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平行世界はSFでした  作者: 売り金時
1/1

平行世界はSFのようです

暇つぶしに書いた物なので、カップラーメンの待ち時間にでも読んでいただけたならと思います。

 人という生き物は弱い。銃で撃たれても、ナイフで刺されても死ぬ。ましてや全速力のトラックに轢かれれば肉片になるだろう。

 だというのに……


(どうしてこうなった?)


 目が覚めたら赤ん坊になっていた!? ……あれ? 俺は確かトラックに轢かれたんだよな? 怪しい取引なんて見てないんだけど……。

 いやまてよ。これはもしや噂の転生ってやつか? それとも生まれ変わりってやつか? ……とりあえず眠いから、寝てから考えよう。




=====




 はい。というわけであれから十六年が経ちました。……嘘です。ただ回想してただけです。元から十六歳です。

 さて、どうやらこの世界は前世の平行世界らしい。理由は前世とほぼ同じ世界だというのに、この世界の人間は全員何かしらの能力を持っているからだ。どこのSFだよ。


「隼人ぉ。早く降りてきなさい。遅刻するわよぉ?」


 一階から母さんの声がする。確かにあと五分で遅刻ではないか。今日から高校生だというのに、端っから遅刻はまずい。

 早足で階段を降り、リビングに入る。するとそこには黒髪ロングのおっとり系美少女がいた。しかし母さんである。もう一度言う。母さんである。


「おはよぉ。母さん」


「おはよぉ。早く行くわよ。初日が肝心なんだから」


 黒いスーツを着た見た目高校生の母さんが急かしてくる。因みに若いのはよくある謎の補正ではなく、母さんの能力が身体系変化能力だからだ。確か能力名は黄金時代ゴールデンタイムだったっけな?


「一分あれば余裕だよ。髪整えてくるから玄関で待ってて」


 残り時間は四分。余裕過ぎるがさっさと済まそう。洗面台に向かい、櫛で髪を梳き、前髪を黄色いカチューシャで止める。

 改めて自分の容姿を確かめる。オールバックの藍色の髪、やる気のなさそうな少し垂れた目、そして学校指定の紺色のブレザーと、紺色の地に緑色のチェックの入ったズボンに、少し緩めに締めた青色のネクタイ。なかなかのイケメンである。前世とのギャップが凄過ぎて未だに違和感を覚えてしまう。


「隼人ぉ!! 時間時間!!」


 いかんいかん。今は考えてる暇なんてなかったな。

 急いでリビングに戻り、十秒チャージをポケットにねじ込み玄関に向かう。


「あと二分で間に合うの?」


「それはこっちの台詞だよ。大丈夫なの?」


「余裕よ。なんなら競争する? 負けないわよ?」


「別にいいよ。どうせ勝つから」


 家族だからって手加減はしませんぜ? 遅刻はごめんだからね。


「というわけでお先」


「あぁ!? ずるい!!」


 俺は扉を開けて飛んだ。正確には跳んだ。その跳躍力は四階建てマンションの屋上まで届く程だ。

 その人外じみた跳躍力で屋根と屋根を忍者も真っ青の早さで跳んでいく。これがまた爽快で癖になるんだよね。 学校までの距離は自転車で十五分と近場だが、能力を使えば一分程でいけるのだ。周りを見渡せば、風を操って空を飛んでいる男子高校生、本物のドラゴンを使った空飛ぶバス――通称ドラバスに乗っている人達と能力を使った移動は常識である。

 当然それは俺の母さんにもいえることで……


「高校生なんかに負けるもんですか!!!!」


 三対六枚の黒い翼を生やして飛んでくる母さんは、俺より人外じみている気がする。堕天使ですか? めちゃくちゃカッケーんですけど!! これだから中二病は止められないぜ!!


「あと少しだ。飛ばすよ母さん!!」


「ラジャー!! ちゃんと付いてきなさいよ!?」


「そっちがね!!」


 俺と母さんはさらにスピードを上げるのだった。

軽い人物紹介


隼人:何故か転生した現在進行形の中二病患者。外見と内心の差が激しい。


母さん:外見が若いのは謎の補正ではなく、能力でガチ若作りをしているため。死ぬまで永遠の十七歳。

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