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5歳⑩

帰り道、魔法使いになれないと判明したショックで落ち込んでいるとヤルベお兄ちゃん励まされた。


「大丈夫、魔法なんて使えなくても生きていけるよ」


違う、そうじゃない!

っと言いたかったけど教室での大丈夫もここにかかってたんだろうな~って思う。

お母さんも私がショックを受けないようにあの手この手で励まそうとしてたのだと解った。


私も大人だから解るよ。

サンタクロースを信じてる小さな子供にサンタなんて居ないんだよって言うのは根性の曲がったヤツだけだって。

お母さん達からすれば私は小さな子供だもの夢を見させてあげたいのは当たり前だ。


だから裏切られたなんて感じてる私の方がきっとオカシイ。

理性では解っているのに感情が受け付けなくて…


「それに今解ってないだけであるかもしれないよ」


ヤルベお兄ちゃんの言葉にハッと顔を上げた。

そうだ、新しいなにか違う方法があるかもしれない。

少しだけ気分が浮上する。


やっぱりヤルベお兄ちゃんはすごいなぁ。


「そうだ、このあと見せたいものがあるんだ」


なんだろう?

お兄ちゃんの言葉にワクワクが止まらない。


勿論大きく頷いて私達は家へ荷物を置くとすぐに集合した。


「こっちこっち」


お兄ちゃんが案内してくれるまま町の外へ。

このとき私は後ろの小さな2つの視線に気づいてなった。

この前のクローバーの群生地をぬけて林の方へ向かう。


林の入り口から5分と経っていない所でヤルベ兄ちゃんは立ち止まりキョロキョロと何かを探している。

何々ー?

私も真似してキョロキョロしてみるけど何か特別なものは見えない。


あ、と声を出してお兄ちゃんが取ったのはなんか青いきのこだった。

空より青いそれはどう見ても毒きのこだ。

美味しくなさそう。


「ミリアこれ知ってる?」


目の前に差し出されたきのこに私は顔をおもいっきり左右にふる。

いくらヤルベお兄ちゃんが進めてくれてもこれは食べられないよ!


「ちがうちがう、食べるんじゃないよむしろ食べたら危険だからだめだよ」


そ、そんな猛毒のきのこをホイホイ触って大丈夫なの?

心配してお兄ちゃんの手を窺う。

一応変色したりはしていなくてほっと一安心。


「みてて」


お兄ちゃんはそう言うと茸を近くの木に投げつけた。

勢い良くぶつかった茸は軽く瞑れてそのまま地面に落ちる。


茸がぶつかった箇所に白い何かが広がった。

ん?なんだろ?

首をかしげているとお兄ちゃんに触ってごらんと諭される。


え?ほんとに大丈夫なの?


恐る恐る触れてみるとそこには薄い氷の膜が張っていた。

なにこれなにこれ!

少し力を入れただけでパリンと割れて氷の膜はあっという間になくなってしまった。


「僕はこれしか知らないけど、魔力なんかなくったって大丈夫、色んな事ができるんだよ」


優しく励ましてくれるヤルベお兄ちゃんに飛びつく。

すごいすごいとお兄ちゃんに向かって騒いでいると後ろから嫌な声が聞こえてきた。


「こんな所でなにしてんだよ!」



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