6歳⑱
ヴィオラからの罵倒とビンタを1つ頂いて私は正直困っています。
ほっぺた痛い…。
叩かれたほっぺたを摩りながら飛んだ言いがかりだと憤慨する。
私ゾラードが好きだなんて一言も言ってないじゃん!
完全に八つ当たりだよ…
戻ってきた私にヤルベお兄ちゃんは何があったのか何も言ってないのに解っているようだった。
あれだけで大声で喚いていたんだから聞こえてたのかもしれない。
「ミリアはゾラードの何処が駄目なの?」
どこって…う~んしいて言うなら顔かなぁ。
っと答えるとヤルベお兄ちゃんは私の返事がよっぽど意外だったのか目を真ん丸くして驚いている。
「僕がいうのもなんだけど…ゾラードはカッコイイと思う…よ?」
戸惑いながらのお兄ちゃんの言葉にそうだねと頷く。
私も前世の時ならいや、王都に居た頃ならこんな気持ちにはならなかったと思う。
個人的にはお兄ちゃんの顔の方が好きだよ。
「え…うん、ありがとう」
顔を真っ赤にして照れるお兄ちゃんに思わず私もなんだか照れてしまう。
大体ゾラード本人の意見を無視して外野が騒ぎすぎてると思うんだよね。
まぁ嫌われては無いと思うけどさ。
「じゃあ今日はナソリも誘って探検にいこうよ!」
あれからヤルベお兄ちゃんやナソリと一緒に遊ぶことも増えた。
祭りで2人はやっぱり洞窟探索で優勝したんだよ。
とにかくヤルベお兄ちゃんは洞察力に優れていてお兄ちゃん曰く第六感のようなモノでピンっとくるんだとか。
数年前の魔物の大群が町を襲ったときもヤルベお兄ちゃんは嫌な予感を感じて一緒に遊んでいたナソリとディファル、それに自分の両親と一緒に家の中に隠れたんだって。
そのお蔭で助かったとナソリは感謝してるけどお兄ちゃんはもっと沢山の人を救えたんじゃないかって今も後悔しているみたい。
っていうのは全部ナソリに聞いた話だからお兄ちゃんには確認してないけど恐らく嘘は無いと思う。
逆にナソリは手先の器用さが高い。
お兄ちゃんが見つけたものをナソリが取り出す。
そんな連係プレイで2年連続優勝しているのだ。
町一番の能力と言っても差し支えないレベルだと思うんだけどお兄ちゃんはそんな事無いとしか言ってくれない。
いつか2人で探索者になりたいというお兄ちゃん達が羨ましくて仕方ないんだけどそれは口にしないようにしてる。
だって私がそのメンバーに入ることは事実上不可能に等しいから。
せめて魔力が濃ければその可能性もあったのになぁ。
ヴィオラは私が羨ましい妬ましいなんてバカみたいな事を言ってるけど私からすればヴィオラに変わって欲しいと思う。
勉強ですら男社会、冒険者なんてもっと男社会。
日本って恵まれてたんだなぁってこの世界にきて本当に感じる。
あーあ…女の私に出来る夢ってなんだろう?
錬金術師ほんとになれないかなぁ。
「また訳わかんねぇ事で悩んでんのか?」
気が付けば意識を他へ飛ばしていた私をナソリが覗き込んでいた。
う、別に訳のわからない事じゃないよ!
すっごい大事な事なんだからね。
「それより折角来たんだし、お前もなんか見つけて見ろって」
そこまで言うなら私だって何か一つ位みつけてやろうじゃない!




