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7歳⑧

二人が組み手しているのを校舎の壁にもたれながら眺める。

もう何度も繰り返しているというそれはお互いに次にどう動くのか何となく解っているようでどちらも正面から貰う事がない。

でもまぁやっぱりブレイクの方が押してるのはこういうのの素人の私だって解るけどね。


30分くらいかなぁ…2人の組み手が終わってゾラードが頭を下げた。


「ま、お前と俺は似てるからなぁ…ほっとけねぇよ」


恐らくそれだけゾラードにも才能があるんだということだろう。


「”俺”は お前を応援してるんだぜぇ?」


やたらと俺を強調するブレイクに首を傾げる。

私があんまりゾラードを応援してないからって事かな?

ヤルベお兄ちゃんとブレイクとヴィオラの次位には応援してるんだけどなぁ、私も。


「頑張れよ」


そう言ってブレイクはゾラードの肩を叩きながら去って言った。

私も慌ててまたねって声をかける。

一度も振り返らず軽く片手だけ上げて去っていくその姿は何だかカッコイイ。


それにしても…あれ?もういいの??


「ああ…ブレイクは仕事の合間に抜けてきてくれてるからこれ以上は付き合わせられないんだ」


ゾラードの言葉にえ、と思わず声を上げる。

1時間位しかない休憩の30分をゾラードのためにほぼ毎日明けてくれているみたい。

マジか……!

しかも肉体労働なのにあんなに激しくやり合って午後から大丈夫なのかな…?


既に見えなくなったブレイクの向かった方へもう一度視線を向ける。

さっきの言葉といい、よほどゾラードに対して期待しているんだなぁ。


ライバルが居なかった自分の事とか考えてるのだろうか…


「じゃあ、私そろそろ帰るね」


元々ちょっとだけのつもりだったのに気が付けば随分長居してしまった。

帰ったらしたい事もしなくちゃいけない事も沢山あるのに。


「ちょっと待って!」


立ち去ろうとした私の腕をゾラードがグッと掴んだ。

かなり痛い。

力入れすぎじゃないの!?

私の主張にゾラードが慌てて手を離す。


「ご、ごめん…そ、それで…あ、あのさ、えっと…」


中々言い出さないゾラードに私はイラッとした。

もう早く帰りたいんだから!

用が無いなら帰っていいよね。

ゾラードに背を向けた所で大きな声が飛んでくる。


「ちょっとまって!今言うから!」


逆切れにしか聞こえないゾラードの声に私は眉を寄せる。


「今度の祭り、俺と出てほしい」


何それ!?ヴィオラはどうするのよ!!

私は思わず叫んでしまった。


だってそんなの…そんなの…!


「ヴィオラはコリオと出るって言ってる」


ゾラードはそう言って気にしなくて良いとか意味不明な事を言い出した。

何よそれ……

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