誤解がとけました
現れたミミ達に僕は手を振ると、ミミがすぐに気づいた。
「アラタ様、こんにちは。昨日は“森の眠り人”の巫女を助けていただいたとか」
「えっと、偶然遭遇した形ですが」
「さすがはアラタ様。強い力を持っておいでです。女神様が招待した方ですからね」
「あ、えっとその話は……」
「フィスならば大丈夫ですよ。それに妙な力を持っていても、理由が分かれば納得していただけますから。むしろそうでないと警戒心を解いていただけなくて」
どうやら女神様がこの世界に僕を連れてきたから、このような力があるんですよと説明すると分かってもらえたようだった。
こちらの事情を放さないと“魔物使い”の話が出来なかったのかもしれない。
よくよく考えると僕は特殊な能力を女神様にもらったけれど、それって怪しい人物に見えるのでは、とも思う。
そう言えばこの世界の人達は“ステータス・オープン”は出来なかった。
それを考えると、例えば僕の世界で僕だけが何故か“ステータス・オープン”出来るようなもので、フィスの警戒はもっともなのかもしれない。
そう僕が考えているとフィスが、
「その、先日は失礼な態度を取ってしまい申し訳ありませんでした」
「え、いえ、状況が状況ですから、警戒するのは無理はありません。僕も気にしていませんし」
「まさか女神様が呼んだ客人とは思わず……」
「うん、普通は分からないと思うから、これから仲良くしてもらえると嬉しいな」
そう答えるとフィスは素直に頷く。
しかも妖精のアルトも、同じように僕への警戒を解いてくれているようだ。
良かったと僕が思っているとミミが、
「さて、ここでアラタ様達に出会たのも何かのご縁です。先ほど話していた“魔物使い”についての意見交換をを、食事をしながらさせていただいてもよろしいでしょうか」
そう、ミミが僕達に告げたのだった。