ヒューマンエラー
「先生、何処ですか。せんせー?」
薄暗い室内に男の声が響く。すると部屋の奥からそっけなく、「こっちだ。」と返事が返る。
「先生、そんなところで何やってるんですか。早くはじめましょうよ。」
「まあ待て、ここに残りの資材が…おや?」
そこで先生と呼ばれた女性の動きが止まる。
「どうしました?」
「あー、これはー…。」
と先生は頭をかいている。そして首をかしげている俺に言った。
「資材が足りん。」
「……はい?」
まだ俺が完全に理解していないのに先生は早口でまくしたてる。
「資材が足りない。必要な量に届いていないんだ。だから今から調達してくる。多分数日で帰るだろうから留守を頼むぞ。」
先生は話している間に既に扉までたどり着いていた。
「そんなちょっと待ってくだ「バタン!」……。」
その場で俺はうなだれた。
「まじか…。せっかくこの日のためにいろいろ用意したのに…。」
まあ先生の勝手は今にはじまったことではないが。こうなっては実験も延期するしかないだろう。俺は機械へのエネルギー供給を止めようとする。ここをこうしてっと「ガコン!」これで止ま「ブゥゥゥン。」……へ?
いつもと同じ場所のレバーを下げたはずなのに、なぜか機械が止まるどころか稼働し始めた。あれ?そういえばレバーって止める時は上げるものじゃなかったっけ?俺が慌てている間にも機械は勝手に動いていく。しかも俺の立っている地面が眩しく輝きはじめていた。
やばい!これはやばい!なんか起きる!
「せんせー!たすkーーーー!?」
ひときわ眩しい光が俺を飲み込む。光がおさまった後には誰もいなかった。
なぜ主人公がレバーを間違えたのかは後ほど判明します。