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6歳⑮

1週間開かれる祭りの最後。

花形イベントがこのペア格闘である。

まぁ大人の部が一番のメインなんだけどね。


子供の部と違って大人の部では女性はほぼ出ない。

っというか今年は一人も居ない、何十年か前には一人出た人もいるとかいないとか…

だけど子供の部は違う。

子供の時は女の子の方が成長早かったりして男の子より強かったりするしね。


ブレイクは決勝戦まで出ないらしい。

シードとは聞いてたけど超VIP待遇だよね。

ペア格闘と言っても魔法もありのようで火の玉を飛ばしたりしている子も居た。

なんだかプロレスっていうより格闘ゲームの観戦モードに近い気分で眺めながら思う。


動きはマチマチだけど皆2人でちゃんと協力して戦っている。

私そんなの出来ませんけども?

不安に思ってブレイクを見上げる。


「お前は俺が守ってやるから心配すんなって言ったろ」


っと笑いながら頭をぐしゃぐしゃに撫でられた。

折角髪括ったのにもっかいやり直さなきゃじゃない。

とは流石に言えなかったけどね。


準決勝はヤルベお兄ちゃんとナソリのコンビとゾラードとヴィオラ。

どっちも友達だけど個人的にはヤルベお兄ちゃんを応援したい。

ヤルベお兄ちゃんは『カン』が良いらしく2人の攻撃をかわしているものの決め手となるような一撃も入れられない。

ナソリが主に攻撃ヤルベお兄ちゃんが補助に入ってる。

対してゾラードの方はヴィオラも一緒に加勢しているので若干分が悪い気がしなくも無い。

それに…さっきから2人ともヴィオラに一度も攻撃を仕掛けていないもの。


防戦一方のままゾラードにナソリが吹き飛ばされて決着がついた。


「やっぱり俺の相手はお前だったなぁ」


ブレイクは嬉しそうにゾラードに話しかける。

ヴィオラが私も居ると主張したけれどそれを軽く流した。

一気に2人を挑発するなんて凄いなぁと逆に感心してしまう。


「ミリアちょっとココに立ってろ」


そう言いながらブレイクは近くに落ちていた小石で私の半径30センチくらいの円で囲む。

?まぁここから出なきゃいいって事よね。

ブレイクは頷いて火傷するから動くなよと謎の忠告を残す。

さぁ試合が始まるって時に私にそっと耳打ちをしてきた。


「男の子ってのはごっこ遊びが大好きなんだぜ、あわせろよ」


なんだか良く解らないが頷く。

試合開始の合図と共にブレイクが引いた線から炎の壁が生えた。

ちょ、なにこれぇ!?


「ミリアが火傷したらどうするんだ!?」


遠くからのゾラードの叫びにブレイクは鼻で笑って答える。

多分見た目程には熱くない。

外から見たら火達磨に見えるかもしれないけどね。


「大切なお姫サマ助けてぇよな?本気でこいよ」


多分今のブレイクはすっごい悪い顔してるに違いない。

残念ながら後姿しか見えないから実際の所はよく解らないけど。

炎の壁ごしにゾラードと目が合う。

ブレイクの合わせろって言葉が頭の中で再生されてああ、これがごっこ遊びかと納得。

どうやらブレイクは私に誘拐されたお姫様の役をやれって事を伝えたかったらしい。


流石に口に出すのは憚られたのでクチパクで「た・す・け・て」と伝えた。

解りやすくゾラードの表情が変わる。

どうやらゾラードもごっこ遊びが好きなようだ。

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