転生後の目覚め③
「『一生ついていく』だなんて、大げさだな」
戸惑いながら言う鼎。
キスされたあとの言葉でもあって余計に意味深げに感じる。
鼎の言葉に対して、リエコは必死に訴えるような表情で、
「大げさではありません。むしろ表現が足りないくらいです。
私は鼎様に一生ついていきます」
「『表現が足りない』って、そもそも俺はお前たちが思っているような力を持っているような人間じゃない。
なんの力も持っていないごく普通の人間だ」と鼎。
「鼎様が力を持っている持っていないなんてまったく関係ありません。
私は鼎様に惚れてしまいました。愛してしまいました。
だから、ずっと私をそばにおいてください。お願いします」とリエコ。
「そんなことを言われたってな……。
俺はまだ記憶もなにもないからどうしていったらいいのかまったくわからない。
仮にそばにおくといったって、なにもしてやることもできなければ、今後どうしたらいいのかすらまったくわかっていない状態なんだぞ」
リエコは鼎が置かれている状況をちゃんと理解していないのだろう、と思い言う鼎。
どうやらリエコたちは鼎に助けを求めに来たようだ。重要な話で、多くの人間の命がかかわっているのがわかる。だから、鼎にはなんとかできるような力を持っているわけではないということを正直に伝えたかった。まあ、リエコの話している内容はリエコの最初の目的とだいぶ変わってきているような気がするが……、まだ言っている内容を理解する意思能力は十分にあるだろうと判断して鼎は言ったのだった。
ただ、鼎の置かれている状況はどうしたらいいかわからのい状況だと言葉にだして言って再自覚したにも関わらず、心の中でどこかなんとかなるだろう、と楽観的な気持ちがあった。
そんな鼎に対して、リエコは鼎をどう思ったのだろうか? いや、もしかしたらかわいそうだと思ったのかもしれない。鼎をぎゅっと抱きしめて、
「そんなこと関係ありません。
もし、鼎様に居場所がないのであれば、私が鼎様の居場所になりましょう。
そして、もし、鼎様に力がないのであれば、私が鼎様の力になります。
だから、鼎様はまったく心配しなくて大丈夫です」
「……ん?」
予想外のリエコの行動。発言。それらによって戸惑いながらも、安らぎを覚える鼎。
このままリエコの言った内容に流されていってしまいたい気持ちがある。
けれども、そういった気持ちとは反対に、流されてしまっていいのかと不安になる。
だが、どうやらリエコは鼎の気持ちを表情から察したらしい。
「大丈夫です。私がいつまでもついていますから……」
今後どうするか悩んでいたこともあり、鼎はリエコの言葉に流されることに決めた。




