

「おんなじぃ?一緒にされちゃ困るなぁ。レベルが違うんだよ、レベルが」

「……知らない人だ。やば」

「はっ。よく逃げなかったな。じゃあ始めようぜ?道をそれぞれ一本ずつ掘って先に採掘場までたどり着いた方が勝ちだ」

「別に勝負するとは言ってないけど……。まあいいや」

「あらぁ?お子様ふたり連れてなんのために来たのかしらァ?」

ドヤ顔で待っているタンクトップの男の後ろからボインの姉ちゃんが現れた。

服は大胆に胸元を開けて、いや、やりすぎだろ。全身合わせて黒に柄の入ったブラとパンツしか着てないけど。

「……ただの変態」

「あーん?何か言ったかしらチビ?」

「……ビッチ」

「お姉さんの良さがわからないのよ。この雑魚は」

「……最強は負けない」

「最強は私の称号よ?斧の中ではね」

「……私の剣は負けない」

ジリジリと火花を散らす両者。聞いてるとここの役目も似通っているのだろう。同族嫌悪ってやつか?

「さあ、やろうか!」

「おーけー」

そうしてゴングは鳴り響いた。

男は女を斧に変換させドンドコと砂を削っていく。

流石言葉だけではなく、めちゃめちゃ早かった。

砂を削ったあとの補強もすぐさま行いこっちもうかうかしていられない。

「加勢するぜ!道行!」

「ありがたいっす!」

ここ出来たのは鬼人さん一行。

「昨日も助かっちまった。お前さんの力にもなりてえし、力を貸して欲しいって気持ちもある」

「大丈夫です。俺は鬼人さんの、みんなの幸せを願ってます。だから、道を開けましょう。それが俺の役目だから。いつも通りやるだけですよ」

「……おう!なんかスッキリしてるな」

「当然ですよ。俺にはこんな可愛い支えが二人もいるんですから!」

「……任せて」

「当然だよー!」

俺の右腕は筋肉痛が酷すぎて使い物にならない。だったら左手でみんなを助けるだけだ。

俺たちも着工する。

道を開けどんどんと進んでいく。

両者の差はあんまり縮まらない。

「はっはっはっはっ!その人数でやってその程度かよ!」

「正直……お前がいて助かってるよ。でも一人じゃその道分しか開けられないだろ?」

「はあ?一人と大勢が同じだぞ?」

「ちっぽけな人間だから力合わせてやってんだよ。すげえやつがいるからって任せて他に何か起きたらどうするんだよ?」

「はっ!何も起きるわけねえ。それが最強だぁ!おらおらおらおら」

「結局一人でやっても効率悪いだろ?ほかの人がいるから二つ分の道が作れてる」

「言い様だなぁ!」

「本当のことだろ」

まあ聞き分けのないやつに言ったって水掛け論にしかならないか。

「私の力を忘れてもらっちゃ困るよー!あはは!一旦交代ねー」

「た、助かる……」

「……おつかれ、ますたー」

少しだけ本気を出す愛に皆も頑張ってついて行っている。

その速さは男を上回る早さだ。

「なっ!」

「へへへへ!負けるわけないよねー!これがみんなの力だよっ!」

「く、くそ!」

少し焦りを見せる男の裏で愛達はどんどんと連携力を高めてスピードを上げていく。

「えへへ!……!?っとぉ!!!!!!」

ふと愛が後ろへと下がって何かから退避した。

「ひゃー、ここでアンノウンくるのかー、めんどいなぁー」

「大丈夫かっ!」

「私は平気ー。でもこれから大変そうー」

「アンノウン……」

なんでこんな忙しいタイミングで?

俺も体制を立て直す。

「こっちにもアンノウンだとっ!?」

あちらにも出たようだが手出しは無用かな。

「へっ!この程度の雑魚一人で十分だっ!オラァっ!いや。…………あ。しまった……!」

男の威勢は急に消えた。

違和感に思った俺は少しだけそちらへと警戒心を強める。

「うァァあァああああああ!」

そうして上がる悲鳴。

「お。置いてくな、みる!」

「こんな所で死ぬのは嫌よ!私は逃げるわっ!」

斧のやつが逃げた?

俺はダッシュでそちら側へと向かう。っく!戻ってダッシュしたところで平凡の俺の力じゃ届かないか?

「……ますたー、横」

「平行線か!」

隣に壁を開ければ!でも!

「俺たちが補強してやるよ!」

それを待ってた!

「「一閃」」

俺達は構えてすぐにそれを打った。そしてすぐさま補強している。その間に俺は作った道を抜けて男の元へ。

「た、た、た、たすけてくれぇ!」

「お前が自分を助けるんだろ?」

「お、お前は救援者だろ!」

「都合のいい時だけそう言って……。結局自分の命が大事かよ」

「当たり前だろ!こんな所で死んだら俺の野望が……」

「くだらねぇ事言ってんなよ!」

「……!」

「役目に縋って!一人で!結局周りに迷惑かけて!何様なんだよお前は!」

「だ、だって!」

「だってじゃねえだろ!周りがお前のせいで困ってることを知らないで。私利私欲のために救ってきて、何が役目だ!ただの優越感じゃねえかよ!」

久しぶりにどてかい怒号が飛んだ気がする。

「……さっさとどけよ。こんな所で死んでもらったら困る人もいるかもしれない」

「……なんで!なんでお前のところに人は来る!俺は俺は助けているのに!」

「自分がやってることが全て正しいと思うなって言ってんだろ。人は生きて感情があるんだ。やられて嫌な事くらい分かるだろ……。俺は別に役目を果たして見返りが欲しいわけじゃない。ただ助けたいから!人が傷ついてるのを見ると辛いから!だから助けるだけだ。……俺に人が来る理由なんて分からない。でも、お前が今見てるものが全てなんじゃないか?」

……。

「さっさといけ!」

俺の怒号に従って逃げていく男。

「……ますたー。殺るよ」

「おう」

左手が勝手に動く。みしみしという体から聞こえてくる限界のサインを無視して。

今回のアンノウンは十体弱。

なんか前とは様子が違う?

馬の様な何かに乗った騎士のようなアンノウンが三体、その後ろに銃のような物体を構えているアンノウンが五、六体、その後ろにアンノウンの剣士?そして、指揮官のような配置……。

なんなんだこれ。

と、考えている余地はなく。

「!?」

三体の騎士は俺に向かって突進をしてくる。

桜はなんとか俺の左手を振ってそいつらを呆気なく消滅させた。

その後、後ろの部隊は黒い鉛玉のようなものを発泡した。

「……左」

言う通りに左によけ、二発目の弾丸を横に振って剣で斬り、三発四発目を連続で切り刻む。

「……走って!」

桜に従う俺はほとんど上がらない足を無理やり動かし全速力で相手の懐へと入り、

「……一閃」

「はあ……はあはあ」

連携はなんとか培ってきたものを……。ただ、今までの疲労も。何もかも凡人には……。

でもやるしかないっ!

「うぁあっ!」

一閃のあとの一瞬の休息だった。剣士は俺の胸元を何か黒いもので突いた。

それの反動で大きく吹っ飛び後ろの壁面にドンッとぶつかった。

「まじかよ……」

体の限界ってやつだろうか。

「……私が守る!」

二度目のトドメであろう攻撃をアンノウンは俺の胸元に打ちこもうとする。

刹那、人型になった桜が俺の目の前へと現れ、それを庇うかのように俺の目の前へと立ちはだかった。

「桜っ!ダメだっ!」

「……私が守らなきゃ。……死んじゃいや……」

桜の涙が一瞬目に映る……。

何してんだ俺……。

桜だって死んじゃダメだろ!動け俺!何やってんだ!こんな時くらい……、役目はたさせろやこの凡人がァっ!

俺は自分に喝を入れる様に言い聞かせる。

本気を出せ……。


「今しかねぇんだよっ!」


こいっ!!!!!!!!

俺は一瞬だけ……、体を動かした。

軽くなった体を全て自由に扱えた。

それが『いつか本気出す』の『いつか』が『今』なのかは分からないが、この間のそれと、類似していた。

しかし、今言った通りそれは一瞬だった。

そして、最強は俺だ。

「桜を守るのは俺だっ!救援者だっ!絶対泣かせねぇ!!!」

桜を俺の体へと引っ張り手を握る。

すぐさま剣に変形させ、剣を三度アンノウンを真っ二つにするために振り下ろし振り上げ振り下ろした。

これが一瞬でたった一瞬でやった俺の姿だった。

かっけえ俺……。

などと思いながら桜が無事だということを確認、アンノウンが倒れたことを確認、そして体の全てが鉛のように重くなりドサッとそこに倒れ込む。

「……ますたー!」

「だ、大丈夫。今までの疲労が……」

「……やっぱ、ますたー、だいすき!」

「はは。ありがと。俺も大好きだぜ。俺のために生きててくれよ?」

「……当然。諦めかけた自分が腹立たしい。にしても本当に凄い特徴」

「いつも出せれば楽なんだがなぁ」

「……楽して出せる力じゃない。誰をも凌駕する力のはず」

「でも今回二、三秒だぞ?」

「……充分だった。ますたーが本気だった。それは心から思ったやつだ」

「そうかな?」

少し腑に落ちないけど、桜が嬉しそうだからまあいいか。

やべ、体動かないと仕事が。

「大丈夫ー?」

おっと愛が来たか。毎度毎度助かる……。

にしてもさっきのアンノウン……。なにか引っかかる。絶対に何かおかしいんだ。この世界も、か?

「なんとかなー」

「良かったー。いつもごめんね。助けにはいるのが遅くなっちゃって……」

いつもよりしょぼんとしてそんなことを言う愛。

「何言ってんだよ。他の人助けてくれてたんだろ?お前がいなきゃ救援者なんて本当に肩書きだけになってるよ。ありがとな」

「でも、私は支える役目なのに……」

「支えてくれてんじゃん。俺の役目。何も俺を守ることが全てじゃないだろ?桜もいてお前もいる、それでいいんだよ。今の状況じゃあれが最善だろ」

「…………道行くん!やっぱり好き!」

こいつはうるさいけど元気が一番だからな。

「で、作業を続けたいけど……」

「……問題」

「体が動かないんだよな」

「大丈夫じゃないじゃん!」

俺は壁面に背中をつけられ放置された。

なんで?

「道行くんはここで座ってて!私と桜ちゃんで全部終わらせるから!」

……俺、今まで必要なかったかもしれん。

まあ、任せよう。動かないとただの邪魔なオブジェだもんな。

「……よう」

そこにまた一人現れたのは……。

「さっき逃げたやつじゃん。何しに来たんだよ」

「助けに、な」

「逃げたじゃん」

「すまなかった。俺じゃ何も出来なかった……」

「……うん。そうだよね」

「動けないのか?」

「まあ、さっきの戦いで……。アンノウンは倒したから安心しとけ」

「そうか……」

「で?助けるって何を?」

「この炭鉱を復興させるんだろ?俺にもやらしてくれ」

「なんのために?名誉?優越感?」

「それは確か、かもしれない……。ただお前が助けてくれて、助けられることで安心することを知った……。すげえ嬉しかったんだ。助けてやるとかほざいてた俺が人に振りまいてた善意は周りから見て本当に善意だったのか……、色々考える……」

簡単に言えばありがた迷惑の上位互換だもんな。

「そっか。で、今それとなんの関係があるのか?」

「……困ってる人を助けたくて来た。それで助かれば俺は優越感に浸れる。それは名誉よりも素敵なことを知った」

「俺と同じだな」

「そうだ」

「じゃあ、任せるよ……。助けてくれ。この炭鉱を」

「任せろ!」

少しはさっきの言葉と俺の必死な行動で言いたいことは伝わっただろうか?

何も出来ない自分を見て、助けられた自分を振り返れて……。

人を全部自分の様に、とはいかないけど……。





そこから二人に任せて夜が訪れた頃。

半分ほど道は開通していた。

「はー!流石に疲れたよ!」

「おつかれ」

「……まじ卍」

プリクラに書いてあるやつ?

「鬼人さんもお疲れ様です」

「がーはっはっ!殆どはお前らの手柄じゃねえか!本当だったら開通が全然先になってたのを今日だけで半分!しかもこれだけありゃ明日採集してトレードを行える」

「じゃあ……」

「おう、これでバッチ解決よ!」

あれ、あいつは?

キョロキョロと見渡すがいない?

「……どした?」

「あのタンクトップは?」

「帰ったよ。ちゃんとお詫びと礼をしてった」

「そうですか」

「気にすんな!昨日の騒動の倍以上働いてくれたし、なんか清々しい顔してたからな!……道行、お前は人を救う天才だな」

「いや、俺は自分のためにやってるだけであって。周りが変わってくのは勝手にと言うか……」

「ほう、天然タラシみたいなものか」

「なんか嫌な例えですね」

「がーっはっは!なんにせよ、周りから見たらお前は凄いんだよ!本当に助かった!宿は今日まで寝てくか?」

「あ、はい」

俺は鬼人さんにおぶられ皆で宿に帰えり、祝杯を上げた。

皆繋がって仕事がなされてるんだな……。





「本当にありがとうございました」

そうお礼をするのは鬼人さんの妻、茉理絵(まりえ)さん。名前知っの今。

「いえいえ、俺は何も。この二人にお礼を……」

「なに言ってんのー!道行くんが動いて色々頑張ってくれてるから私たちも頑張れてるんだよ!」

「……右に同じ」

「だから、自信もって好意は受け取って!」

「お、おお。……、じゃあ、どういたしまして。また困ったことがあれば、全力で駆けつけます」

「本当に私だけでなく、この街の恩人です。あなたは……」

「そう言っていただけるとこれからも全力で皆さんのフォローのしがいがあります」

ふふふ、ははは、と笑い場は和む。

「さくら……」

「関係値上がった?」

そう言ったのは子供告白王、息子の咲斗(さくと)。名前知ったの今。

「……何?」

「けっこ「……無理」」

言葉も言わせない。そして、俺の腕にしがみつく。

「諦めろ……」

「うぁああああん」

うわ、面倒くさ。

そう思ってしまったが、こんなことで感情を揺れ動かせる自分は平和だな。と気づいた。

「今日宿で寝て明日出発するんですね」

「そうなります」

「こんな宿で良ければゆっくり休んでください……」

「助かります」

俺達はゆっくりその場で休んだ。

疲れたな、体全身が思うように動かないや。はは!



とても暑い日が急に続くようになりました。暑いですね。

まあ、クーラーガンガンだから関係ないんですけど。

年をとる事に暑くなる地球はどうなってんでしょうねえ。


最後まで見届けてみよう。


また来週!


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