初メテノ共同任務。
誤字脱字が多いかも知れません、ご了承下さい。
「小隊長~今日の共同作戦って何ですか?」
「お前、説明いてなかったのか?」
倉田の間抜けな声がその場に響く。この後死ぬかもしれれないのによく呑気なことを言える、そういう呑気なところが適度に肩の力を抜いてくれているのは否定しないが・・・
「隊長、彼にそんなこと言ってもダメです学習能力ゼロ何ですから。」
「伍長、それちょっと酷くないですか?」
「本当のことを言っただけですが?」
真鍋の様子から見るに心の底から本当のことを言っているらしい、まぁ確かに本当のことなのだが・・・
米軍との共同作戦が行われる。作戦の内容は占領された前線基地を奪還することである。
作戦内容は敵の防衛戦を突破するため最初に砲撃や無人機、有人機による攻撃を行い、ある程度敵の戦力を削り、その後地上部隊が三方向から攻め込む。と、いうものだ。
そして各小隊ごとの指揮は自衛軍がアメリカ軍のスキルを学ぶためアメリカの小隊長が執るとのこと、要するにアメリカさんのやり方に従えってことだ。
「はぁ・・・」
今日の作戦あのクロエ・ベネットとかいうあの面倒臭い人の言うことを聞かなくてはならない、まぁ、命令なら軍人としてちゃんと従うが・・・
「小隊長、そんなに面倒くさがらなくてもいいじゃないですか。どんな堅物でも機械じゃないんですから上手く口説けばラブ&ピースが待ってるかも知れませんよ?」
倉田がよくわからないことを言う。
「何だよ、ラブ&ピースって・・・」
「倉田上等兵、二次元の女の子しか口説いた事のない隊長にリアルの女の子を口説くスキル何てありませんよ。」
真鍋の毒舌は今日も絶好調である。
「俺だって、リアルで口説いたことくらいあるわ!!」
「親戚の子供にお菓子あげて、「おじちゃん大好き~」と、言われたとかですか?」
「ちがわいッ!」
柴田の声が空しくしれ響いた。
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クロエ視点
「第3戦車小隊、全車前進。」
「第6戦車小隊、各車前進。」
二人の隊長の声が無線に通る、それと同時に8輌の戦車がそれぞれのエンジン音を響かせながら進み出す。
第3海兵戦車小隊は街の大通りをトロトロと低速で進む周りを歩く歩兵を置いていく訳にはいかない。
基本、戦車と歩兵は行動を共にする。戦車は歩兵の盾となり、歩兵は戦車の脅威となる対戦車兵器を持った歩兵から戦車を守る。という役割があるからである。
歩兵が建物を一つ一つ制圧していく。
『パァーーン』
一発の銃声が蒸し暑い街に響く。
「狙撃手ッ!!」
外にいる歩兵が騒がしくなる。
「衛生兵!」
「捜せー!!」
「いたぞ!!」
『パン、パン、パン』
スナイパーを排除したのか、違和感を覚えるほど静まり返る。
が、静かになったのはほんの数秒だった。
『ヒューーーーッ ドーンッ!!』
その爆音と共に前方を走っていた多目的軽装甲車が吹き飛ぶ。
「敵襲ーーーッ」
『パパパパパパパパッ』
「ホルガー、チャムリー援護に当ります、いいですか?」
「「はい。」」
クロエは戦車を歩兵の盾になるように動かし機銃で援護する。
モニターを見ると前方と後方から赤い点が2つずつ近づいていた。敵戦車だ。この小隊だけでは厳しいか・・・
『第3戦から第6戦、12時方向と6時方向から敵戦車が接近しています。至急、援護を要請します。』
第6戦は通りを2つ挟んだ反対側にいる、援護が来るのにさほど時間は掛からないだろう、柴田とかいうあのオタ軍人が余程ビビりでなければ・・・・・・念には念を、航空支援を要請しておく。
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『第3戦から第6戦、12時方向と6時方向から敵戦車が接近しています、援護を要請します。』
第3戦のクロエ・ベネットからカーナビみたいな口調で無線が入る。
能面みたいな愛想の無い顔が浮ぶ。
戦車のモニターを覗くと第3戦の前方と後方から赤い点が2つずつ近づいていた。
「第6戦から第3戦へ3号と4号を送る、3分以内に到着すると思う。」
『了解、支援感謝する。』
「3・4号、第3戦の支援に向かえ、」
3・4号に指示をする。
『了解。』
3号と4号は街灯をなぎ倒しながら方向転換をする。
「隊長!!敵戦車とヘリがこっちに来ます!!」
倉田が唾を飛ばしながら叫ぶ。モニターを見ると敵主力戦車6輌と攻撃ヘリが接近していた。
「クソッ」
-敵主力戦車は3輌ずつに別れて北と南から挟み撃ちを仕掛けてきている、さらに攻撃ヘリまで来る。それを戦車2輌と歩兵の対戦車ロケット弾でどうにかできるか?-
「こちら第6戦、第35歩兵中隊へ敵戦車が接近している、迎撃に当たって下さい。」
柴田は周りの歩兵中隊に無線を通す。
『了解。』
何人かの兵士がパンツァーファウスト3を構える。
「河口は南の敵を撃てこっちは北をやる。」
対戦車ロケット弾を構えたのを確認した柴田は河口の乗る第6戦2号に指示をする。攻撃ヘリには機銃で対処するしかない、対空ミサイルが無いのだ。
『了解。』
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クロエはモニターを見ながら考えていた、
-このままでは第6戦と第35歩中は全滅する、支援のtype10を返そうにも4輌の敵戦車で手一杯、航空支援をあちらに回そうにも根本的に支援不可・・・どうする。-
「ホルガー外の24中隊はジャベリンもってた?」
「はい、持ってるかと、」
ジャベリンは個人携帯用の対空ミサイルだ。ロックして引き金を引けば後は熱を探知して勝手に進む。
-高い建物の屋上からなら敵の航空機を狙えるかも・・・-
クロエは24中隊に無線を入れて攻撃を要請する。ジャベリンを担いだ兵士が2人ビルの中に入って行った。
しばらくしてビルの屋上から白い発射煙が見えたので再びモニターに視線を移す。敵航空機は健在、効かなかったのか外れたのか・・・まだもう一発ある。
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「敵戦車確認、撃てッ!!」
『ガヴーン』
「チッ、外れた・・・」
倉田が悔しそうに舌打ちをする。
自動装填装置が次の砲弾をセットする。
『ガヴーン』
「命中、次。」
柴田は命中したことを淡々と告げて次の標的を指示する。弾が当たる毎に喜んでいる暇はない。
相手も撃ってくる。そのせいで今は対戦車ロケット弾を持っていた兵士はいない。
『ガヴーーーーーーーーーー・・・』
「何だ?」
「航空機です。」
真鍋が言う。
見ると柴田達のすぐ上に敵のヘリがいた。
初めで見た。細長く鋭い胴体の両サイドから出ている二つのリング、ローターはないがそこからダウン・ウォッシュを起こしているようだ。羽なし扇風機みたいなもだろうか?
-ヤバい・・・狙われている・・・-
周りでは歩兵が機銃を連射しているが効いていない。
その時、横から光が飛んできた。
敵航空機はフレアを撒きながら後退するが次の瞬間にはもう一つの光がトレーサーを引きながら飛んでくる。それは見事に敵航空機のリング(ローターに相同すると思われるもの)に当たり、火を吹きながら墜ちる。
残りの敵戦車も何とか仕留めることができた。
-海兵隊か・・・後でベネット中尉に礼を言っとかんと・・・-
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クロエはモニターを見て敵航空機が墜ちたことを確認する。
-まぁ、貸しを作っておくのも悪くないか・・・-
そんなことを思いながら向かって来ていた敵戦車の撃破報告を聞く。今回は流石に疲れた。
柴田の気弱ズラを思い浮かべて心の中で呟く。
-もう、死んで欲しくない。-
え~と・・・だいぶ間隔が開いてしまいましたね、スミマセン。
実はクロエ・ベネット中尉の最後のセリフからこれから時間逆行するかしないか迷っています・・・どうしましょう・・・