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5歳⑬

「さっきはラグリムと何をやっていたの?」

「○×ゲームだよ」


そんなやり取りをしながらヤルベお兄ちゃんと家路へ向かう。

お兄ちゃんも興味がありそうだったのでルールを歩きながら軽く説明。

ふむふむって聞いてくれるので、勿論さっそくやろうって話になった。


荷物を置いたら即集合だよ!

家の前でしゃがみ込んで石で地面に線をかいてお兄ちゃんと2人で○×ゲームをする。

石や棒で出来るのがこのゲームの良い所だよね。

私の方がやや勝率が良い。

ずっとアイコが続かない分ラグリム君と遊んでる時より楽しいな~。


ルールは単純だからお兄ちゃんもすぐに覚えた。

わいわい2人で地面を削っているとやってきたのはゾラードとヴィオラだった。


昨日に引き続きまた因縁でもつけにきたの!?

私は立ち上がって睨み付けた。

喧嘩なら買おうじゃないの。


よほど私の睨みがきいたのかゾラードは視線を少しずらす。

男のクセになっさけないヤツ。


「あのさ…ええっと…その…」


私に視線を合わせては逸らし、何か言おうとしては言いよどみ…。

意味解らん。

さっさと言えよ!

っと思ったけど私は大人の余裕を見せて黙ってジーっと見つめてあげた。


こう無表情でジッと見られるのって何気にきついよね。

私のバカにする視線に腹が立ったのかわかりやすくゾラードの顔が赤くなっていく。


「だから、その…俺達と友達になってくれ!」


はぁ?バカじゃないの?

っと口に出さなかった私を褒めて欲しい。

お兄ちゃんをあれだけバカにしといて友達になって欲しいってどういうことよ。

眉が寄ってしまう位はご愛嬌だ。


「ミリア、ゾラードは良いヤツだよ」


私が何も言わずにいるとヤルベお兄ちゃんが見かねたのかフォローが入る。

お兄ちゃんはやさしいなぁ。


「ね、ヴィオラ?」


私が答えずにいるとヴィオラに話を振った。

顔を少し赤くして頷く彼女に少しイラっとしながらもお兄ちゃんがそこまで言うなら友達になってやらない事もないけどさ~…


「一緒に○×ゲームやる…?」


仕方なくそう声をかけた。

だって年上の私が折れるしかないじゃんね?


「やりたい!ラグリムとやってる時も気になってたんだ」


どうやらゾラードは遊んでるのを許せ無かったわけではなく単純に気になっていたようだ。

なんだ、目つきが悪いだけでもしかして睨んでた訳じゃないのかな?


ヤルベお兄ちゃんには明らかに喧嘩売ってたように思うけど…

まぁいいや、とりあえず今はお兄ちゃんに免じて忘れてあげよう。



○×ゲームで1日つぶれた…

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