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行方知れず

 どうやら宝玉は、300年前に使われたことがあるらしい。

 ただ今の発言でこの長という人物の年齢が……いやよそう、女性の年齢は追及してはいけない。

 そう僕は自分を納得させているとそこで、


「あの時は、聖剣と呼ばれる剣を、魔剣と呼ばれるある剣に壊されて元に戻したのでしたか」

「魔剣、ですか?」

「ええ、その剣は人を傷つけるだけではなく、その剣を地面に刺せば、虫すらも消えて草すら生えないような、不毛の大地にするそうです。結局はなおした聖剣で打ち砕いたのですが、まったく……」


 うんざりするように長が呟くとそこでフィスのかたにとまっていたアルトが声を上げた。


「あの、私、偵察で……魔物使いを見に行ったことがあるのです。探したと言いますか、私達の村が襲われた時に様子を見に行った時に、魔剣がどうのと言っていたような気がします」

「……まさか」


 長がはっとしたように呟いて、慌てたようにどこかと連絡を取ろうとしているようだった。

 部屋から失礼しますと言って出て行ったかと思うと、しばらくしてから青い顔で戻ってきて、


「あの当時壊して封印されたはずの魔剣が奪われていました。……300年も前となると警備も薄いし危機感も全然なくて……何て事」


 青い顔の長に僕は、


「では、その魔剣を扱っていた人たちは、この宝玉の事をご存じなのですか?」

「……あの時戦いがありましたから、相手の様子を偵察することはよくありましたし、聖剣を元に戻したのも彼らは知っているでしょうね」

「その魔剣は聖剣でないと壊せないのですか?」

「……あの当時最高の武器でしたから、それでどうにかといった形です。ただ、今はその聖剣が行方知れずになっているのです」


 そう長が呟いたのだった。

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