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5歳④

流石に翌日直ぐとは行かなかったけど明後日から学校に通えるようになった。

勿論1クラスしかないのでヤルベ兄ちゃんとは一緒に勉強できる。


私の夢見た学園生活とは全然違うけどこういうのもいいかな~って。


必要なものは黒板とチョークだけあればとりあえずOKみたい。

授業は午前中だけと、とっても短い。

まぁこんな時代なので小さな子供でさえも働き手として数えられてたりするからね。

1日拘束するのは難しいみたい。


さておばあちゃん家に居を構えて思うのがやっぱり城下町での生活は上流とまでは行かなくとも中流よりは上の暮らしをしていたんだなって事。

椅子一つとっても向こうで使っていたのは皮張りだったけどこの家では木だけで出来た椅子を使ってる。

部屋数だって3部屋とリビング?的な感じでそこそこ広いし。


お母さんが使っていたタンスには服が少し残っていて良かったなーって一安心。

持って出れる量なんてしれてるからお母さんの着替えなんて2~3着しかなかったもの。

タンスの一番下の引き出しには端切れが沢山入っていた。

うん、この一番下はそんなに開けないはずだ。

そう判断して底に押し込むように金貨の詰まった皮袋しまい込んだ。

大切な物だけどこんな大金、何時までも持ち歩くわけには行かないしね。


文字は最初は苦戦したけど漢字を覚えることを考えたらずっと簡単だった。

とりあえずゆっくりなら今もある程度は読める。

あの家から持ってきた本を開いては読む。

正直もう暗記出切るほど読んだけど他にすることが無い。


む~。

ヤルベ兄ちゃんもう学校終わったかなぁ。

お昼の時間になると町の中心にある時計塔から鐘の音が聞こえるんだって。

まだ鳴ってない?それとも家の中まで聞こえないのかな?

待ちきれなくて部屋からでておばあちゃんの所へ行った。


お母さんはおじーちゃんと畑仕事のお手伝いに行って居ない。

暫くしたらお母さんも仕事見つけなきゃね~なんて笑ってたから今までみたいにずっと一緒にいるのは難しいと思う。

寂しいけれど仕方ないよね。


「おばーちゃん鐘の音って家の中でも聞こえる?もう鳴った?」


苦笑しながらまだですよと教えてくれる。


「鐘の音は大きいから家の中でもちゃんと聞こえるのよ」


大丈夫と頭を撫でられて、一応は納得する。

ああ、でもそれってまだまだ時間があるって事だ。

昨日学校終わったら遊ぼうって約束したから鐘さえ鳴ったら暇じゃなくなるんだけどなぁ。

まだかなぁ。


忌々しい気持ちで窓の外を見てみるけどそんなんじゃ時間なんて当然経たない。

仕方なくまたあの本を開く。

せめてもう1冊本が欲しいな。


2周目に入った所でようやく鐘の音が聞こえてきた。

ゴーンゴーンという音は確かに家の中にいてもよく聞こえる。

おばあちゃん家は町の中心からすこし外れた所にあるのでこの町の中に居ればきっと何処でも聞こえるんじゃないかな。



本を閉じて机の上に置く。


待ちきれなくて私はヤルベお兄ちゃんの所へ向かうことにした。

学校に行ったら会えるかな? 

出かける前におばあちゃんに報告だけしてないとびっくりするかもしれない。

玄関の扉の前に来てから気づいておばあちゃんの所に戻った。


「遊びに行ってくるね!」


私がそう伝えると笑顔でいってらっしゃいと返事が返ってくる。

玄関を飛び出した所で丁度帰ってきたヤルベお兄ちゃんを発見。

さぁ、やっと遊べるぞー! 


私は勢いよく駆け寄った。

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