7歳⑤
「そっか、そんな事があったんだね」
3日ぶりにヤルベお兄ちゃんと遊びながらブレイクとミリアの話をする。
ブレイクのくれた機織はファナが貸してくれた物よりちょっと雑で縦糸を引っ掛ける棒の太さがまちまちだったりして少し使い難い。
でもブレイクが作った物だって性格が出ててちょっと面白いなと思う。
「ブレイクはあんまり器用じゃないからね」
なんてお兄ちゃんが苦笑いしてた。
まぁあれだけ強い訳だしその上器用だったらもうチート過ぎだもんね。
「チート…?ああ、そうだその機織の機械今度見せてくれないかな?」
お兄ちゃんに言われて頷く。
どれだけガタガタかって事を見てみたくなったとかかな?
「そうだ、今日はナソリも時間あるみたいだし誘って少し村の外に探検にいこうか?」
お兄ちゃんの言葉にさんせ-いと手をあげて喜ぶ。
ヤルベお兄ちゃんと一緒の時じゃないと村の外には中々でれないのよね。
外には怖い魔物も居るって言うし…でもお兄ちゃんの「感」は町の人みんなに信用されてて村が見える範囲ならお兄ちゃんと一緒なら外に出ても良いって許可が出てる。
すごいよね!
「じゃあナソリを誘いに行こう」
お兄ちゃんに頷いてナソリの家に向かう。
私とお兄ちゃんは隣同士だけどナソリはお兄ちゃんの家から3軒隣だ。
まぁご近所さんだよね。
「ナソリー!」
お兄ちゃんが玄関から呼びかけると顔を出したのはディファルだった。
勿論ディファルの家でもあるから出てくるのはおかしい事じゃない。
でもあんまり私達と遊ぶ時に混ざらないので珍しい。
「あの、僕も行って良いですか?」
勿論っと頷きかけてお兄ちゃんの方に視線を向ける。
ヤルベお兄ちゃんも笑顔で頷いてくれていたので4人で遊ぶことになった。
その後すぐに顔を出したナソリとも合流して町の外へ。
ディファルが小さい籠を持ってきてるので聞くと何か使える物があれば持って帰る為らしい。
なるほどねーしっかりしてるなぁ。
私もお兄ちゃんと出かける時は鞄になるようなものを持ってこよう。
「あ、じゃあ今度僕作りましょうか?」
ディファルの言葉に私は目を白黒させた。
つ、つくる…?
どうやらディファルは籠編みが得意らしい。
でも本人曰くナソリはもっと上手いんだとか。
ああ、ナソリ器用だもんね。
言われてみればそういうのも得意そうなイメージあるなぁ。
しかし籠編みは盲点だったなぁ。
今度やり方を教えてとディファルに頼むと二つ返事で了承してくれた。
やっぱり良い子だなぁ。




