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6歳⑧

ヤルベお兄ちゃんと川遊びへ行った帰り道見知らぬ大きな釣り竿を持った少年に話しかけられた。


「おお!ヤルベじゃん久しぶりだなぁ!えーっと…アンタがミリア?」


お兄ちゃんに気さくに話しかけたかと思うと私の方には怪訝な表情を崩さない。

な、なによぅ。

私この子になにかやった覚えないよ!そもそも誰かも解らないし。

内心ビビりながらも私は大きく頷いた。


「ああ、やっぱりアンタがミリアお姉ちゃんか」


ふぅん。

とものすごくジロジロと見られて居心地が悪い。


「ミリアはナソリと会うのは初めてだったね、目つきと態度は良くないけど悪い奴じゃないよ」


安心してねって笑うヤルベお兄ちゃんに私は首を傾げる。

ナソリ…?

どっかで聞いたような、聞いてないような…


「ディファルが世話になってるみたいだな」


ディファル?

ううーん??


「ナソリはディファルのお兄ちゃんなんだよ」


ああ、こんなにヒントがあったのに全く気が付かなかった。

だってさディファルとナソリって全く正反対のキャラなのよね。

ディファルは女の子と見紛うばかりの美人さんだけど細くてサラサラの髪がまた羨ましくて…じゃなかった。

ナソリはうーん…ワンパク少年って感じ。

キリっとした目付きにハネまくった髪は固そうだしなんていうか漫画みたいな髪型になってる。

頬に絆創膏でも張れば児童漫画の熱血系主人公っぽい。

小学生位までが読むちょっと小さめでごっつい感じの雑誌のやつね! 


「まぁ俺達似てないし解んないのも無理ないけどなー」


カラカラと笑うナソリにどう反応しようか悩む。

似てないと言っていいのかそんな事無いと言うべきか…


「今日はそこそこ釣れたの?」


ヤルベお兄ちゃんに頷いてナソリが見せてくれたバケツには20匹近くの魚が入っていた。

こんなに家族で食べきれる訳無いからきっと売りにでもいくのだろう。


「これで3日位は大丈夫だし…そうだ!ヤルベ久々にアレするか?」


ナソリの言葉にいいねと頷くヤルベお兄ちゃんは本当に楽しそうだ。

…なんだか2人だけで通じ合っていてすごい疎外感を感じる。


「じゃあこの後勇者の墓で待ち合わせなー!」


うん、とお兄ちゃんが頷いたのを確認してナソリは走り去って行った。

え?え?ちょっと待ってよ! 

何、勇者の墓って?! 

そんなのこの町にあるの? 

私聞いた事無いよ! 

もう半年以上この町に居るのにそんな重要っぽい施設を知らないなんておかしいでしょう? 


お兄ちゃんの肩を掴んでガクガクと揺らす。


「お、落ち着いて、落ち着いてミリア」


全く落ち着けませんけどー!? 

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