状況確認
ヒュゥゥゥゥゥーーーー、ドシン!!
ぐあっ!高いところから落ちた衝撃で目が覚めた、なんだろう、体をすごい激痛がおそっていたような気がするが…、今はなんともない。たしか…そうだ、先生の研究室で転移装置の操作を間違えたんだった。そして光にのみこまれて、今に至ると…。
いったい何が起きたんだ?俺は辺りを見まわすが周りは森、時間はわからないがどうやら夜が明けたばかりのようだ。まさかこの状況は本当に異世界に行けちゃってたりするか?
少し期待してしまったが、まずは状況確認が先だ。立ち上がって服に付いた土を払おうとする。
…おかしい。この服こんなに大きかったか?それに自分の手がいつもより小さいような…。それになんだこの顔にまとわりつくものは。ん?これは髪の毛か?いったい誰のーーー
「…………。」
一つの可能性に気づいて動きが止まる。いやいやそんなばかな。ありえないって。いやでも視線も低くなってないか俺。
「……あ、あー。マイクテスマイクテス。」
試しに声を出してみると、ーーーーーいつもより明らかに高い声が出た。
その時、さっきから水の音がしていることに気づく。どうやら近くに川があるようだ。すぐさまそっちに向かって走る。服が大きいせいで走りにくいが気にしていられない。
走ってすぐに川が見えてきた。よく澄んでいる。俺は川岸に走り寄るとおそるおそる水面を覗き込んだ。
「!?」
朝の暖かい陽射しの中、水面には、
ーーーーーーー赤い髪と水色の眼をもつ少女が映っていた。