表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/75

6歳⑪

「ところで今度のお祭りミリアお姉ちゃんは誰と出るんですか?」


え…?お祭り? 

誰とって屋台でもあるの?? 

私は去年の中途半端な時期に引越ししてきた事もありお祭りの事なんて全然知らなかった。

基本的にお祭りはペアで参加するらしい。


ペア…ペアねぇ。

もしや憧れのダンスパーティかも! 


なんて胸をトキめかせてみたもののすぐに否定されてしまう。

そうだよね、この町でダンスパーティな訳ないね。


「コンビで洞窟に入って10分で一番良い物を見つけた人が優勝なんだ」


へー…面白そうだなぁ。

洞窟と言ってもほんとに狭い所で一番奥から入り口が見えるレベルらしい。

どちらかと言えば洞穴って感じだよね。


去年の優勝者は意外な事にヤルベお兄ちゃんとナソリらしい。

お兄ちゃん達ほんとに凄いんだねぇ。


他にもいくつか競技?があってオリンピックじゃないけどそんな感じなのかなぁ。

ちなみに『ジャン』っていうジェンガみたいなのを2-2で勝負するやつとか2人で制限時間内に彫刻を作るのとか、色んな競技があるみたい。

10歳までが子供の部でそれ以上が大人の部に分かれるんだとか。

ほほー面白いね! 


早速私もペアを見つけないと!っと思った所でハタと気付いた。

ヤルベお兄ちゃんはナソリと出るだろう。

ヴィオラとゾラードは一緒にやるだろうし、ラグリム君はそもそも王都で誘える訳もない。


あ、あれ!?

私って友達全然居ないじゃん。

授業中もうなだれてしまってあんまり身に入らなかった。

この国の王族についての話だったと思う。


去年流行病で第一王子と第二王子が相次いで亡くなってしまったらしい。

私が丁度追い出される前後の事だから王都にいたのに全然知らなかったのよね。

結果的にタイミングよく私は王都で病が流行する前に出てこれたからラッキーだった。


まぁそんな事はどうでもよくて今はお祭りのペアだよ。

ホントどうしようかなぁ。


悩みながらもさぁ帰ろうと教室を出ようとした私をブレイクが呼び止めた。


「ミリア、ちょっと話がある来い」


うへー…何の呼び出しなの?

そもそもブレイクとまともに喋ったの初めての筈だから恨みなんて買ってない筈なんだけどなぁ。

うーん…けどナソリの事もあるし私がしない所で何かやらかしているかもしれない。

気が重いなと思いつつも大人しく付いていく。


「お前、祭りの相手決まってないよな」


決め付けないで私だって相手くらいいるものって強がりたい所だけど実際には何の宛てもない。

悔しい気持ちを無理やり押さえつけて頷いた。


「なら俺と組め」


勝手に決定事項のように話すブレイクに若干ムカつくけど誰も居ないよりは良いかもしれないと思い直す。

でも、あれ…?

ファナさん誘わなくていいのだろうか。


「あいつは11だから今年は俺と組めねぇんだよ」


ああ、納得。

レデンはミュニと組むだろうし…ブレイクも余ってるのね。

なら余り物同士組むのも良いかと私は頷いた。


この安易な返事を後に後悔するとも知らずに…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ