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6歳②

新入生がきてもう2週間。

未だに私は接点を持てずにいます。

毎日同じ教室に居るんだけどなかなか話かけるタイミングがねー…


そんな風に私がまごまごしているとある日先生がこんな事を言い出した。


「ディファル、上級校に行く気はあるかい?」


みんなの前でまだピカピカの新入生にそんな事を言い出す先生。

思わずええっと声を上げそうなったのを両手で口を押さえて堪える。


ブレイクはともかくとしてレデンだってかなり頭が良いように思う。

けれどそのレデンを無視してまだ2週間ちょっとのディファルにその質問って変じゃない?

いや、それとも入って直ぐに確認するのが普通なのかな…


私はなんも聞いて貰えなかったけど、女の子は進めないらしいし。

決して私の能力不足ではないと思うけどね!


「はい」


頷いたディファル君にもビックリだ。

まじかー!

もう5年も先の事考えてるのか…


私は5年どころかここを卒業した後の事も何も考えてない。

いつかあの男を見返してやるつもりは今でも変わってないけど、その方法がどうしたらいいのか…


その後の授業は私の気も漫ろだった。


「ミリアどうしたの?」


帰り道心配そうに声をかけてきたヤルベお兄ちゃんに私はなんと答えて良いのか解らなくて戸惑う。

自分でも良く解らないのだ。

将来何になりたいとか、どうしたいとか…そういう具体的な夢とか目標が描けない。


前世ではケーキ屋さんになりたいな~とかアイドルに憧れてみたりとか…夢がいっぱいあった。

でも今生は20年の記憶の所為で夢を見続けていられない。


勉強して上り詰めるのもダメ、魔法も禄に使えない。

ここを卒業したらとりあえずで進む学校もない。


「ヤルベお兄ちゃんはここを卒業したらどうしたい?」


私の質問がよっぽど意外だったのかえ…と小さく声をあげてからお兄ちゃんは口元に手を当てて考え込んでいた。

うーん…お兄ちゃんだって卒業まであと3年もあるそんな先の事は考えて無かったかもしれない。


「僕はラグリムみたいに軍属とかは考えてないしなぁ」


ボソっと呟いたお兄ちゃんの言葉に今度は私がえっと声を上げた。

軍属ってどういうこと?

ラグリム君はお医者さんになる為に上級校に行ったんだよね?


「あれ?ミリア知らなかったの?ラグリムは軍医になる為に上級校へ行ったんだよ」


お兄ちゃんの言葉に私はずっと思い違いをしていた事に気づいた。

上級校は食費学費滞在費がすべて無料の変わりに卒業後は軍に入る事が義務付けられている。

まぁ軍といっても、所謂文官や軍医なんかの道もあるらしい。

女の子が入れない訳がわかった。

軍属ということは体力も勿論求められるし女は子供を産むものという意識の強いこの世界ではまぁ難しいだろう。


5年に一人なのも町から上級校に上がれるのは1人だけでラグリム君に決まってからは他の子に権利が無かったからだ。


年に1回の試験にやる気があって頭の良い子を先生が推薦するらしい。

そこでラグリム君にやっぱり5歳の頃から決まってたんだってさ。


まじか…みんなそんな早くから努力してるのか。


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