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私と彼の恋物語  作者: byとろ
一章:ヴァン・エイジトール
9/19

唯一つ

書けない・・・だと・・・?

ネタがでねぇ。筆が進まん。

でも、後20話は頑張りたいと思っていますので、まだまだ続きます。

失踪はしません頑張ります。


そんな感じの8話目です。


『ブローカー』の倒滅作戦が決行されたのは会議から2日後だった。


メンバーは俺とシャル、会長に副会長。


作戦内容は、まず俺を正面からぶつけ、混乱に乗じて頭を打ち残った奴等を一掃するという実にシンプルな物だった。


周囲には生徒会役員を展開し、万が一、逃げてきた奴等も逃さないようにしている。


そして俺という規格外の存在がいるのだ、怪我人も出るはずは無かった。


事実、途中まではうまくいっていた。


スムーズに、そして面白いほど作戦通りに『ブローカー』を一掃できた。

  

だが、捕らえた『ブローカー』の頭が発狂し、隠し持っていたナイフでもって縄を切り、逃げ出した。


それだけならまだ良かった。 


しかし、それに当てられた他の奴等までもが暴れだした。


そして、その1人がシャルを人質に取った。


あろうことか、その男はその場でシャルを襲おうとしていた。


すぐに俺はそいつを吹き飛ばした。


しかし、注意が逸れたその一瞬で、副会長が動いた。


助けるフリをして近づき、シャルを魔法で貫いたのだ。




世界が止まった。




舞い散る血しぶきと、


崩れ落ちる彼女の姿。


とめどなく流れる鮮血が地面を染め上げ、


視界が真っ赤に染まる。



俺が覚えていたのはそこまでだった。





―――――――――――――――――――――――





次に見たのは、荒れ果てた荒野と、そこに散らばる人間だった物。


無残にも引きちぎられ、押しつぶされ、残っているのは体の一部か、肉だけだった。


「・・・・・・・・・」


声が出ない。


俺はどうした?


何が起きた?


拙い思考で考えていると、ふと足元に何かがぶつかった。


それは、魔法で貫かれた彼女の姿だった。


それを見た瞬間、全て思い出す。


だが、出てくるのは全て悲しみだけ。


「・・・・・・うぅぅぅ」


声が出た。


「・・・うぅぅぅ」


それを声といっていいのかは分からなかった。


「うぅ、ああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ」


もう何も残ってなどいない荒野で、悲しみだけが風に乗って消えていった。





―――――――――――――――――――――――





あのあと、私たちは学校に回収された。


どうやら副会長は本当の『ブローカー』の頭だったようだ。


返り討ちにする算段だったんだろうが、失敗した。


シャルルちゃんを殺れば、彼を無効化できると考えたのだろうが、彼の暴走により全て殺され、アジトも無くなるという結果になった。。


あの場で生き残ったのは3人。


私と、彼と、シャルルちゃんだった。


かろうじてシャルルちゃんは一命を取り留めた。


しかし、意識が回復することは無かった。


意識が回復するのは、奇跡でも起きぬ限り無理だといわれた。


負ったダメージが酷すぎたのだ。


彼は、ずっと彼女の側に居る。


最悪の結果になった。


あの時言った、彼の依存。


傍目には、普通の恋人同士にしか見えないが彼らに違和感があった。


何かは分からなかったが、忠告はした。


だが、それも無駄に終わった。


ただただ、生きているだけの死人と貸した彼の瞳には光が無い。


何も無かった。


「・・・・・・あなたは、もう、闘えないのかしら?」


私は、そっと目を閉じ、意識を闇に沈めた。





―――――――――――――――――――――――





シャルが眠っている病室で、俺は絶望していた。


医者からつげられた言葉は、弱りきっていた俺の心を折るには十分だった。


ただ、寝ているだけに見える彼女が、もう起きないなんて信じられない。


あの太陽のような笑顔が、もう見れないなんて。


彼女の手料理もまだ食べていない。


出てくるのは後悔ばかり。


「・・・・・・こんなことなら」


こんなことになるのなら。


「・・・・・・出会わなければよかった」


俺のそばにいたから、彼女はこうなった。


それならば、出会わなければ良かった。


1年前のあの日、眠って無視すれば良かった。


彼女の告白を受け入れなければ良かった。


「・・・・・・なぁ、しゃる・・・?」


彼女は答えてくれない。


どれだけ呼んでも、かえってくるのは静寂のみ。


どれだけ手を握っても、握り返してはくれない。


どれだけ涙を流しても、拭ってはくれない。


夕日に照らされた病室で、誰かの鳴き声だけが静かに響いていた。





―――――――――――――――――――――――





彼が泣いている。


私の愛しい彼が悲しんでいる。


でも、体が動かない。


行って抱きしめてあげたいのに。


それでも体は動かない。


『・・・・・・こんなことなら』


ああ、彼の声。


悲しみにくれた彼の声。


『・・・・・・出会わなければよかった』


そんなことはない。


私はあなたに逢えて感謝している。


あなたと共にいられて感謝している。


後悔なんて微塵も無い。


それなのに


それなのに、どうして


この体は動かない?


―――カミサマ


この気持ちを伝えたい。


―――彼に伝えたいのです


後悔などしていないということを。


―――私の愛しい彼に


出会えたことに感謝しているということを。


―――だから


私は、あなたを愛しているということを。


―――彼の元へ・・・!!


あなたと共に生きていきたい。


私は、強く、強く願ったのです。



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