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無知

さて、桜達はどこにいるのかな。

桜は見えない存在じゃないし、……えっ、こんなでっかい地球から探し出すの?

いや、無理無理。ほかの手は……。

ミズキはもともと見えない存在。そこにいると思ったらいるのか?幽霊?さっきは存在を思い出せなかったが、今は。

……いない、か?

この世界を作った奴……。神……。どこに住んでる?

俺たちが戦っていたアンノウンっていう敵はこの世界からきている。武力をもって力をもって、権力をもって…。

アメリカの軍隊?いや、あのロボット兵は完全はこの世界の技術の数段先にいた。

……どこにいる?

神が住まう場所。そいつらにサポートする奴ら……。霊だったり、天使だったり?いや、この世界の神が力を貸してるんだ。

地球規模じゃない?宇宙規模で……、どっかの星か……。

どうやって行くんだよ……。

いや、一つあるか。

ミズキがいれば……。存在をその場に移せるはずだ。

「いないのか?いや、いる」

ミズキは俺の近くにいる。

俺が認識する。そこにミズキはいる。俺の剣達が俺を……。

「……離れないよ」

ふと声が聞こえる。聞き馴染んだ小さくて淡泊な声。

――やっと会えた。

「来てくれたのか?それとも俺が呼んだおかげ?」

「……桜たちが探してたのもあるし」

――主が思い出してくれたおかげでもある。

「……また呼んでくれてありがとう」

「俺のところへ来てくれてありがとう」

「……愛のところへ行く覚悟は」

「当然決まってる」

「……じゃいこう」

「ああ」

――悪いやつを倒しに。

「力貸してくれ。二人とも」

――合点。

「……あい」

二人を手に取って存在を確認する。

「マ・ロスト」

ミズキと共にそう一言発し。俺たちは存在をそこから消し、アンノウンの拠点へ。




着いた。

周りを見渡して、雲が一つの縦に伸びた塔を囲っている映像を脳内にインプットさせた。

オレンジ色見がかった靄の様な何かがこの世界の色なのか。世界が霞んで鮮明に見えることはない。なんとも形容できないフワフワした雰囲気を感じている。夕焼けとはまた違たった。それこそ未曽有で異世界だった。

俺たちは塔の目の前に浮いている雲の上に立っている。

そして、轟音が鳴り響く。

俺たちは無言のまま塔の中へと入りこんだ。

「な、んだこれ……」

衝撃的な光景が目に映る。

幾人もの人が床に倒れ血を吐き吹き出し、それを踏み台に戦うものがいる。怪奇的だ。

「……戦争だ」

「せんそう?」

「……そう。この世界とあの世界の」

「正しいとかなんとか言ってたやつか……。武力行使に走ったか?」

「……多分愛が先陣を切ってやってる」

「愛……が?」

なんでだ。何のために。

「……ますたーを傷つけたアンノウン達が許せなかった」

「そんなことでここまで……」

人を殺すのか……。

「……愛にとっては相当の事」

「止めなきゃ……」

――上に上がる階段がある。

「あれか……」

よくよく見ると上へと上がる螺旋階段がある。

その上にこの世の神が、愛がいるのか……。

アンノウンを根絶やしにするためにここに来た、のか、わからない。わかりたくない。

和解をしに来ただけなのに……。こんなことに……。

俺は戦場を潜り抜け階段を昇っていく。

「む!何者だ」

まあ、許すものがいるわけもなく。相手は銃を構え臨戦態勢。

シャーなしか。

俺は殴打や蹴りで敵を気絶させていく。

幾度も幾度も。

そして一つのフロアへと到着した。

そこには一人のぼろぼろになった女の子と鋼鉄を身にまとった人型の小さなロボットがいた。

「くっそ!そこをどいて!私は……、道行君と一緒にいたいだけなのに……。それの邪魔を……、するなぁっ!!!!!!」

何度も立ち向かっていく少女はダメージを与えられないまま自分だけが傷ついていく。


「……愛」

「敵かぁっ!!」

「!?」

急にこちらへと敵意を向けて蹴りを入れる。

俺は咄嗟ながら、半身ずらしてそれを回避した。

「避けられた……。ただの一般人に?」

「愛?」

「なんで私の名前を……」

「俺が見えていないのか……?」

「道行……君?」

「ああ」

「でもなんでそんなに黒くてアンノウンみたいな姿を……」

「俺がそんな姿に?」

「……愛、桜は」

「桜ちゃん……。うん!よく見えるよ!」

「……ますたーはもともとここの住人」

「じゃあ、フィルターが俺にも適応されてるのか?」

「…多分」

「でも、何でここに……?」

「ここの神に用があって」

「私と一緒だね?」

「殺しに来たのか?」

「ううん!全然!話し合いに来たけどこの巨神兵みたいなのが邪魔でね」

いつも通りの調子に戻ってきたか?

「あ、本当に一緒なんだ。でもなんで一人なんかで」

「傷つけたくなかったから……。アンノウンが人だってわかり始めてる道行君じゃ多分……」

「察してくれたのか」

「うん」

「でも……。大間違いだな」

「え?」

「俺はお前を支える、お前は俺を支えてくれる。そんな奴が急にいなくなって、アンノウンとどっちが傷つくと思ってんだ。お前が必要なんだよ」

「……ごめんなさい。勝手な考えだった。話すべきだったね。全部。知ってたつもりだった。でもまだまだ知らないことだらけだ。私も隠したことがあるままだ……」

しょぼんとする愛。

「解ってくれりゃいいさ。ま、もっと詳しい話はこいつを倒してからかな」

「そう、だね……!無人だからやりたい放題、だと思ったけど……強すぎるんだよねえ」

「お前でもダメなのか」

「道行君いなかったから力出なかったのもあるよ」

「そっか。じゃあ今ならいけるか」

「もち!」

「二人も」

「……よっちゃんいか」

――大丈夫!

「よし」

「道行君、強くなったの?」

「見てりゃよくわかるよ」

俺は取り敢えず自信満々にそう答えた。

不安だけど。

「気をつけてね。相手は技を完全にコピーしてくる。コピーした技は殆ど記憶してるから、何をしてくるかわかんないよ!神が総力を挙げて作った賜物は、力、守りともに最高級」

愛がそう言うのなら相当なんだろう。

気を引き締めないとな。

俺は桜とミズキを持って構える。

そのロボットは動く事は無い。いや、違うか?挑発している?

ロボットは棒立ちで余裕の面持ちだ。

「こっちから行くぜ」

「……これロボットだからね」

ーーロストも却下。自然には敵わない。

「分かってるよ」

要はロボットは無機物だ。感情は無い。精神攻撃は効かない、か。

俺はとりあえず様子見で両刀を左右逆方向に振るった。

「一撃、これでどうだ?」

……ロボットは動じない。そして、目が赤く光る。

なにか来る!?

俺は咄嗟の判断から間合いをとって攻撃に備える。

ロボットは無傷。キュイイインと目に粒子を溜め込んでいる。

そして、数秒後それを放った。

「にゃろっ!」

赤い光線が俺の視界を全て奪う。

まじか!逃げ場がねえ!一閃で迎え撃つか。

「「一閃!」」

紫電が今までの最高速度でその光線と交わった。

刹那、轟音が鳴り響き、衝撃から煙が上がる。

相殺……。

出来ないかっ!

「二連!」

赤い光線は変わらずにこちらへと向かってくる。

なんつー威力だよ。

俺は続いて振るう。

が、それは何事も無かったかのように当たって散った。

「まじかよ……」

ーーあれなら消せる。

「いけるか……!」

「ロスト!」

存在を消す。粒子の存在を全てどこかへと消し去る。

いるかいないか、目視で居なければそれは居ない。

そうしてやっとの思いで赤い光線は消えたかのように見えた。

そう見えた。いや、消したんだ。だが二発目が三発目が俺を襲ってくる。

こんなにやべえのかこれ!

「おっと!流石にやりすぎだね!」

愛は俺の目の前に経つと、怖い相貌でロボットを睨む。

そして、赤い閃光を二発蹴飛ばした。

「っち!三発めか!」

しかし、二発でギリギリの相殺。もうひとつの追い打ちに手を焼いた。

「ここは、俺がやるから!」

「…… 五全!」

桜はひとりでにそう叫んだ。

よく分かってる。

「俺たちの全力だ。受け取れ」

俺は剣を上段に構えた。

「数秒保てるか……?」

五秒ほどで愛にぶつかる。

俺は全神経を力を剣に集中させる。

「……今っ!」

そして、桜のその合図で俺は剣を振り下ろした。

「おらあっ!」

四つのチカラを凝縮した光線が赤い光線に激しくぶつかり、やっとの思いで全てを消滅させた。

「うっわ……。疲れる。ってか、殆ど無傷かよ……」

相手のロボットに届いたものの既に威力は死んでいた。

『ジャマモノ…ハイジョ』

「?」

ふと、ロボットがカタコトでこちらへ敵意と共にそう言葉を放った。

「やっとその気になった……か!?」

「ぐっ!」

「愛っ!」

最終局面ですかね。

あと二話か三話か、随分と引き延ばしたのには意味があるのかと、勿論。ないよ。

ではまた。

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