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7歳④

「お、ミリアじゃねーか」


ファナの家から帰る途中私を呼び止めたのはブレイクだった。

自警団に入ってから滅多に見ることが無いのもあってもう随分会ってない気がする。

久しぶりだね、なんて挨拶をかわしているとブレイクの視線が私の手元にある事に気付いた。


「それ、ファナに借りたのか?」


ブレイクが指差したのは確かに私がファナに借りた練習用の機械だった。

何で解ったんだろうと思いつつ首を傾げる。


「…やっぱりそうか…なぁ俺のやるからそれファナに返してやってくんねぇか?」


良いけど、理由位は教えてもらいたい。

そう返した私にブレイクは顔を顰めながら答えた。


「それはラグリムのやつがファナに作ってやったヤツだから…」


それ以上は聞かなくても解った。

使い込まれて居るのが一目で解るファナの機械は幼馴染がファナの為に作ってくれたモノらしい。

もう使ってないだろうに埃一つ付いてなかった所を思い出しても大事にしているのだろうと解る。


「ちょっと待ってろ」


ブレイクはそう言って恐らく自分の家に向かって走り出した。

付いていこうかと思ったけど走ってファナから借りた機織を壊したら大変だ。

大事な宝物だってさっき聞いたばっかりなのに。


5分と待たない内にブレイクが同じような練習用の機織機を抱えて戻ってきた。


「ほら」


受け取ろうとして先にファナの所へ返しに行った方がいいなと気付く。

2つ持つのは大変だし。


「じゃあファナの所行くから付いてきてよ」


私の言葉にあからさまに動揺したブレイクに思わずわらってしまう。

それにしても多分ブレイクが持ってきた方も手作りだ。

ブレイクも機織するなんてかなり意外だなぁ。


「あ?俺用じゃなくて…ファナに受け取って貰えなかっただけだ…」


ああ、なるほど。

解りやすい、ファナの為に作ったは良いけど受け取って貰えなくてその後ずっと大事に持ってた訳ね。

なら使ってないみたいだし、私が貰っても問題なさそうだ。


「すみませーん!」


入り口で声をあげるとまたファナが出てきてくれた。


「どうしたのミリアちゃん忘れ物?…あらブレイクまでどうしたの?」

「別に…俺はコイツの付き添い」


そう言ってブレイクは私の事を親指で指差す。

そっぽ向いているけど解りやすく顔が赤い。

本当にファナの事好きなんだなぁ。

少しだけチクリとした自分の感情から目を背ける。


「これ、返そうと思ってブレイクが要らないのあるからくれるって」


ありがとうとお礼を言ってさっき借りたばかりの練習用の機織機を返した。

ファナは困った顔でそれを受け取ってどういたしましてと言った後に気を使わせてごめんねと謝られた。

なんだか私が思っている以上にこの2人は複雑な関係なのかなぁ。

よくわからないや。

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