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私と彼の恋物語  作者: byとろ
一章:ヴァン・エイジトール
17/19

エピローグ

兄「何か言うことは?」


俺「……」


兄「ばしぃん!(竹刀を叩きつけた音)」


俺「ひぃ!?」


兄「言うことは?」


俺「ごめんなさいでしたぁー!!」


MA☆ZIで謝る2秒前。


あれから一年が過ぎた。


もう卒業の時期である。


いや、まさに卒業する日であった。


ここ、屋上から眺める景色も見納めである。


長いようで短かった、この3年間。


楽しかった。


嬉しかった。


悲しかった。


でもやっぱり、幸せだった。


「ヴァン君。そろそろ式が始まりますよ?」


どうやら迎えが来たようだ。


「ああ、シャル。すぐ―――」


いいかけて、言葉を止める。


やはり話そう。


一つ、考えていたことがあった。


それこそずっと以前から。


「シャル、聞いて欲しいことがある」


「はい。なんですか」


雰囲気で真面目な話だと悟ったのだろう。シャルも真剣になった。


「俺のことを世間に公開しようと思う」


「……!」


「一年前の創立謝祭。あれが忘れられない」


狂気は最後にあれほどの誇りを抱いていたのだ。


確かなものを持っていた。


自ら修羅に走ったわけではない。


走らされたのだ。誰かによって。


許すことなどできない。


あの勇者を貶めた奴を。


「犯人は俺を知っている。今のままでは君が危ない」


公開すれば、近しい人たちのある程度の身の安全が保証できる。


オリジン達に頼んでみるのもいい。


今よりはずっと安全になる。


「ヴァン君はいいんですか?これまでずっと隠してきたのに」


「いいんだ。元々どこかで公開しなきゃならなかったから。それをするべきときが来たってだけさ」


ふっ、と息を吐く。


シャルの瞳を見る。


目を逸らすことはしない。


「だから、結婚しよう」


静かに、そう言った。


共に歩んで欲しい。


支えあって生きて行きたい。


ずっとずっと。


シャルは一瞬なにを言われたかわからないといった顔をしたが、すぐにぽろぽろと泣き始めた。


「嬉しい、です。本当に……嬉しいです」


抱きしめる。


最愛の人を。


守るように。


支えられるように。


愛おしく抱きしめる。


「好きだ。愛してる」


「わたしも、愛してます」





―――――――――――――――――――――――





一つの物語が終わる。


しかし、紡がれるものもある。


終わらないものもある。


少なくとも、彼の人生はまだ終わらない。


彼のいた歴史も終わらない。


彼女のいた歴史も終わらない。


二人がいた歴史は終わらないのだ。




これで一章は終わりです。

ヴァン君が主人公の話は終わりになりますが、ヴァン君は出てきますよ。これからも。

二章からは違う主人公です。

正統派で攻めてみようと思います。

主人公補正はつけないよう極力努力します。


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