自己中心(善)
「六炎」
「六だと?ははは!そんなはったりが私に!」
アーサーと幾度となく剣を交える中、俺は少し距離をとってそう発する。
そして桜を一つ振った。
「ははははh!何も起こらないじゃないか」
「「六怨」」
次に剣を相手へ突き刺すように構え一言。
「ははははh……。なんだ!?何が!?」
……。
「痒い!?体が!熱い!痒く……痒い痒い痒い痒い!」
――何事?
急に自分の体を掻き毟り床に蹲る様子のアーサー。
「な、何をしたこれは……。俺の中に何かがいる!ぐ、ぐあぁぁあああああああああ」
「肉眼で映るようになってきたな」
――暗闇があいつを覆っている。
そう、闇だ。闇がアーサーを見えなくなるほど覆う。
「あれは罪」
――罪?
「……自分で犯してきた罪を全て精神的に現実的に思い出している」
「凝縮してな」
「う、嘘をつくな!私は正義の味方だぞ!!そんな罪を被ることを……」
「お前のような上っ面の建前的な正義。それはお前が良かれとやった行為。お前は今感じてるだろ?聞こえてるだろ?周りの声が、悲痛が!」
「な、何を……」
助けて……。いやだよぉ。殺さないで!命だけは!!私は助けてくれなかった。何で……?殺すの?私を……。恨めしい。恨んでやる。殺してやる。私が何をした。偽善者が!
そんな声がアーサーの中から溢れ出す。
「なんだ!この声は!何をしている。どうなってるんだ!私を責め立てるな!私が何をした!何が!何だ!」
「お前が正義と振るった剣は人を殺している。傷つけている。お前のせいで誰かが不幸になればそれはお前の犯した罪だ。責任だ」
「ふ、ふざけるなっ!私がこれまでどれだけ人を助けてきたと思ってる!」
「それで犠牲になった人間がどれだけいるんだ?声が聞こえるだろ!」
「う、うぁぁぁぁぁあああああああ。やめてくれえ!私は……、俺は……悪くない!!!」
何かに責め立てられるように後ずさる。
「責任を負え。知らないところで人を傷つけている?違うね。自分のやっている行動一つに対して考えが浅はかなんだよ。お前は人を殺した。何が悪い?誰かのためになる人を殺したんだ。お前は人の成長を妨げたんだ。多くの人を殺したんだ!!」
「な。何が悪い!!正義のために!」
「人が死んで言い理由?俺にも分んねえよ。でもなんで今お前は苦しがってるんだ。人の恨みで自分が押しつぶされそうだ。恐怖を味わっている。それが答えじゃないのか?」
「う、うああ……。くっそ屈してたまるかぁあああああああ!!!」
「……まだ動けるのか」
這いつくばりながらもこちらへにじり寄る。
「じゃあ、閉めるか。桜、ミズキ」
「……り」
――わかった。
俺は桜を天にかざす。そして、
「七剣」
言葉と共に七本の剣は天からアーサーを囲うように地面に刺さる。
「な、何を……動けない」
「お前の動きを封じた」
俺は一度目をつむる。
瞑ったまま上段に構え、ミズキを縦に振り下ろす。
「「ロスト」」
「な……」
消えた。跡形もなく悪が消えた。
「何をした……」
「お前の闇を消し去っただけだ。罪は消えない。そしてもう一つお前の俺への悪意を消した」
「悪意を消す?」
「お前の力の発動条件である敵という認識、悪という認識を消した」
「さっきの技は……」
「消し去る力、存在まで消せる」
「なぜ、消さない」
「人を救うことのできる力が必要なのは確か。周りの人間がお前の居なくなった影響で死んだら嫌だしな」
「……対象をますたーから外しただけ」
「お前はもう俺とは戦えない。負けだ。アーサー。そして、どうする神様?」
ずっとおとなしく見ていた神は嫌な顔をしながらこっちへ寄る。
「こうなることは知っていました。あなたに何か変えられるとは思いません。でも……、覚悟は決めたのですね」
「ああ。世界を救う。それが望みだから」
「私には抵抗する手立てはありません。思うがままに……」
「ああ。俺たち三人を愛の居る世界。アンノウンの世界へ」
「……わかりました」
俺たちはこの世界から忽然と姿を消す。
しゃーなしと悔しそうな顔を見せる神様を後に……。
まーた短くなっちゃったよ。ただ、頻度を上げていきます。
どんどん行きますよ!
これが終われば違う新作が二つです。




