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負けるわけにはいかないんだ  作者: RIVER
最初の事件
7/33

決着が着いた二人の戦い。


二人は今後どうなるのか?

楽しんで頂けたら幸いです。

今回は幸太視点で入ります。

「やり過ぎてしまった、か」

俺は一人呟く。



泰彦を必殺のクロスカウンターで沈めてからしばらく経った後のこと。

俺は公園の屋根のあるところに泰彦を運び込み、目が覚めるのを待っていた。


正直予想のはるか上を行く激闘だった。

計画通りだったとはいえひやりとさせられた場面がなかったといえば大嘘になる。


「侮りすぎてた、かな……」

速いだけの左、威力だけの右、ではもうなかった。左の威力も増し、右のキレとスピードも格段に上がっていた。そうでもなければ

すれ違いざまの左の回し蹴りを喰らったはずがない。

一撃かわされてもすぐに次の攻撃を的確に繰り出す機転と技術。

こればかりは実戦を通して身につけるしかない技能だ。



フットワークも軽くなっていると感じた。

向こうからしてみればこちらがムキになって

出した右をかいくぐって懐に飛び込んだつもりだったろう。



あの時、仕留めたと思っていた。

膝蹴りで止められたからよかったようなものの、もし膝蹴りを止められていたら、あるいはあいつが角度を変えて飛び込んできていたら今頃倒されていたのは自分だったかもしれない。



「まさかヘッドスリップなんか覚えてたとはね……」

気を失い横たわる友人を見ながら呟く。


「その後も立ち上がってくるしな……」

あの時の彼の咆哮は凄まじかった。

理性でなく、本能がこいつは危険だ、早く仕留めろと告げていた。


クロスカウンターでなんとか沈めたが、

もしあそこで早めに仕留める決断を下していなかったとしたら。

正直こいつ相手にこんなに追い込まれるとは予想だにしていなかったことをはっきり告白しておこう。



「最後に、いい勝負ができた。これでもう、

心残りはもう、ないんだ……

またいつか、どこかで、逢うとしよう」

空に向かって呟く。ありがとな。

まあまだ気を失っているんだ、聞こえる訳もないか。



「おい、待てよ」

思わず振り返る。怒ったような、それでいて

悲しみを含んだような目が俺を真っ直ぐに捉えていた。

「待てよって……なんのことだよー」



悟られる訳にはいかない。いつもの口調に戻す。しらばっくれよう。

「いま思いっきし言ってたじゃねーかよ」

「だから何をだよー」

「しらばっくれるんじゃねぇよ、わかってんだよ、話せよ、どういうことだっていってんだよ!!」

「倒れたばっかなのに元気だねー」

「るせえ、茶化すな。今はそんなこと言ってる場合じゃねぇだろ、あく話せよ」

「だからなんもないってー」

「じゃあなんで俺に勝負を挑んできた。

なんで今最後だとか言った。心残りってなんなんだよ、またいつかってどういうことなんだよ………説明しろって………」

彼の声はもうかすれて言葉にならない。

まあ、誰にも話すつもりはない。殊にこいつ

には話せない。


悪く、思うなよ。



「じゃあなー」

「おい、待てよ………」

泰彦を一人残して雨の中幸太は駆けだす。


「なんなんだよっ……!」

後ろで泰彦が叫ぶのが聞こえる。

「悪りぃな、泰彦」

走りながら呟く。多分泰彦には聞こえていないだろう。これでよかったんだ。


こうするより他なかったんだ。


そう自分に言い聞かせながら走った。

雨はもうすでにかなり弱まり、月は西の空に傾き、太陽が東の空から今にも登ろうとしていた。

謎は深まるばかり…

結局幸太の真意はわからないまま。

雨の中の激闘は終わり、また次の展開へ話は動きます。

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