事情の説明
戻って、まずはクロウ達が泊まっている宿……ではなくそのまま郵便局? のような場所に向かい、段ボールを購入した。
クロウだけではなくエリザもそこで一緒に送るらしい。
妹たちがこのニンジンのジャムが大好きなのだそうだ。
「私が戻るまでに残っているかな」
エリザがそう苦笑していた。
それからそれらのニンジンジャムを送り、僕達はエリザ達と別れた。
今回の依頼は付き添いのような形でどうこうしたので、僕達が依頼を受けたわけではない。
ちょっと変わった場所を見に行ったその程度だ。
そしてそれらが終わってからようやく神殿に戻る。
戻ると入り口にミミとフィス達が待っていた。
「お待ちしていました、早速で申し訳ないのですが……」
ミミが僕達に話しかける。
けれど僕達もミミ達に放しておかなければならないことがあって、つまり、
「僕達が依頼から帰る時に、黒い猫耳少女に会ったんだ。よくも私達を騙してくれたわねと言っていたけれど、ミミ達が一緒に居る時にはあっていなかったと思ったから……」
シェルと会ったこと、そして誤魔化したことなどを告げる。
その説明を聞いたミミが頭痛がしたように、
「シェル、どうしてそんな軽いノリで……いえ、よしましょう。多分あの子は何もわかっていない」
「話せばこちらに来てもらえるかな?」
「楽しそうであれば来るでしょうね。後で考えてみましょう。けれど今は先に……私達の里への転送をアラタ様にお願いしたいのです」
ミミにそちらの方が優先だと言われてしまう。
それにサナとカレンもついてくる気のようだった。
こうして僕達は、ミミ達の里に向かう事になったのだった。




