鷹の目〜不敵な微笑み〜
さあ試合も終盤に突入しようというところ。
今回はラウンドの間の小休憩の描写です。
ふー。
ラウンドの間の小休憩。
松永泰彦は水を飲み、うがいをして溜息を
ついた。
どーしたもんかな。
ポイントではどう考えても勝っている。
このまま逃げ切ればポイント勝ちで優勝できる。だけど。
このまま終わってくれる気がしない。
何しろ大野茂だ。
あの堅守を誇るジュンをボッコボコにした男と俺は今対戦している。
縁起でもないが、俺が気絶させられても全くもっておかしい話ではない。
「おーい泰彦ーっ」
…………翔の声がする。
…………え?もう起き上がってきたのか?!
「…………翔?!もう復活したのか?」
「ったりめーだろおい。この俺様だぞ!
はーっはっはっはっはー!」
相変わらず豪気なことだ。
「ま、それはともかくよっ、勝てよ。
まあこの分だと勝ちそうだけどな。
ということで俺はジュンを呼んでくることとする」
「無理させんじゃねぇぞ?」
「わあーっとるわい、んなことは。
って言ってもだな、やっぱ歓喜の瞬間ってえ
やつをだ、みんなで分かち合おうぜって俺は言ってるわけよ、わかったか?」
「おっけ。んじゃ勝つわ」
「おう。勝て勝て」
翔は立ち去っていった。
今ので少し、リラックスできた、かな。
何が何でも勝つ。
あいつらのためにも。
自分自身のためにも。
応援してくれるヤツらのためにも。
負けるわけにはいかないんだ。
主審が最終ラウンドの開始が近いことを告げる。
さて、いくか。
泰彦は立ち上がった。
さてーー。
観客を十分過ぎるほど楽しませてやったし、
もうよかろう。私の仕事はもう終わった。
大野茂は一人呟く。
これ以上長引かせても得るものはないだろうと判断した。
決めるなら一撃必殺。
それ以外は、何もいらない。
大野茂の目が鷹のような鋭さを宿す。
それは、肉食動物の持つ、野生の恐怖。
我が一撃必殺の拳を放てば、素人ならば再起不能にすることとて簡単にできるだろう。
ある程度心得のあるものでさえ完全に回避するのは至極困難であろうと予想している。
さあ行くぜ。覚悟しろ、松永泰彦。
鋭い光をその目に宿し、不敵な微笑みを浮かべたまま大野茂は立ち上がる。
その瞳に映るのは、真剣な表情で自分を待つ
松永泰彦の姿。
ゆっくりとリングに上がる。
睨み合いで無く、ただ互いに互いを見る。
最終ラウンドが始まった。
さあ、衝撃の最終ラウンドが開始。
一体何が起きたのか?
ご注目ください。
感想、アドバイスなどあったらお願いします




