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負けるわけにはいかないんだ  作者: RIVER
新たな日々の始まり
23/33

猛攻〜1.2ラウンド〜

泰彦のあの試合です。

少し時間をさかのぼってます。

決勝戦。

だからどうした、という感じではあるのだが

決勝戦ともなれば小さい大会であれ大きい大会であれ最大の見せ場であるのは疑いない。

それに。

相手はあの堅守を誇るジュンを破ってきた

大野茂。

大野茂に打ち勝ってジュンの仇を取る。

根拠はない。しかし確信のような思いが泰彦の中に渦巻いていた。

大野茂の待つリングに泰彦は駆け上がった。

大野茂の笑うでもなく嘲るでもない、恐れるでもなければ慌てるわけでもない表情。

鉄仮面。

今の大野茂にはその言葉がぴったりと当てはまる。

むしろこの表情を鉄仮面と呼ばずしてなんと形容できようか。

相手がどこのどんなだれであろうとーーー。


負ける訳にはいかないんだ。


試合開始を告げる審判の声が会場に響いた。


ジャブ、ジャブ、ジャブ。

フェイクを掛けつつ接近しビシビシと鋭いジャブを浴びせる。

大野茂は反応しないのかできないのかかわすこともなくジャブを粗方被弾する。

イケる。

そこから右ストレートと左フックを織り交ぜ攻撃の威力とバリエーションを多彩にし、

さらに攻勢をかける。

右、左、左、右、左、右、右、右、左。

右ストレートをフェイクにして左のダブルフックをかまし右ストレートでボディを狙い

返す刀で左ジャブ。

そこから右のトリプルで翻弄しトドメに左足の回し蹴りを放つ。

まだ攻め手を緩めることはしない。

この流れのまま倒しに行く。

左、左、右、左、右、左、右。

左フックでボディを狙い相手の懐に飛び込んでその勢いのままに左アッパーと右ストレートで顎とボディに続けざまに叩き込み、

一度距離を取ってからすぐさま左の回し蹴り、右の前蹴りで接近しワンツーをボディに集めてダメージをどんどん蓄積させる。


イケるな。なら、もうラッシュで押し込む。


左の前蹴りから接近しパンチを乱打する。

大野茂は腰が高くなりバックステップもガードもおぼつかない。


そのままコーナーへと追い詰めて行く。

観客が湧き上がる。


しかし数発を叩き込んだところで最初のラウンドの終了を告げられた。

勝負をつけることはかなわなかったが、

ボディブローを何発も打ち込みこの後のとっかかりと出来た。


ジュン、お前の仇は俺がとってやるからな。

待ってろよ。


泰彦は相変わらず無表情のままリングに上がってくる大野茂を睨み、誓った。



なるほどーーー。

聞いていたよりは、やるようだな。

拳を交えるのは初めてだが、アイツから松永泰彦のことは結構聞かされていたので初めてという気がしない。

それにしたってだ。

アイツ、やはり松永泰彦を少し過小評価しすぎだったな。

アイツは将来性も才能もないと評したが、

ヤツの予想を覆すとは驚いたな、全く。

なるほど、いよいよ侮りがたい相手だ。

これでこそ倒し甲斐があるというものよ。

さて、松永泰彦を倒し、アイツに報告してやるとするか。

全く、アイツも自分で見ればいいだろうに。

なあ、大林幸太。


そんなことを考えつつ大野茂は松永泰彦の

待つリングへと上がった。

やれやれ、そう睨むなって。

大野茂は苦笑する。無論、鉄仮面を崩すことはしない。


両者の視線が交錯する。


2ラウンド目が始まった。


松永泰彦の猛攻は止まるところを知らない。

大野茂は松永泰彦の繰り出す攻撃を粗方被弾する。

蹴りに至っては対応不可能、と言った感じだろうか。


私はあくまでも冷静さを失うことなく戦い続けていた。

ふん……。なるほどな。

中々威力はあるようだな。

スピードは大林幸太の評価通り高い水準にある。

これならそれなりの選手にはなれるだろう。

しかしあくまでも選手としては、だ。

まあ、つまりこの私を倒すには至らないが、な。


大野茂は泰彦の猛攻を受けつつも冷静に分析を続けている。


しかし、松永泰彦の弱点は時折出る粗さ。

これなら、いずれそこのところの隙をついて一気に倒せばいいだろう。

先ほどの稲本純一との戦いは遊びのようなものだった。

こちらは少しは楽しませてくれるだろうが、

所詮その程度でしかない。

さて、いつ仕掛けるとするかな。

これだけ間断なく攻撃を続けてよくぞスタミナが持つものだ。


楽しみつつも感嘆している自分自身に大野茂は気がついていた。



くそっ……。なんてタフなヤツなんだ。

この試合、俺は何発もいいパンチを決めたし

手応え十分な蹴りも放った。

会心のコンビネーションも叩き込んだ。

それなのに。

なぜ倒れない。


焦りが泰彦の心に湧いてくる。


いや、大丈夫だ。最悪倒せなくともポイント勝ちは出来る。

大丈夫、大丈夫なんだ。落ち着け、俺。


それでも焦燥感から解放されることはなく、

泰彦はまるでその焦りから逃げ出そうとしているかのように更に攻勢を強める。

ジャブで撹乱して右ストレートや左フックに繋げ、蹴りで相手を消耗させつつコンビネーションブローでダウンを狙って行く。


何故だ。何故倒れない…………。

何を何発叩き込んでもこの男は表情を変えることなく立ち続けている。


そして、2ラウンド目が終了した。


ここで再び大林登場、ですね

孤高の猛者が再び現れる前兆かも?

感想、アドバイスなどあったらお願いします

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