仲間
中々投稿できない……忙しい。
楽しんでいただけるよう頑張ります〜
俺は戸惑いを隠せなかった。
「え……っと……どゆこと?」
「そのまんまの意味だよ………頼む……」
わけがわからない。だけど切羽詰まった彼の心境だけは汲み取れた。
「まあ、それはいいとして。俺は何をすりゃいいんだ?」
動揺が言葉に伝わっているのが自分でもわかる。
「なんだっていい………強くなりたいんだ」
純一が強さを求める。
その原因は俺にも察しがついた。
おそらくこの間のことだろうな。
「よし、じゃあ二人でやるか!」
そして俺たちの新しい日々が始まった。
とりあえず純一にはロードワークをひたすらやって持久力を鍛えてもらうこととしよう。
純一の性格からして守りを強化したスタイルの方があっているはずだ。
人に教える以上自分が負けるわけにはいかないな。
泰彦は独り微笑んだ。
強くなるんだ。
その気持ちだけで泰彦に頼んだ。
泰彦だけが頼りだった。
この微かな一筋の道を見失ってしまったら最後、自分は決して強くなることなんかできやしない。
根拠はなかったが、純一の本能がそう告げていた。
「純一は守りを強化したスタイルの方が多分あってる、と俺は思う」
泰彦は俺の性格まで考えてトレーニングを考えてくれる。本当にありがたい。
その思いに応えるためにも自分が強くなるのは絶対の義務だ。
そう感じるようになった。
その後、翔も仲間入りし、結局三人でやることとなった。
「まっ、なんとなくよ」
としか翔は言わなかったが、本人も思うところはあるのだろう。
あえて深く追及はしなかった。
「オラオラペース落としてるんじゃねー!」
少々厳しすぎるだろうか?
まあ本人達もなんだかんだ言いつつ着いて来れているしまあ問題ないだろう。
「はい1セット目終わりー」
「おい〜泰彦きついぞこれ〜」
翔がはなっから文句を垂れる。
「………………………………」
純一に至っては愚痴る元気さえないようだ。
純一は本当に変わった。
確かに真面目な性格だから投げ出すことはないだろうとは思っていたが、やはり自ら戦闘の世界に足を踏み入れるところは今まで想像がつかなかったというのがある。
変化がわかりにくいが、翔の成長も侮り難い。二人がどのように伸びて行くのか俺も興奮していた。
しばらくトレーニングを重ねるうち、三人のスタイルがハッキリと分かれてきた。
泰彦は低重心で構えて相手の隙を伺い懐に飛び込んで勝負するファイタースタイル。
持って生まれた打たれ強さと最近のトレーニングの賜物でインファイトを仕掛けられる時間が伸びてきたのが強みである。
翔は大柄な体躯を活かしたアップライトスタイル。
これは背筋を伸ばした状態から鋭いジャブで相手を寄せ付けずリーチの長い左フックや右ストレートで仕留めるスタイルだ。
リーチが長いためジャブの鋭さ次第で手が付けられない選手となる可能性を秘めている。
純一は堅牢な守りから鋭いカウンターを繰り出すカウンタースタイル。
純一の堅固な守りは生半可な攻めでは打ち崩すことは不可能。半端に攻め込めば最後鋭いカウンターを喰らうのは必至である。
三者三様のスタイルを見つけて互いに切磋琢磨して鍛え合うようになり、かなりの月日が流れ、翔と純一に至っては鍛え始めた動機を
忘れてしまう位の時間が流れていた。
大林幸太もあれ以来現れることは無く、
泰彦の記憶からも薄れていた。
三人ともかなりの実力を付け、泰彦にしても手を抜いたら100%負ける程になっていた。
決して泰彦が退化したわけではない。
二人が意思の力で己を鍛え続けた結果だ。
そして、また新たな戦いが始まろうとしていた………。
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