俺は80歳になってもな、鉄の斧一つで生涯現役やってんだよバカヤロウ
こんなんできちゃいました。
無数の砂利が風に舞った一つの名も無き荒野で、俺は今日も戦をしていた。
片方は人間達が集ったとある王国の軍、かたや魔族や魔物を中心として形成された大魔王の軍団。
こっちにゃ新米もいりゃベテランもいる。それは向こうさんだって同じだろう。
――だが戦場に出たらそんなの関係ねえ。
食うか食われるか。殺すか殺されるか。生きるか生き延びるかの世界だ。
13歳で戦場に加わってあれから俺は何百人、何千人の友を見送って来た。
鮮やかに役目を全うしたヤツもいれば、志半ばで惨たらしく死んでったヤツもいる。とんでもなくバカでかい竜や大蛇に飲み込まれた光景だって、今じゃ飽きるくらいに見て来た。
俺みたいな頭の固い糞老兵だけがいつまでも生き残って、生真面目で優しい奴ら程早死にする。戦場なんてそんなもんで、いつだって理不尽で無情だ。
いい加減戦いを止めたらどうなんだとも、耳にタコができるくらいずっと言われてきた。
お前以上の者がこれ以上無駄に戦いを続けて、寿命を速める必要も今更ないだろうとも。
だけど俺にはガキの頃からずっと決着を付けられないでいる相手がいる。だから俺はまだ戦いを止められないのさ。
――おっと。
そんな事思ってたら、早速目の前にオークが三体来やがったぜ。考え事はここまでだ。
「ケケケッなんだよこのクソジジイ。そんな斧一本で俺等と戦うってかあ?」
「ヒャッハァ! こいつはとんだボーナスステージだぜ! バラバラに刻んでついでに鍋ぶち込んでしてやるぜえ!」
「オイやめとけよ! こんなろくに脂肪もねえ筋肉だけのジジイなんかクソマズに決まってんだろォ!?」
俺を前にしたら大概の魔物共は好き勝手いいやがる。
こんな見てくれだ。頭だって白髪でぼうぼうだし、顔だってしわがれまくり。そりゃ格好の的だと思うだろうな。
――『普通』はな。
「ペシャンコになっちまえよぉ!」
オークの一匹が片腕で巨大なこん棒を振りかぶると、俺目掛け叩き付ける。
そして俺はアイツらの宣言通りにペシャンコに――『ならない』んだなこれが。
「ギェ!? ナンデ!?」
「ったく昨今のオークは随分とひ弱だな? 出直して――――きやがれええええええッ!」
鉄の斧で俺は視界に入るオーク共を薙ぎ払った。
――おや、どうやら今の一撃に余波があったのか、結構後ろにいたモンスターもぶっ飛んでいっちまったようだ。ざっと見ても200体は仕留められて、一石二鳥だ。
「いや……逆に仇になっちまったか?」
異変を察知した他の魔物達が、飛んで来たからだ。
その数、実に数千。中々の大所帯だ。
「テメエが噂に聞くジジイか。筋肉ばっか無駄に付けただけのヨボヨボじゃねえのさ! 雑魚い雑魚い!」
「だったら何だと言うんだ」
「決まってんだろ。――死ねやあ!」
先頭に立っていたモンスターのリーダーらしき魔族が号令を下すと、そいつ等は俺目掛け一気に突進してくる。
その種類はスライムから巨大な竜を始め、ピンキリだ。
味方も巻き込む勢いで攻撃をする魔物共。
まず最初に翼竜が空から襲い掛かる。邪魔だから手で払ってやった。
次に数体のガーゴイルが正面から突っ込んで来る。斧で後ろの敵ごと薙ぎ払う。
いつの間にか後ろに回っていたゴブリンから、頭を殴られた。別に痛くも何ともなかった。むしろこそばゆい。
振り返ると、どうやらこん棒が折れちまってたらしい。恐怖で顔が引きつったゴブリンの顔がなんだか微笑ましい。
が、やられたらやり返す。これ戦いの基本なり。恨みはないが、俺に討たれて貰うとしよう。
その後も続けざまに押し寄せる攻撃の波を受け止めては、一つ一つ律儀に払ってやった。
前から横から上から下から。年老いながらも今を生きている喜びに敬意を込めながら、確実に倒していく。
この絶え間なく動いている瞬間が、俺にとって至福の時だ。
どれくらい続けてたろうか。10分? 一時間?
そんな、時の感覚を失いかけた頃に、俺はようやく我に帰った。
あれだけいた敵の残り数が、リーダーを含めて今や10体程しかいなくなってしまったからだ。
「バ……ばば、化け物かよコイツはー!? 逃げろぉー!」
「む、なんだ? もう終いかよ?」
近頃の魔物はすぐ諦める。情けねえ。
もっとこう――根性ある姿勢を見せてほしいもんだな。
「――――おじいちゃん、大丈夫!? すごい魔物の数だったから慌てて来ちゃったよ!」
――ん、この甲高い声はひ孫の次女の『エリナ』か。もう17歳か、可愛くなったもんだぜ。杖を持つ姿も中々様になって来てるじゃないか。
「……あの数の魔物、全部相手したのか? 無理すんなよ爺さん」
今度は孫の三番目の『フリード』か。俺の真似していっちょ前にデカい剣なんか持ちやがって。まだ29歳のひよっこだろうが? 戦場なめんじゃねえぞ?
「爺さん……顔に書いてるから」
「うるせえ。首尾はどうだ?」
「最前線にいる父の隊が粗方片づけてる。この周辺は間もなく占拠できるな」
「この軍の指揮隊長は?」
「この劣勢じゃとっくに撤退準備をしてると思うけど――っておい、どこ行くんだよ爺さん!」
俺のアホ息子が珍しくまともに働いてるだと?
アイツはまだ57歳になったばかりだろうが、還暦すら迎えてねえヤツが調子のんじゃねえってんだ。
「お前らは先に下がってろ! 俺がハイデルの様子を見てくる!」
「ちょ――わざわざおじいちゃんが行かなくてもいいんじゃないのー?」
――あめえ。角砂糖を10個ぶち込んだコーヒーに蜂蜜を混ぜるくらい甘え。
俺は何年アイツの親をやってると思ってんだ。
どうせ碌な事になってやしねえのなんか分かってんだぜ。
「わー走り出したー! おじいちゃん早ーい!」
「80の老兵とは思えないな……」
お前ら聞こえてんぞ。別にいいがな。
* * *
「指揮隊長ベルゼビュート! この機を逃さん! 必ずこのハイデルが始末する!」
「……くく。阿呆目が、年甲斐もなく深追いをしおって――――やれ!」
「な、なんだこの魔法陣は! 身体が……!」
ほうら、俺が言った通りじゃねえか。あんな古典的な罠に引っ掛かりやがって。
息子にだだ甘なミサが最初の育て方を間違えたから、あんな詰めの甘い性格になったんだぞ。……って言っても三年前に逝ったから今更だな。
「せめて俺くらい快く旅立たせろってんだよ」
どうやら設置型の罠に引っ掛かった所為で身動きが取れなくなっちまったらしい。
既に敵にも四方を囲まれてしまってて、俺がいなきゃ絶体絶命だったのは言うまでもない。
「仕方ねえ。地面の魔法陣ごと――ぶっ壊してやるとすっかあ!」
俺の全ての源は、一分の魔力と若くからして鍛えた、九割九分の『チカラ』のみ。
「砕けろやあああああああああああああッ!」
アホ息子に多少のダメージがいこうが構いやしない。取り敢えずは死ななきゃそれでいい。
おっさんになったら引退してスローライフなどと、戯けた事をほざきたかったら俺が死ぬか、せめて70歳まで戦いやがれ。
怨むならこの理不尽な戦場で育った俺の下に産まれた不運を恨め。
「な、なんだ……この巨大な力は! まさか奴が!?」
ぬかったな。気付くのが10秒遅いぞベルゼビュート。だがその秒単位の鈍さでさえ――戦場じゃ命取りだ。
魔法陣の周辺ごと木端みじんにしてしまった俺は、その余りある力で魔法陣から一つの巨大なクレーターにしてしまった。
喰らった魔物どもは恐らく骨すらも残らなかっただろう。現に今ではクレーターの上に立っている者は誰もいない。
――但し俺の息子を除いて、だが。
「お……親父。頼むから、私ごと巻き込むのはやめてくれと……いつも……言っている」
「けっ。仮にも俺の息子なんだろ? ならあの程度の一撃で死になんかしねえよ。ほら、現に今も生きてんじゃねえかよ」
「生きてはいるが肉体がボロボロだ!」
「深追いした罰だと思え。そんなんじゃお前の『スローライフ』とやらはまだまだ認められねえな。ま、俺が死んだら好きに生きていいがな」
さて、言いたい事も言ったし、最前線に今日も立てたし、敵もいなくなった。
今日はさっさと帰るとするか。
「ちょーっと待った。『延長戦』、いいかな?」
……と思ったが、どうやらそうもいかないようだな。
俺の後ろから聞こえて来たのは、一人の少女の声。
今の俺にとってはガキの頃から聞き慣れた声だから、振り返ってその姿を見ても特に驚きもしない。
「ハイデル。お前も帰れ」
「な――親父、まだ戦う気か! 見た目こそ幼い少女だが、れっきとした大悪魔なのだぞ!」
「んなこたぁ60年以上前から分かってるってんだ。それに俺はコイツと戦う為に今を生きてんだ。こっからは俺の私用だから早く帰れ」
「……分かった。死なないでくれよ、親父!」
誰に口聞いてんだか。俺を『誰』だと思ってんだ。
「よう、やっと来たか。この戦場には姿を見せなかったから、珍しく戦う気がなかったのかと思ったぜ」
「私が戦ったら折角の味方も巻き込んじゃうからね。誰もいなくなった後の方がいいでしょ?」
「ケッよく言いやがる。んな事微塵も思ってない癖によ」
「じゃ早速――戦いましょ?」
その一言で、今日も幼い悪魔との戦いが始まった。
悪魔が左手に持ったバカでかい鎌が俺の斧とぶつかり合う。火花を散らし、鉄が燃えたような焦げ臭い匂いがする度、俺の身体は今日も今日とて興奮を覚える。
「魔王の言いつけを無視してここまで来たのか?」
「私にとっては今のへっぴり魔王なんかどうでもいいからね。アナタと戦えればそれでいいわ」
殺意を込められた悪魔の攻撃だが、俺はそれを腕一本で止める。
この『正真正銘の剛腕』こそが、俺が戦場で長く生き抜いて来れた秘訣でもある。
「嬉しいねえ。流石、『世紀の大悪魔』と称されたお前は言う事が一味違うな」
「あらら、アナタだって『生ける大豪傑』と今だって称えられてるでしょう?」
隙が空いた所に構わず斧を悪魔の頭目掛け叩き付ける。――が、避けられた。
代わりに大きく抉り取られた大地は、無数の瓦礫となって荒野に飛び散る。
「こんなジジイを掴まえて何が豪傑だ。息子や孫が今だに腑抜けだから、俺が気張るしかねえんだよ」
「相変わらず頑固なお爺様だこと。『まだ戦いたい』って欲がダダ漏れなのにねえ?」
「よく言うぜ。ババアになりたくないからって不老の身体を手に入れたお前だって、欲まみれだろうに」
「あら、愛する人の前では若く美しくありたいって思うのは女性として当然じゃないかしら?」
「隙あらばいつでも俺を殺そうとしてるヤツが言うセリフじゃねえよなあ!」
「私は戦いに狂ったアナタに一目惚れしたのよ? だったら私の殺意くらいいつでも跳ね返してくれないと困るもの」
「やかましんだよこのキチガイがあ!」
俺はいつだってこの斧一本で戦ってきた。
竜だって屠って来た、怪物だって斬り裂いて来た。
古の魔王だって討ち取って来た。
俺は強さにいつだって餓えていた。だけど、その渇きを満たしてくれるヤツは、誰一人としていなかった。
目の前の――コイツに逢うまでは。
「そんな強さがあるんならとっとと大魔王サマにでも君臨して、世界を好きに支配すりゃいいだろうがよ!」
「生憎と私は支配欲なんて全くないのよ。私もアナタと同じ――ただ戦いと強さを求めるだけの『狂人』に過ぎない」
「へーそうか。だから今日こそ俺を殺すってか?」
「60年前にアナタと会った時からずっと同じ気持ちよ。今だってそう――早くこの手でアナタを殺して、その首を未来永劫飾りたいくらいだわ」
「つくづく変態だなお前も。んでその後はどうするんだよ?」
「戦いをやめて、私も死ぬわ」
「なんだそりゃ。俺を殺す意味がねえじゃねえかよ」
「言ったでしょ? 私もアナタと同じだって。飢えを満たせないのなら、この世にいる意味がないもの」
「……成る程な。確かにごもっともだ」
「何本当に納得してるのよ。ならアナタだって、私を殺したらどうするつもり?」
「俺なら多分、本でも読んで静かに余生を楽しむさ」
「何よそれズルくない? 私はアナタが死んだら自分も死ぬって言ってるのに」
「お前の『愛』とやらは重すぎるんだよ!」
おしゃべりをして互いに笑いあいながらも、その手は互いの胸を貫くか、首を斬り裂く事しか思っていない。
そんな事をずっと続けて来て、もう60年も経っちまった。
俺は人間だ。どんな屈強でいかつい身体したって、寿命だけならそこらの人間と大して変わらないだろう。
流石にこの歳になると嫌でも自分の最期の瞬間ってのは頭をよぎってしまう。
今の俺を満たすのは、飽くなき戦いだけ。
だがいつかは終わりが来る。生きている以上、全ての命に約束されたルールだ。
「なんなら、アナタと私で未来永劫生きていられる、魔法でも今から研究した方がいい? 不老の術ならすぐ開発できたし、今なら『不老不死』だって夢じゃないわよ?」
「そいつぁいい提案だ」
実際俺だって考えた事はある。
誰だって死ぬのは怖い。自殺願望があるトチ狂ったヤツでもない限り、一度くらいはその運命に怯える。
好きな事をし続けていたい、嫌いな事なんかしたくない。それがヒトとしての欲だ。
「生き物ってのはよ。終わりがあるから輝くんだよな。花だって『散るから美しい』って言うだろ?」
だからこそ、俺はその誘いには乗らない。
いつか終わりがくる有限なる興奮だからこそ、俺は燃えるんだよ。
「無限の時間を手に入れて、お前を殺したって面白くもなんともねえ。ヒトはいつだって渇くから餓えるんだ。どんなに美味い酒だっておんなじヤツをいつまでもガバガバ飲んでたら腹がパンパンになるし、何より『飽きる』だろ?」
「ふふ、そうね。正にその通りだわ。当たり前過ぎてぐうの音も――出ないわねッ!」
悪魔は物理だけじゃない。ありとあらゆる魔法で俺の息の根を止めようとする。
業火が渦巻き、凍てついた氷が襲い、真空の風が斬り裂いて、しまいにゃ雷だって落ちてくる始末だ。
でも、それが何より心地いい。
威力が高けりゃ高いだけ身体は嬉しさに震えて、心は歓喜に満ちる。
「――ああ楽しい。愉しいぜ。こんな時間が、あとどれだけ続くんだろうなあ」
「気持ちは分かるけど、マゾヒストも大概にね。それとも、アナタはずっと攻められる方が好きなの?」
んなこたぁねえさ。
「な――早い!?」
「傷ついてダメージを負っているからからすぐには動けない。そんな常識に囚われて、頭が固いのは果たしてどちらかねえ?」
余裕で構えていた悪魔のどてっ腹に一瞬で近づき――俺は渾身の力を込めて真っすぐ突いた。
防御体勢すら取れなかった悪魔の身体は見事な『くの字』に曲がり、見開いた眼と共に遥か彼方に吹っ飛ぶ。
そして、少し時間をおいて何処かの岩山にでもぶち当たったようだ。ガラガラと崩れ落ちる様をひとしきり見て、身体はまだ鈍っちゃいない事を実感させる。
我ながらなんの捻りも無いただのシンプルな攻撃だとも思う。
だが炎だの風だのと、小賢しい魔法なんて俺の性にはやはり合わん。
俺の子供やら孫やらも目の前のコイツみたいに『魔法こそ至高』みたいな考えだが、どうも洒落っ気が先だって、正直いけ好かんのだ。
「男は黙って己の肉体で勝負。――そんな考えは今時分じゃ古いのかねえ?」
「――いいえ、肉食系っぽくて私はとっても好きよ?」
後ろ――だと!
耳元から聞こえた吐息に、久しぶりに寒気がした。
振り返った時には既に鎌が首元にまで差し迫っている。直撃は避けられん。
「ふぬあああああッ!!!!!」
気合一発。首に全神経を集中だ。
「げ――斬れないッ!? ウソー!?」
「本当なんだなこれが。久しぶりに切り札を使わせて貰った」
「いや、どんな切り札よ……」
首にめり込んだ悪魔の鎌は、刃先が振れたほんの少し先で食い込むだけに留まり、結果として微量の血が流れるだけだった。
「明日死ぬかも知れない老兵なれども、この首そう容易く獲らせんよ。相手がお前なら、尚更な」
「……やだ、カッコイイじゃない」
少しだけ紅潮した悪魔の頬に、誇らしく笑みで返してやった。
そして互いに一度仕切り直しをするべく、間を取る。
「中々のドヤ顔だったわね」
「この歳になるといつポックリいくか分からんからな。やれる内に好き勝手やるさ」
「息が上がってるんじゃない? まだやるつもり?」
「当たり前よ。それに息が上がってんなら、俺を殺す絶好の機会じゃねえか」
「うーん、そうしたいのは山々なんだけど――なんか『さっきの援軍』が来ちゃったみたいよ?」
そう言って親指で後ろを指す悪魔の先にあったのは、再び押し寄せて来た魔物の大群だった。
「ベルゼビュート様の仇だー!」
「せめて我等で一矢報いよー!」
どうやら俺が屠ったあの魔族は中々に信頼されていたらしいな。
逃がしてくれる雰囲気でも……なさそうだ。
「あーあ冷めちゃった。私帰るわね」
「俺も疲れたぞ。帰りてえんだが」
「あの魔族を倒しちゃったのはアナタでしょー? 最後まで責任取りなさいな」
ぐ……それを言われると何も言い返せん。
こんな時、後10年。いや5年若ければと思う。
考えてる間にも魔物はどんどん押し寄せてくる。その数は視界に入るだけでも、先ほどの比にならない。数万に及ぶだろうか。
「それじゃお先。よかったわねー私以外の楽しみがあって」
「ぐ……ぐぐ、覚えてやがれー!?」
これじゃどっちが悪か分からんぞ。
ええいもうどっちでもいい。もう敵さんも目前だ。
「上等だ。俺は80歳のクソジジイになってもな……」
再び鉄の斧を握りしめて、俺も最前線目掛けて走り出す。
その選択肢に愉悦はあっても、後悔など無い。
『鉄の斧一つで生涯現役やってんだよバカヤロウがー!』