表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

転生後の目覚め⑥

「ええぃっっ、おとなしく黙って聞いておれば、鼎様が記憶をなくしているのをいいことに言いたい放題言いよってっっ!」


 いきなり声が聞こえてくる。

 言っている内容は、重々しく、威厳のある内容。

 ではあるが、声は軽い。

 小学生の少女が話しているような声。

 話をしている内容と、声の雰囲気が一致していない。

 などとあれこれと声について考えていると……、リエコがつけている指輪から白い煙が立ち上る。


「あ、熱いっ!」


 というリエコの声が聞こえたと思ったら、煙が実体化していき……、首の長い小さい龍だった。


「いったい……?」


 一番近くにいるリエコがつぶやく。

 それに対して龍が、リエコのほうを向き、


「私は、鼎様の眷属であり太陽神であるサライー。太陽をあがめる一族のシトミー家の主神である。

 私の仕事がどのようなものかはリエコ、お前がよく知っているであろう。

 この場で私が何をいいたいのか……、わかるな?」

「――うっ……、」


 うめき声に近い声を出すリエコ。

 リエコにとってサライーは鼎とともにあがめるべき主神。

 主神からのお告げを聞いたり、指示に忠実に実行すべきエリコが、主神であるサライーから怒られている状態。

 リエコからすれば生きた心地がしていないだろう。

 また、サライーがいきなり出てきたのであれば、リエコにとってサライーが本物かどうか疑う余地があり、少しは冷静に考えることができただろう。

 だが、サライーが出てきたのは、シトミー家宗家が必ず持つべきとされているリエコが身に着けている指輪。

 だから、サライーのことを偽物と疑う余地はなかった。


「も、申し訳ございません。

 鼎様と打ち解けてきていたので、過分なお願いをしてしまいました。

 今後は鼎様に対して失礼がないようにしていきます」

「そうだ、それでよい。

 それで、お前の従者はどうなのだ?」

「大変、申し訳ございませんでした」


 と、言いながら頭を深々と下げるエリ。

 本当に謝っているのがよくわかる。

 だが、サライーの表情は崩れない。怒ったままの表情だ。


「それで、そこの従者の処罰はどのようにするのだ? リエコ?」

「……えっ?」

「私はどうするのだ? と訊いている」

「ど、どうするって……、私の従者であるエリはしっかりと反省をしております。

 だから、これで今回の話は終わりにしようと思っていますが……、」

「いやダメだ。

 今回、そこの従者が誤った態度を鼎様にしたことから、シトミー家は窮地におちいるおこになっていしまった。

 だから、しっかりと処罰をしなければならない」

「……、くっ……、」


 サライーの話にすぐに答えられないリエコ。

 サライーの言葉に絶対にリエコは従わなければならない。

 話の流れからして、サライーはエリを従者から解任すること以上のものを求めている。

 のだが、正直、従いたくない。

 エリは幼い時からずっと一緒にいる従者。エリの代わりとなる従者は他にはいない。

 とは言っても、リエコ自身だけの責任問題で終わるならまだいいもののの、サライーは、エリの処罰いかんによって『シトミー家』全体に関わると言い出している。

 シトミー家全体に関係する処罰になってしまうと、治めている村全体の話で、影響が出てきてしまう。

 それは、絶対にまずい。

 だから、リエコはすぐに答えることができなかったが、エリ一人と『シトミー家』。

 悩んだとしても、答えは確定していた。

 リエコにとって、シトミー家をとるしかなかったのだ。


「わ、わかりました。エリを村に戻った時点で解任したいと思います」

「そう、それでよい。

 さらなる責任問題は、村に戻った時にまた話を聞こう」

「いや、待ってくれ、エリについては、少し時間をくれ、」


 予期せぬ方向に進んで行っているので、止めようと思い、話に割って入る鼎。

 リエコとエリと短い間しかいないが、切っては切り離せない関係だと言うことは容易にわかっていた。


「ま、待ってください。鼎様。

 鼎様に無礼な態度をした従者にはしかるべき処罰をあたえなければ……、」


 うろたえながら言うサライー。

 リエコとエリに対しては強気にでれても、さすがに鼎に対しては強気ででれない。

 サライーからすれば、鼎は主人。絶対にさからえない。


「いや、エリの処分は待って欲しい」

「……、わ、わかりました」


 しぶしぶと従うサライー。


「ありがとう。

 それと、この二人には食事をごちそうしてもらった。

 だから、先ほどの話ででてきた恩恵を二人に何かあたえたい。

 だが、俺は恩恵についてよく知らない。

 何がいいのだろうか?」


 サライーに感謝の言葉を投げつつ、遠回しに処分をするな、ということを告げる鼎。


「わ、わかりました

 また、恩恵につきましては、どのような恩恵を与えたほうがよいか、これから行動をともにしながら考えて私のほうから、恩恵を与えたいと思います。

 そもそも、恩恵は軽々しく与えていいものではないのです。

 恩恵を受ける者が多すぎると、世界のバランスが崩れてしまいます。

 ダンジョンを攻略した者がたくさん与えられる場合もあれば、誰も恩恵を与えらえなかったっという事例はたくさんあるのです」


 と、仕方がなくサライーは返事をした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ