6歳③
なりたいもの、したいこと。
最近はそれが何なのか自分でわからなくって少し悩んでいる。
「ミリアそんな事で悩んでたのか?」
私がそんな事をヴィオラとゾラードに洩らした時にバカじゃねーのって副音声が聞こえて来そうな声色でゾラードが声を上げた。
そんな事とはなんだ!
そんな事とは!前世でも悩んでる人が多いテーマなんだぞ!
…とは流石に口に出来なかったけど。
「そういうゾラードはどうするのさ?」
私が口に出すと良くぞ聞いてくれたと言わんばかりに胸を張る。
あ、これは夢があるタイプの人間だ。
「俺はこの町の自警団に入るんだ!」
自警団はようは警察に近い組織だ。
魔物もでるこの世界では腕っ節が求められる町で男の子の憧れる仕事ナンバー1である。
「ふ-ん…私はどうせそれにはなれないし」
正直あんまり興味ないのよね。
痛いのとか嫌いだし…。
「だったら!ミリアは俺の…その…よ…」
「ミリア、先生が呼んでるから行こう」
ゾラードが何かごにょごにょ言ってるとヤルベお兄ちゃんがやって来た。
私の腕を掴むとお兄ちゃんは教室へと走り出す。
授業が終わった後なんでかお兄ちゃんだけ先生に呼び止められて何か色々話をしてたんだよね。
仕方ないから私は学校から出てお兄ちゃんを待っていた。
そこにゾラードをヴィオラがやってきて最近様子のおかしい私を心配してくれたのだ。
「おやおや、そんなに慌てなくても良かったのですよ」
教室に駆け込んで来た私達を見て先生が目を丸くする。
よほど慌てて駆け込んで来たように見えたらしい。
肩で息をする私に先生は目線を合わせるように屈む。
「ミリア、私はあなたに少し残酷なお願いをしなければなりません」
その言葉に私はビクッと体が震える。
残酷なお願い…?
その言葉に少し怖くなってヤルベお兄ちゃんへそっと視線を向ける。
「僕はミリアなら大丈夫だと思う」
どうやら先生は私に直接話をする前にお兄ちゃんに確認をとったらしい。
さっきお兄ちゃんを引き止めたのはそういうことだったのか。
一人で納得していると先生は更に口を開いた。
「ミリアにはディファルの勉強を見てもらおうと思ってね」
先生は私が上級校に行きたかったことを知っているのだという。
その上でこんなお願いをするのは酷だと思うが、と私に頭を下げた。
勉強を教えるなんて言われても…と戸惑っているとヤルベお兄ちゃんがミリアなら大丈夫と力強く言ってくれたのでやってみる事にした。
それにしても何であんなに慌てていたの?ってお兄ちゃんに聞いたらヴィオラが傷つくからだって。
ちょっとよくわかんないよね。




