7歳⑦
結局あの後、薪以外は何も拾わなかった。
もちろんアルウィストロの実も。
あんな恐ろしい物は私にもヤルベお兄ちゃん達にも必要ないもの。
その日は1日全く眠れなかった。
翌日、学校に行くとゾラードがブレイクと手合わせするのだと言う。
私は知らなかったけどあの祭りの日から時々2人で特訓してるんだとか。
何それ全然知らなかった。
でもどうやら知らないのは私だけでヴィオラも知ってたみたい。
「まぁいいやこの前のお礼も言いたいし私も行っていい?」
長居はしないしお礼を言ったら直ぐに帰るからと約束をして私も付いていくことにした。
授業が終わってゾラードと2人、ブレイクの所へ向かう。
よく考えれば私ゾラードと2人きりになるの初めてかもしれない。
いっつもゾラードの横にはヴィオラが居たしヴィオラと2人になる事はあってもゾラードとってなかった。
まぁヴィオラが意識的にさせないようにしていたのかもしれないと今なら思うんだけどね。
自分の好きな男の子が他のしかももしかしたら好意を向けているかも知れないと感じている子と2人になんかしたくないだろう。
まぁそれはヴィオラの思い込みだと私は思うんだけどね。
でも何となく2人でいるのは気まずいな…
視線を合わせずにほんとどうでもいい天気の話とかを振ってみる。
無言で居るのはもっと気まずいもん。
「あー…そうだな、うん」
返って来るのは生返事みたいなのばっかりで向こうもどことなくこの気まずい感じを味わっているみたいだ。
ゾラードがブレイクと待ち合わせしているのは学校裏の広場みたい。
まぁ広場っていうかまぁちょっと建物が無い場所っていう方が正しいかも?
学校の正面に行けば結構家や商店なんかもあるからね。
町のはずれって程でもないんだけど…
「お、今日はミリアも居んのか?」
何とも言えない息苦しい空気を吹き飛ばすかのようにブレイクがやって来た。
私は直ぐにブレイクに駆け寄って織機のお礼を伝えてパンを渡す。
やっぱりお礼の品物は消え物が一番だよね!
前世でもお土産とかでなんだか良く解らない人形とか置物とかめっちゃ困った。
もらい物だし捨てるに捨てれないし…
でも夜とか目が光ってるような気さえしてこっそり棚の後ろに置いてみたりね。
「おお、ありがとな」
ブレイクが受け取ってくれたし私は用が無くなったので帰ろうとするとブレイクに引き止められた。
「半刻だけだ、お前も付き合っていけよ」
えー…私どう考えても邪魔じゃん。
ブレイクに抗議の声を上げても聞き入れて貰えず仕方なく私は隅で見学する事になってしまった。
まぁブレイクが戦ってるの見るの結構好きだけどね。




