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私と彼の恋物語  作者: byとろ
一章:ヴァン・エイジトール
13/19

創立謝祭 part3

俺「PS3が欲しいんだ」

兄「ガッツだぜ!」


どうも、byとろです。


今年もあと一ヶ月ほど。これからも精進して面白い小説を書けるようにしたいですね。


そんな感じの12話目です。

「お待ちしておりました」


スティテイレ魔法学校長コルデモは、その近年気になり始めた頭を恭しく下げた。


「悪いな。いきなり来て」


そう応えた金髪の青年は己の赤いコートを脱いだ。


コルデモは近くにいた従者に受け取らせ、青年を校長室へ案内した。


「さて、リヒャルド様。今日はどういった用件ですかな?」


「『アイツ』の件だ」


「ああ、彼の・・・」

 

「どんな感じだ?」


「・・・・・・」


「やばい・・・のか?」


「・・・ぷっ」


「・・・は?」


いきなり吹き出した校長をリヒャルドは半眼で睨む。


それをコルデモは、「失礼」といって手をかざしたが、やはり吹き出していた。


「いやぁ、彼の様子は以前を知る者からすれば別人に感じますね」


「そうか・・・まぁ、楽しくやってるようで何よりだ」


「ええ、ええ、なんと彼女もできた様で」


「ぶっ!・・・あ、アイツに彼女!?考えられん・・・」


「そうでしょう?いやぁ、ほんとに私も最初聞いた時は耳を疑いましたよ」


そうして二人はしばらく会話に花を咲かせた。


・・・一時間ほどたった頃、ようやく二人は話を元に戻した。


「さてと、心配してたことも無かったようだし、そろそろ帰りますか」


「もう帰ってしまわれるので?」


「ああ、そのつもりだが?」


「せっかくですので、色々と見てまわられるのもよいのでは?二週間後に創立謝祭もあるのですし」


「うーん、そうだなぁ・・・」


「そういえば彼のところは演劇をやるようでしたよ?しかも彼が主役級で」


「な!?まじかよ!!それを見逃すてはねーな!すまんが家に連絡を入れておいてくれ」


「分かりました」


「あー・・・それともう一ついいか?」


「はい、なんでしょう?」


「実は・・・」





所変わって廊下。


「はっ・・・!!」


「どうしたんですか?ヴァン君?」


「いや、悪寒が・・・」


「風邪でも引いたんですか?」


「そんな事は無いと思うが・・・まぁ、気のせいだろ」


「・・・?ならいいです。早く行きましょう」


「あ、待ってくれシャル!」





戻って校長室。


「ほう・・・それはまた」


「だめか?」


「いえいえ、ですが困るの彼では?」


「人目につかないところでやるさ」


「そうですか、そうですか。はっはっはっは」


「あんたも意外と趣味が悪いな」


「もうこのぐらいしか楽しみが無いのですよ。それにいいますでしょう?」


「「他人の不幸は蜜の味」」


そうハモらせて、二人は笑いあった。





―――――――――――――――――――――――





「あ~ねみぃ」


「しっかりしてください、ヴァン君」


学校からの帰り、俺たちはいつもの如く一緒に下校していた。


「無理だよ、無理。最近、全然寝て無いからさ」


「授業中ずっと寝てたじゃないですか」


「以前に比べりゃ全然だよ」


「成績やばいですよ?進級できないかも・・・」


「大丈夫さ。校長にでも言えば万事オッケェ」


「ダメ人間ですね。嫌いになりますよ?」


「そんな俺を好きになったんだろ?」


「はうぅ・・・そ、そうですけど」


そんなバカップル全開の会話をしながら寮に帰っていく。


いつもと変わらぬ風景。そう、少なくともこの時までは。


一瞬で『三位の篭手トリニティ・ギア』を展開し、迫り来る炎の弾を弾き飛ばした。


逸れた炎が道を焼き焦がした。


「・・・!?な、なにが!?」


「さがってろ、シャル」


俺はかばうようにシャルを背にして立つ。シャルは俺の言うとおりに背に隠れた。


ゴオォ、と音を立て、炎が迫る。


その数、なんと16。


並の魔導師はこの威力の炎の弾なら精々8つが限界だ。


迫り来る炎弾を無力化しながら魔力の発生源を辿る。


そして、発生源を突き止めた瞬間、あふれ出てきたのはおかしさだった。


「くっはははははは!!」


「・・・!?ヴァン君!」


「ああ、ああ、大丈夫だよシャル。・・・全くお遊びが好きだな、あんたは」


「クハッ、久しぶりだな。ヴァン」


そう笑いながら出てきたのは赤いコートを着た青年だった。


それを見た瞬間シャルが息を呑んだのが分かる。


魔導師を目指す者としての憧れであり、目標。


『世界最強の存在ファースト・オリジン』の1人。


その、全てを包み込み、押しつぶし、破壊する炎はさながら星の様。


『紅星を背負うクロス・プロメテウス


イグニ・リヒャルド、その人だった。


「まずは謝罪を。すまんかったな、いきなり攻撃して」


「まったくだ。で?何しに来たんだ?」


「おまえが暴走したって聞いてな?心優しい俺は飛んできたってわけ」


「ぐ・・・それは、すまん・・・」


「クハッ、まぁ、あとはおまえの彼女の確認。しかし、えらい可愛い子だな?」


「あ、ありがとうございます・・・?」


「シャルはやらんぞ」


「おいおい、冗談よせよ。俺はアイツ一筋だって」


「ああ、それもそうか」


「さて、きみ名前は?」


「シ、シャルル・ロードライトです・・・」


「シャルルちゃんか。こいつのことは知ってる?」


「は、はい。知ってます」


「そうか、ならいいんだ。分かってると思うけど、こいつは強い。でもまだ不安定だ。支えてやってくれ」


「・・・はい!あたりまえです!」


「いやー、いい子じゃないか。良かったな」


「ああ、まったくだ」


俺はうなずきながら、もう一度、この子を守ろうと強く思った。


 

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