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5歳⑤

「うわー!凄い、きれー!」


あれから荷物を置きに戻ったヤルベお兄ちゃんと一緒に町のすぐ外にあるクローバー群生地に連れてきて貰った。

ちょうどシロツメクサのシーズンで一面に白い花が広がってる。

思わず上げた声に喜んでくれたみたいで良かった、とヤルベお兄ちゃんが笑う。


四葉のクローバー無いかなぁ。


しゃがみこんで探してみる。

一面クローバー広がってるのに案外見当たらないもんだとちょっとショックを受ける。

こんなに沢山生えてるのになぁ…

そういや前世でも見つけたことないや。


ぐぬぬ…よし今生では絶対見つけよう!

目を皿のようにして探していると呼びかけられてハッと見上げた。


「はい、あげる」


そう言ってヤルベお兄ちゃんが渡してくれたのはシロツメクサの花冠だった。

ま、まじかー!

ヤルベ兄ちゃん女子力高すぎじゃない?

私前世でも一回も作った事無いよ。

あ、一応言い訳させてもらうと前世はそこそこ都会っ子だったのです。

こういうシュチュエーションには憧れたものだよ。


こんな少女漫画みたいな事をしてくれるとは…

ちょっとときめいちゃうよね。


「どうやって作るの?」


しかしながら乙女としては作ってもらってばかりでは悔しい。

ここは素直に作り方をご教授願おう。


「まずは長めに茎を残して…」


ふむふむ三つ編みに近い?

いやちょっとちがうなぁ…う~ん…

教えてもらった通りにやってるはずなのになんかヤルベ兄ちゃんのに比べて大分汚い。

ううう…なんでだろ?

私自分が思っていたよりずっと不器用なのかも。

そこそこ何でもこなせる方だと思ってたのになぁ。


それでも必死に格闘してなんとか輪になった。

ものすごくガタガタで歪だけど…


「うん、よく出来てるね」


ニコニコと褒めてくれるヤルベお兄ちゃんには悪いけどとても出来が良いとは思えない。

自分の腕の中に出来た輪をぽいっと投げ捨てた。

こんな出来が悪いの要らない。


「要らないの?」


その言葉に頷いた。

だってぐちゃぐちゃで見た目も悪いし…なんかつんだ花がよくなかったのかちょっと茶色いし…


「じゃあこれは僕が貰うね」


え。

いやいやいや!

こんな汚いのだめだよ、もっと綺麗なの今度作るから!


張り上げた私の声が思わず裏返る。

こんなガッタガタのなんてあげたくない!


「ミリアが初めて作ったのだし僕はこれがいいな」


そう言ってヤルベお兄ちゃんは投げ捨てた輪を拾い上げてしまう。


「じゃ帰ろうか」


輪を取り上げようとしてもそれを上手くかわされてそのまま追いかけっこのように帰宅した。

ぐぬぬ…最後まで取り返せませんでした。


あ、お兄ちゃんから貰った物は部屋のドアに吊るして飾ってます。

このまま置いてたらドライフラワーに出来るかな?

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