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7歳⑩

私はワーッと全部吐き出した。

ゾラードへの気持ち、ヴィオラと友達で居たい事。

疎遠になって悲しい気持ち。


それから父の事も。


お兄ちゃんはうんうんと頷きながら聞いてくれた。

私はそれに甘えて自分の中で纏まってない話をどんどん口に出していく。


一度も咎める事無く私の話が終わるまで遮らない。

ヤルベお兄ちゃんは人の話を聞くのが超上手い。

前世の世界ならカウンセラーとかやれそうだ。


そして私が全部吐き出した後お兄ちゃんが口を開いた。


聞いてくれた上で私の頭を撫でながらこう言ったのだ。


「ミリアは難しく考えすぎだよ、告白された訳じゃないんだ」


お兄ちゃんの言葉にハッとする。

確かに付き合おうって言われた訳じゃない。


「祭りは別に恋人同士で出るわけじゃないよ」


確かにヤルベお兄ちゃんの言うとおりだ。

現にお兄ちゃん達は親友同士で組んでるし、去年の私は友達かも怪しいブレイクと組んだ。


「もっと気楽に構えて良いんだよ」


私はお兄ちゃんに促されて決意した。

とりあえずゾラードと組んでみようと!


…他に組む相手もいるわけじゃないしね。

考えすぎてもしかたないもん。


よく考えたらブレイクと組んだ時も勢いで組んだわけだし。


翌日ゾラードに了承の返事をして私達はコンビを組むことになった。



その後の祭りはあっという間だった。

懸念していたヴィオラとの関係もギクシャクする事も無かったし…。

私が思ってたより吹っ切れていたのかもしれない。



結果的に見ればヤルベお兄ちゃんの助言は良かったと思う。


祭りでの成績はそこそこ良かった。

ブレイクと組んだ時ほどじゃないけどね。


けど来年も組んでもいいかな?

なんて思っていた、少なくともこの時の私は。


来年も再来年も…私達にはずっとずっと未来があってこれからも一緒に居れるのだと信じて疑っていなかった。

この時の私はこれから起こる波乱の日々について何も知らなかったんだ。

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