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始動

初投稿です、よろしくお願いします

「残り10秒!」どこからか声が聞こえる。

まずい。時間がない。なんとか一本取らないと……焦りばかりがつのっていく。

空手の全国大会、一回戦。俺、松永泰彦は

試合の真っ最中だ。


ルールを軽く説明しておこう。試合時間は2分、先取り2本で勝負がつく。

どちらかが試合続行不可能になればもちろんその時点で終了だ。

2分間戦って勝負がつかなければ1分間の延長戦、それでも決着がつかなければ判定だ。

審判は五人。9m四方のコートの四つ角に副審一人ずつと主審が一人。一本が入るには

主審を含めて三人に一本が入ったと判定される必要がある。

そして、俺は今試合開始早々に先制点を許してしまい、その後も攻めあぐねて残り10秒まで追い詰められてしまった。この10秒で一本取れなければ0ー1で負けが決まる。

攻めるしかない。なんとしてでも一本取る。


ワンツーから差し込み足で左ストレート、

そのまま相手の裏に回り込んで右ジャブを

放ち反転して右足の蹴りを放つが、相手を崩すには至らない。



だめだ……通用しない。崩せない。

だけどまだだ、まだ終わらない。

初めて、やっとこの舞台に立てたんだ、

どんなに見苦しくとも最後まで戦い抜く。



フェイントで相手の足がぐらついたところを

見るやショートパンチを連打して接近し、

相手のカウンターを上体をそらしてかわし、

右足のハイキックを放つ。


相手は動けない。

決まった。俺はそう確信していた。が……。



相手は俺のハイキックを屈み込むようにしてかわし逆にこちらの懐に飛び込んでくる。

俺はまだ態勢を立て直していない……


主審のストップが入った

判定を待つまでもなかった。

どちらが勝ったのか。

スコア以上の、負けだった。


松永泰彦、敗北。0ー2。


負けた。完敗だったな。

まさかここまでやられるとは、思ってなかった。

強かったな………。



圧倒的力量差を目の前に叩きつけられ、松永は絶望とともに大会を去った。



「松永ー」どこかで自分の声を呼ぶ声がする。こんな時に緊張感皆無の声をかけられるのは、俺の知る限りあいつしかいない。



大林幸太。

彼は俺と同学年で幼馴染かつライバル。

勉強もスポーツもあれもこれも全部俺より

うまい。おまけにイケメン。

悔しいが、反論できない。



「まーつーなーがー返事しろー」

「なんだよ……」いつものことだ。

「どーだったんだよ、試合っ」

「負けたよ」

「えーマジでー?ここんとこめっちゃ好調だったじゃん、勝つと思ったのになー

まっ、俺にはどのみち及ばないけどねっ」



一言多い。だが事実だ。反論できない。それがまた腹立たしい。


その後も、とりとめのないことを話し、別れて俺は家に帰った。親も、試合については聞いてこなかった。顔に書いてあったのだろう。



寝れない………。

夜が更けて行くというのに、目が冴えて行く

ばかりだ。



俺が空手を初めて10年以上が経つ。小学校に上がった直後に始めて、もう高校2年になってしまった。にも関わらず、中々うまくいかず、今回の全国大会が初めての出場だった。



それにしても、全国の壁は厚く、固く、そして高かった。まさかあれほどとは。

勝ち目があったとは思えない。

相手は開始早々に猛烈な連打で迫ってきた。今思えば緊張していたのだろう、まともに反応できずに先制を許してしまった。

その後は相手の守りを全く崩すことができず、最後の攻撃に至ってはカウンターを喰らって返り討ちにされる始末。

我ながら情けなさすぎる。


これから、どうしていけばよいのだろう。

いつまで続けるのか、という問題もある。

なんだかんだいって俺ももう高校二年。

いつまでも気楽に生きているわけにはいかない歳になっているわけだから。


ただ、続けるにせよやめるにせよ、幼い頃から続けてきたこの競技に対して、何らかの形でけりをつけないことには終わる訳にはいかない。



また、次の大会を目指して行くしか、ないな




そして泰彦は、眠りについた。

始めまして、RIVERです。

駄文乱文ですがよろしくお願い致します

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