表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私と彼の恋物語  作者: byとろ
一章:ヴァン・エイジトール
11/19

創立謝祭 part1

随分と遅れながら10000PV達成~!


本当にありがとうございます。

これからも頑張って面白い小説を書けるよう尽力いたします。

どうか、見守ってやってください。



今回から少しほのぼのとします。

ノリで演劇にしてしまったけど大丈夫か?

いまさら不安になってきました。


そんな感じの十話目です。

ある洋館の一室。


赤い外套を手に持っている青年は、一枚の調査用紙を見ていた。


「ハッ、こんなとこにいやがったのか」


誰もが息を呑むほど端整な顔立ちをした青年は、やれやれと首を振った。


「アイツの存在はトップシークレットだし、下手に会いに行けねーな・・・どうしよ」


青年はしばし考え、ある答えにたどりついた。


「1ヵ月後の創立謝祭に、ゲストとして御呼ばれしよっかな?」


我ながらナイスアイデアだと自画自賛しているところに使用人が声をかけてきた。

 

そして二枚の写真が渡される。


「こいつは・・・」


先程とは一転し目を細めけわしい顔をする青年。


写真に写っていたのは一つは山で、一つは荒れ果てた荒野だった。


同じ場所から撮ったものなのだ。


たった3時間。


それだけで山を荒野に変えられるのはあいつだけ。


だが、あいつがやったとは考えられない。


アイツは超がつくほどのめんどくさがりやだからな。


普段なら、だが。


「暴走したのか?」


つまりは、そういうことである。


青年は歪んだ笑みを浮かべた。


「クハッ・・・さっきの案はやめだ。乗り込むぜ」


使用人は一応連絡は入れておきます、と部屋を出て行った。


「しかし、おまえが暴走して山一つで済むとは・・・弱くなったのか、それとも・・・」


後者であればいいと思う。


「クハッ・・・どちらにせよ行けばわかるか」


先程の使用人が帰ってきて、一つのトランクケースを渡す。


「いってくるぜ。たぶん2週間ほどだと思う。よろしく」


「はい。良い旅を、イグニ・リヒャルド様」


そういい、恭しく頭を下げる使用人にひらひらと手を振り、『紅星を背負うクロス・プロメテウス』は炎となって消えた。





―――――――――――――――――――――――





さて、2ヵ月後は創立謝祭ということでクラスの出し物を決めている。


当然俺は昼寝だ。


だが、こうもうるさければ寝ることができない。


やれ、メイド喫茶だとか


やれ、歴史研究だとか(あまりにも地味すぎだ)


お化け屋敷だとか、魔法ショー、賭けレース、etc・・・


「あの・・・」


おずおずと手を上げる少女がいた。


はい、シャルです。


「演劇がやりたいです」


演劇ねぇ・・・


いいんじゃない?


「お、いいじゃん」


誰かのそんな言葉を皮切れに皆がいいかもとか、やってみたいなとか、言い出した。


「それでは、演劇でいいですか?」


とのクラス長の言葉に全員一致でうなずく。


というわけで、演劇に決まったようだ。






「で、どうしてこうなった?」


あれから1週間。


どうにか台本が出来上がったのだが、問題は配役。


ちなみに内容ストーリー)はこうだ。





人間と魔物が戦いを繰り広げていた。


やられればやり返し、血で血を洗う。


そんな中、人間の姫はいつ終わるとも知れない戦いを悲しんでいた。


共存の道はないのかと、来る日も来る日も文献をあさり、実地に赴き、何か無いかと考えていた。


そんな時、いつものように実地に赴いた姫を魔物が襲った。


何もなさぬまま死んでしまうのかと、死にきれないと悔やんだそのとき、次々と魔物が倒れていった。


そこにいたのは、人にあって人にあらず、魔であって魔にあらず、自らを魔人と呼ぶ少年だった。


彼こそが共存の突破口だと信じ姫は行動を開始する。


そして魔物をそそのかし国取りを行おうとしていた悪臣を倒し、魔物との共存を果たす姫。


しかし、悪臣の部下が姫を殺そうとする。


それを防ぐため姫をかばう魔人。


魔人は最後に、己の思いを伝え死んでしまう。


姫は、魔人の最後の言葉を胸に生きていく。





という感じ。


ハッピーエンドじゃないのか?


何か曖昧だな。


まぁいい。


そして配役。


姫・シャル。無難だな。


魔人・俺。


意味わかんねーし。


「あなたにピッタリなのよ」


知らないよ、そんなこと。


「それに一応最後にキスシーンを入れているのよ。あなた以外の適役がいないわ。それともなに?他のヤツとキスさせてもいいの?」


「いいわけあるか」


「なら、いいわね?」


「ぐ・・・わかったよ」


意外と黒いなクラス長。


名前忘れたが。


「アニーよ」


「心を読むな」


「顔に出てる」


まったく、今度から気をつけよう。


そういえば前のバカとの一戦で、学校中に俺とシャルの関係は知れ渡っている。


前のように落ちこぼれとも思われなくなったし、何か話しかけてくる人が増えた。


今ではクラスに打ち解けている。


人生なにが起きるかわかんねぇ。


「良かったですね、ヴァン君」


「めんどくさいがな・・・」


「ふふっ、たまには動いてください」


「ほいよ。がんばりましょうかね」


平和な日常がこれほど楽しいなんて知らなかったな。


「主役二人~。はやくきて~」


「いま、いきまーす」


それじゃあ、全力で楽しみますか。


現在いまを、な―――。



11/27編集しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ