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負けるわけにはいかないんだ  作者: RIVER
新たな日々の始まり
21/33

一時の凪

今回は決勝直前を書くつもりです。

準決勝が終了した。

本来なら決勝戦の前に三位決定戦が行われるのだが、準決勝で敗者はどちらもノックアウトされてしまったため三位決定戦は無くなり

少しの空き時間が生じている。



さて、あと一つだな。

大野茂、か。

ジュンをフェイントで崩すのではなく防御越しにパンチを叩きつけるとは全く予想外だった。

ジュンをねじ伏せる圧倒的なパワー。

接近戦を挑むのは勝負を掛けるタイミングだけに限定した方が良さそうだ。

あと、大野茂は蹴り技を使えない。

ここが一つのアドバンテージであることは

疑いないだろう。

パンチと蹴りでどちらの方がリーチが長いかと言われればそれは自明だ。

リスクを多少負うこととなるが、蹴りを主体にして距離を保って戦い、要所要所の接近戦で粘る。

それが恐らく俺が勝つ最短ルートだろうと

見ている。

大野茂。侮りがたい相手だ。

ジュン、お前の敵は俺が取る。



いやはや、予想外に固い相手だったな。

大野茂は先ほどの試合を振り返っていた。

まあ、本気でやればあの程度の守り、崩すのは容易だったろう。

それをあえて、しなかった。

理由は一つ。

手の内をどこまでも隠すため。

準々決勝までは左ジャブしか使わなかった。

準決勝ではパワーだけで押し切った。

決勝は持てる力全てを出し尽くしてやる。

なんなら1ラウンド目で倒してやることも十分可能だ。

松永泰彦。

アイツからは決勝にまで残ることさえできないであろう雑魚、と聞かされていたが、

ヤツが松永泰彦と最後に接触したのはしばらく前のことだとも聞いている。

この短期間で急成長を遂げた、と見るしか

ないだろう。

ヤツの慧眼が評価を誤るなどまずもって考えられないことだから。

アイツは………いや、今はよそう。

今は松永泰彦を潰すことだけ考えていれば

いいのだ。

急成長、というのは危険性も大いに孕んでいる。

勢い、という言葉でそれは集約できる。

あとは言わずもがな、だ。

勢いを殺ぐことさえできれば、勝てる。

蹴りによってリーチが有利に取れるなど考えているのなら、

そんなに甘くはないということをその身に叩き込んでやろうじゃないか、松永泰彦。



あとは、頼んだよ。

ごめんな、決勝の約束、果たせなくて。

稲本純一は保健室のベッドの上にいた。

僕は打てる手は全て打った。

自慢の守りも切り札の攻めも、全部阻まれてしまった。

悔しい。辛い。だけど、それはまだまだ自分に伸びる余地があるんだってことの証拠でもあると思う。

もっと、強くならないとな。

とりあえずーーーー。

泰彦、勝ってよ。

稲本純一は再び眠りについた。



はー。やれやれ。ド派手にやってくれたよな泰彦のやつ。いつかこのお返しはさせてもらうからな。

稲本純一の対角線にあるベッドの上に吉野翔はいた。

強かったよ、ホントに。

観客から見れば、俺が互角または優位に試合を進めていたように映ったかもしれない。

もっとも、実際には真逆だった。

それを翔は理解していた。

的確にダメージを与えてくるボディーブロー

多少ポイントで負けていたとしても動じない精神的な部分。

最後に打ち負けないスタミナとタフさ。

泰彦は全部俺より上回ってた。

完敗、だよな。

あとは託すだけだ。

頼んだぞ、泰彦。


「決勝戦、開始十分前。選手はそろそろ集合して下さい」

会場のアナウンスが入った。

騒がしかった会場がそのアナウンスが入った瞬間、水を打ったように静まり返る。

さーて。行きますかね。

翔とジュンがいないから少しさみしい気もするけど、そんなことは言ってられない。

あいつらに朗報を届けてやらねーとな。

負けるわけにはいかないんだ。



泰彦は、決勝の舞台へと歩んで行った。


決勝が、いよいよ始まりますよ〜

大野茂の言うアイツ、とは誰か?


今後どう絡んでくるのかご注目下さい。

感想アドバイスお願いします。

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