状況把握
(元)男は酷く困惑していた。
いきなり現れた女が「お前は眷属だ。そしてお前を儂好みの女の子に改造した」と言っているのだ。
しかもパンツの中身という動かしようのない証拠が目の前に現実に突きつけられたのだ。
「して、オマエ名はなんというのだ?」
男の困惑をよそに目の前の女"ジェノヴァ"があっけらかんと聞いてくる。
「い、いや、そんなことよりm」
「名はなんというのじゃ?」
「か、かおる。稲城薫」
彼の反論に被せるようにした言葉を聞いた直後、男は自分の名を口にしていた。
「カオリュ?ふむ、カオリュか。可愛らしい名だ」
満足そうなジェノヴァ、一方男、薫は狐につままれたような顔をしていた。
「え、なんで口が勝手に…?」
彼女の言葉を聞いた直後、薫は己の意志とは無関係に自分の名を口にしていたのだ。
「言ったであろう?儂はオマエのマスターであると。オマエはマスターである儂の命令には逆らえんのじゃ」
「……」
「さて、それではしばらく此処で厄介になるぞ。風呂はどこじゃ?
一晩中オマエの経過を見ていたから疲れた。汗を流したい」
絶句する薫をよそにジェノヴァは至ってマイペースのようだ。
「ちょっ、ちょっと待て!お前今なんて言った?しばらく厄介になるだと!ここに住み着く気か!?」
「何か問題が?」
「ありすぎだろう!い、いやそんなことよりも…
さっさと俺を元の姿に戻せ!!こんな格好じゃ外にも出ていけんわ!!」
「こんな格好とは聞き捨てならんのう、せっかくオマエのゴツゴツした暑苦しい体を可憐な白百合のような身体に作り替えてやったというのに」
「誰もそんなことは頼んでいない!良いから速く戻せ!!」
「無理じゃ。もう元には戻せん。諦めろ」
いきなり冷水をぶっかけるがごとく彼女は言い切った。
「そもそも、儂の眷属化した時点でオマエの魂は死を迎えておる。儂はオマエの死んでから新しく転生した魂を加工したに過ぎん」
「魂を加工?」
「そうじゃ。オマエは身も心も儂好みの従順な雌奴○に仕上げられたのじゃ」
突拍子も無いことをさも当然のように言い切るジェノヴァ。
「雌奴○って…俺は男だぞなにをさせる気だ…」
「そこが妙なのじゃ、本来ならば儂が手を加えた段階でオマエの記憶は消され儂に従順になるように刷り込まれる
なのにオマエは記憶を持っとるようだし、女であるという自覚もない。これはどういう事じゃ?」
逆に不思議そうに訪ねてくるジェノヴァ
そんなことを言われて皆目見当もつかないとうろたえていると
「まぁよい。反抗的な下僕を飼い慣らして儂色に染め上げていくのもまた一驚じゃて♪」
と、とんでもなく不埒な事を言い切った。
「さぁ、そんなことよりも風呂じゃ風呂!
まだ儂に口ごたえするならここで公開○○○ーショーでもしてもらうぞ!!」
薫に拒否権など無かった。