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どんどん参りま〜す

今回はかなりシリアスにする……

つもりです笑笑笑

風の中を駆け抜けて、道場に着いた。

俺は暇さえあれば基本的にここに来る。

悩みや辛いことがある時も、

嬉しい時も悔しい時も、だ。

先生はもう第二の親みたいなもんだ。

もちろん俺の両親は二人とも健在であることも念のため一応付け加えておこう。



「こんにちは」

「こんにちは。よく来るねぇ」

「この場所が、好きなんで」

「そいつは嬉しい言葉だね。んじゃ、いっちょやってくかい?」

「勿論やりたいのはやまやまなのですが、

今日は相談というか愚痴というか……」


言葉に詰まってしまう。どう繋げればいいのかわからない。

「色んな意味で今後どうすればいいのか、

どうしたいのかがわからなくなってしまって

………」

「ああ、そういうことか」どうやらわかってくれたらしい。

「とにかく話してみなさい。言葉にするだけで答えが見つかることだってあるんだから」

「はい、えーっと…………」



試合のこと。

進路がわからないこと。

親が

うるさいこと。

今後空手をどうしようか。

だいたいそんなことを相談、というか半ば愚痴った。



「大体、こんな感じです…」

「うんうん、事情はだいたい飲み込めた。

なるほどね………懐かしいな」

「………え?」

思わず聞き返してしまう。

「いや、私にも若い頃というものは当然あったわけだからね。今思い返せば、という話だよ」

「ああ……そういうことですか……」

適当に相槌を打つ。

「考えれば、答えは、出るのかな?」

いきなり核心を突かれた。

「………っ……それは……」

「うん、無理だよ」

ばっさりと斬り捨てられた。

「じゃあ……どうすれば?」



しばらく間があく。

「日々を、全力で生きてみなさい。

一日、一時間、一分一秒。

それら一つ一つを全力で生きることで、ふとした時に答えが見つかることがある。

時間はかかるだろう。

見つけるまでとても苦しむだろう。

見つからずに泣きたくなるかもしれない。

だけどね。

そうやって自分で答えを探しに行くことはとても尊く貴重なものなんだよ」


先生はあくまで淡々と話すだけだ。

けれど、その言葉には重みがある。


「はい……わかりました。頑張ります!」


話して、少し気が楽になった気がする。

どのみち、難しいことを考えるのは苦手なのだ。

俺は俺の、俺だけの答えを目指す。


そんなことを考えつつも、ついつい「「アイツ」」のことを考えてしまう自分がいる。


「幸太はこんなこと悩んだりしないんだろな

……」

「そう思うのかい?」

いたずらっぽく先生が笑みを浮かべる。

「あっ……」


心の中で呟いたつもりがバッチリ声に出ていたらしい。先生の答えの内容と合わせて二重に驚いてしまった。


「え……?あいつが?なんでですか?」

信じられない。いつも何をやっても俺より上で。しかも顔面にまで恵まれててファンクラブまで存在する始末。どこに悩む要素があるというんだろう。


「それは本人との約束で内容は言わないことになってるから。こちらから教えるわけにはいかないよ」


そう言われてしまっては返しようがない。

ただ、無性に気になることではある。

なにしろ道場の先生にわざわざ相談するくらいだ。相当なことだったに違いないのだろう、と推測することしかできない。

その時だった。

「こんにちはー」あの緊張感が全く感じられないあの声。あいつ以外に考えられない。

振り返るとやはりそこに居たのは幸太だった。


「よー松永。なにやってんだー?」

「ちょっと、な」

「えーなんだよー教えろよー」

「まあまあいいだろ」

「どーせ悩み事とかだろー?」

お気楽なようでがっつり核心を突いてくる。

間違ってもこいつは敵に回したくない。

「お前の悩みなんてたかが知れてるけどなー

どーせ空手続けようかとか進路とかそんなとこだろー?」


まるで聞いていたかのごとき鋭さ。

全く末恐ろしいやつだ。


「言っとくけど俺の悩みはそんなお気楽なもんじゃねーからなー?」

お気楽なのはどっちだよ。

「まあ俺はもう行くわ」

「おーそうか。がんばれよー まあ、お前がいくらがんばっても」

最後まで聞く必要は皆無だ。慣用句みたいなもんである。松永はさっさと立ち去りまた家に戻った。



さあ、考えをまとめて動かないとな。

しばらくぶりに燃えてきた自分がいることに気づき、俺は家に戻った。


もう日は暮れて、

三日月の細い月が彼を見守っていた。

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試合描写そろそろ入れてくつもりです

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