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5歳⑥

今日は初めての学校の日です。

めっちゃ緊張する。

学生なんて前世ぶりだけど大丈夫かなぁ。


立場的には途中でやってくるんだから転校生みたいなもんだよね。

まぁヤルベお兄ちゃんいるからなんとかなるか!

一人じゃないというのは大分気楽なもんだ。

まぁ学校にいけばヤルベお兄ちゃんの友達もいるだろうからべったりは出来ないだろうけど…


「ミリア準備できた?」


迎えにきたヤルベお兄ちゃんに大きく頷いて家を出た。

2人で黒板とチョークを抱えて学校へ向かう。

男の子と一緒に登校するって前世では集団登校しかなかった。

なんか青春って感じしていいよね!


「ミリアと同じ5歳の子は他に3人いて、ゾラードとヴィオラは今日も来てると思うよ」


お兄ちゃんの話では3人居る5歳の内のもう一人は家がかなり貧しくて(ちょっと濁した言い方だった)週に1回くるか来ないかのレベルらしい。

そうか…私もお婆ちゃん達に受け入れてもらえなかったら学校に通えたかわからないもんね。

私にも出来ることがあれば協力してあげたいけど…いまの所なーんにも思いつかない。

まだ会っても無いしね!


「ゾラードはカッコイイからミリア惚れちゃうかもね」


クスクス笑いながら語るヤルベ兄ちゃんにうーんと首を傾げる。

イケメンか…去年までなら好きだったけど…

あの男の顔が浮かんで思わず顔を顰めた。


「ミリア?」


心配そうな顔をするお兄ちゃんに大丈夫だと返す。

ちょっといやな事を思い出しただけだよ。

なんてことない、筈なのに視界の輪郭が歪む。

今更だけど体に精神年齢が引っ張られてる感じが否めない。


「大丈夫みんな優しいから」


私が新しい環境に戸惑ってるとおもったのか私の頭を撫でながら大丈夫だよと繰り返す。

なんとか涙を飲み込んで無理やり笑った。

これ以上心配かけても仕方ないし、なにより転校生が号泣してたらみんなドン引きだよね。


そのまま2人でやってきた教室には先生以外まだ誰も来ていなかった。

一番乗りだ!


学校はやっぱり長屋で教室が一つ。

教卓のような机の後ろには少し大きめの黒板がある。

こうして見るとやっぱり前世の教室と似てるな~って感じてしまう。


「あなたがミリアさんですね」


先生は恐らく20代くらい、それ開いてるのかって聞きたくなるほど細い眼で常にニコニコ笑ってる感じの人だ。

おそらく地顔が笑顔系の人だな。

話しかけてくる優しげな口調と声は子供の相手に慣れているって感じだ。

先生と挨拶をしていると後ろから声が聞こえてきた。


「おはようございまーす」

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