戦闘報酬、そして武器説明
「ふうっ!」
俺は、可愛いーー考えないようにしているーー溜息をひとつ吐くと、腰のベルトにグロック26を戻した。
グロック26。このハンドガンは、携帯性に優れていて、グリップが樹脂製であるため、すこしぐらい暑い場所でも熱で持てなくなったりしない。
俺のグロック26は10連マガジンを使っている。さっき3発使って7発、腰のベルトと後ろのリュックに10連マガジンが1つずつだから、残りは27発か。できるだけ節約したいな。
ゴブリンたちには悪いが、持ち物を貰って行こう。そうそう、俺が撃った棍棒ゴブリンは、さっき力尽きた。うめき声を聞くにあいつも日本語を話せるらしい。相変わらず聞こえにくいけど。どうやらゴブリンは言葉が話せるとみていいだろう。
結局、銅貨十数枚、軽く刃こぼれした短剣を貰って行くことにした。他にもいろいろあったが、あまり荷物を多くするわけにもいかないので、諦めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
移動を再開する。ゴブリンたちが来た方向に向かって歩く。けがをしたゴブリンもいたし、人間と戦ったりしたのかもしれない。
大分太陽が傾いてきたころ、俺は濃厚な臭いに気づいた。俺が嗅いだことのない臭い、でも不快な気持ちにさせる臭いだ。俺は臭いのする方向に駆け足で向かう。
道に出た。山道をすこし整えただけの、小さな道だ。そこで俺は先ほどまで抱いていた、人間に会えるかもしれないという期待の半分が叶えられた。しかし、残りの半分が俺に残酷な現実を突きつける。
俺の目にうつるのは、濃い赤だった。
現在、楓の武装は、グロック26(残り27発)、短剣(刃こぼれしている)です。サバイバルナイフも持っていますが、あれは武器としては扱いにくいので、ここでは数えません。