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5歳⑧

さて5歳の私が最初に学ぶことは勿論、文字だ。

これが読めなきゃ話にならないもんね。

一応お母さんに教えてもらってゆっくりなら読めるし書けるんだけどやっぱり日本語のようには使いこなせない。

文字も言葉も日本語からこっちの言葉に変換して喋ってる感じ。


もう日本語を使う事は無いかも知れないけど…だからこそ忘れたくないなぁとも思う。

私が私であった事を証明するのってこれ位しかないしね。


そして計算も習う。

簡単な足し算と引き算だ。

一桁の足し算なんて正直今更余裕過ぎるのだけれど二人は指を使って一生懸命数えている。

私も前世の時にはそういうのやったかも…

もう思い出せないけどね。


私が既に掛け算や割り算まで習得してるのを知ってやってきたのは年長組みの男の子ラグリム君だった。


「王都では君位の年齢からここまでやっているのかい?」


聞かれてビクッと肩が揺れる。

他の子の事なんか殆ど家から出なかった私には解らないよ。

でもなんでそんな事を聞くんだろうと疑問を持っていると、なんとラグリム君は来年王都の学校へ進むらしい。


ほほー5年に一人と言われる天才さんですな!


読み書きはともかく計算については前世の記憶なので今まで唯一使えるチートといえるかもしれない。

まぁほんと幼少期しか使えない超微妙チートだけど。


100マス計算で勝負したら私この天才さんと殆ど同時に終わりました。

ちなみにラグリム君100マス計算自体を今日初めて知ったんだって!

え、私のチート微妙すぎない?


けどまぁ計算や読み書きはいいのだけれどこの国の歴史とか魔法とか実際わからない事の方が多いと思う。


「ミリアは魔法検定どうだったの?」


魔法検定というのは私が城下町で受けたやつだ。

薄いと評価はもらったけどいずれすっごい魔力がいっぱいになって大魔法使いに進化するんだからね!

ふふんと言った私に上級生2人も私の横にいたヴィオラでさえ固まった。


「ミリアちゃん…もしかして知らないの?」


おずおずと困ったように、それでも私を心配するファナさん。


「え?え?」


何か私まずい事を言ってしまったんだろうか?

明らかに凍った空気にどうしていいかわからなくて思わずヤルベお兄ちゃんに視線を向けた。


(大丈夫)


口元だけ動かしてそう言ってるのをみてとりあえず一安心。


「どうやらミリアは魔法については習っていないようですね」


先生の言葉に頷く。

私が知っている魔法の知識は濃いか薄いか位しかない。


「では次は魔法について皆でおさらいしましょうか」


先生の言葉にはーいと皆が元気良く返事したので私も合わせて返事をした。

よし!ついに待ちに待った魔法使いへの道が開けるね。

ミリア大魔法使いを目指します!

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