表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
負けるわけにはいかないんだ  作者: RIVER
最初の事件
6/33

さあ二人の勝負もいよいよ佳境に入っていきます……二人の激しい攻防を楽しんで頂けたら幸いです。


泰彦視点に戻ります。

届かない。

防がれる。はじかれる。かわされる。


俺は圧倒的実力差を目前にし、混乱してしまっている。



どうして届かないんだ。

当たれば相手を倒せるようなベストパンチを何度も何度も繰り出した。

にも関わらず幸太は難なくかわし、防ぎ、反撃を狙ってくる。

こちらが迂闊に手を出せばカウンターが飛んでくる。

全く油断できない状況だ。

なのに向こうは余裕さえ感じさせる表情で戦っている。



ワンツー、ダブルフック、右の回し蹴り、そのまま右前に構えて相手の左に回り込みいきなりの左ストレートを仕掛ける。

かわされた。

すれ違いざまに左の回し蹴りを狙う。

捉えた!

相手の脇腹、肋骨と肋骨の間に蹴りが入り

幸太の脇腹を抉りあげたのがわかる。


もっとも血などはでやしないが。

また距離を少し置いて正対する。



呼吸を整え、また仕掛ける。


足払いを狙って相手の注意を下に向けさせたところを右フックで死角から相手のテンプル

、こめかみを狙って打ち込む。相手の膝が揺れる。


攻めは緩めない。左の前蹴り、ジャブ、ストレート、幸太がムキになったかのように

出した右ストレートをヘッドスリップ

(相手のパンチをかいくぐりながら懐に潜り込む技術、勿論失敗すれば一発でダウンする

リスクが高い)して相手の懐に飛び込む。

もらった。

その刹那。

「ぐはっ……!!」

顎を跳ね上げられ、俺の体は痺れたように一瞬制御が効かなくなった。

何が起こったかわからない。



「甘いな……膝蹴り位想定しておけ」

呆れたような声がする。

「始まってからずっと打ち込んでいた疲れと

今の膝蹴りが大分効いているだろう。

ふっ……面白いようにこっちの策にはまってくれて笑がこみ上げてくるよ」



誰だ。こいつは誰なんだ。俺と今戦っている相手は本当にヒトなのだろうか。



三日月は完全に雲に覆われ、光は全く地上に届かない。雨が降り始めた。

「勝てるとでも思っていたか」

嘲るかのこどき音色。


悔しい。しかし、圧倒的な力量差が毅然と

存在している。



でも、まだだ。まだ終わってない。

しかし、体が動かない。


戦いを渇望する心と、それに抗う身体。

その狭間で揺れる、俺。







腹の底から湧き上がる咆哮。

己が野獣と化したように感じる。

雨が、より一層その強さを増す。


負けてたまるか!


渾身の力を振り絞って飛び込み、渾身のストレートを叩き込もうとする。

その時だった。



目の前に火花が散る。

クロスカウンター、相手の左ジャブに合わせて右ストレートをカウンターで当てる技だ。

二本の腕が交差しているように見えることからクロスカウンターと呼ばれる。

ボクシングにおいても最強クラスの威力を誇る必殺のカウンターだ。


そもそも、人間は攻撃された時筋肉に力をいれたり、よけきれなくとも急所を無意識に

外すことでダメージを減らしている。

しかし、カウンターの場合それがないため

まともにダメージを受けてしまう。


だからカウンターは決定打となりやすい。



疲れきった状態でほとんど消耗していない

幸太のクロスカウンターを喰らった泰彦は、

ゆっくりと崩れ落ちた。



空は暗雲に覆い尽くされ、三日月がどこにあるのか知る由もない。


雨が、また少し強まってきた。

クロスカウンターはマジで凶悪です。

カウンターは基本的に前掛りになったところを狙うのでダメージが大きいのです。

感想、アドバイス等お願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ