第四話 さよなら
「ああぁああぁぁぁああ! クソ!! 急に何かに反応したみたいにいきなり加速された!! 侵入を許してしまった!!」
体の周りに雷を纏った状態で神猟が噴水のある広場に走っている
「アデル、リーフェ、、、何とか耐えてくれ!」
その時、少し離れた所で炎が上がる
「ッ!? アレは、、ブレスか!」やはり噴水の方に居たか、、あそこに行くには能力使っても2分はかかる、、、、そう言えば、アデルとリヒトーは一緒に居たよな、アイツは大丈夫か? 何とか逃げてくれれば、、、。
ドオォォオン! 後ろから轟音と振動が体に響く
「うわっ! な、何? 」
王城の門前のと所でリーフェが足を止める
「なっ! ブレス!? もうあそこまで、、、あそこって、、確か噴水の、、だ、大丈夫、リヒトー君が付いてるから余程の事がない限り何とかなる、、はず、、。」とにかく早く王様にこの事を伝えなきゃ!
そのまま門を開け、王城の中に入って行った
「さーて。」(アデルから剣を貰ったのは良いものの、この剣で何回切れる? さすがにただの剣でドラゴンの鱗を何十回とは切れない、やれやれ。)
その時、ドラゴンの丸太の様な尻尾がリヒトーに振り下ろされる
「ハハッ、ソレは悪手だぞ!」
尻尾の先端寄りがリヒトーの真上に来た時、薄黄色の盾が間に入る
「ソコ!」
声と同時に尻尾の半分以上が体から切り離さらた
「GUUa!?」
「ぅ、、らっ!」
リヒトーが持っている剣をドラゴンの腕に投げる
「Gug!?」
投げた剣がドラゴンの手のひらに突き刺さり、ドラゴンが手に注目する
「アデル! 今だ!」
ドラゴンの足下に移動しているアデルに指示を出す
「は、はいッス!」(僕が来たから、剣をなげたんスか? 僕がココに居る事が当たり前みたいに指示を出してきたッス。)
ザン!!
両刃の剣を両手で握り、ドラゴンの左足のアキレス腱を切る
「gu!!」
ドラゴンが左側によろける
「水柱。」
突然現れた水の玉が柱状になってドラゴンの左側の頭、首、肩に当たる
「gu!」
ドラゴンが唸りながら体勢を直す
「魔法も使えるんッスか?。」(けど、、あの魔法はニホンの人達が使う魔法、、、ニホンの人? いや、ニホンに行って教わったス?)
「アデル! けn、、、。」
アデルは首をかしげながら剣を出す
「リ、リヒトーさん? 剣要るッス?」
「ん? あーー、うーーん、スマン、剣要らない。」
リヒトーがフードの背中の方のマント部分に手を入れる
「へへっ、コイツはとっておきだ、名のある鍛冶師が作った剣でもコイツには敵わぞ。」
背中から2つある内の1つを鞘ごと外し、アデルに見せる
「ソレって、、刀ッス?」(あれ? でも通常の刀の持ち手の刃の近くから持ち手が横に伸びてて、なんかトンファー見たいッス。)
リヒトーが鞘を外し、横に伸びている持ち手を右手につかみ右腕をおろす、鍔はなくその刀身はリヒトーの手首から肩より少し上の方まで伸びていて、刀身の反対方向は通常の刀の持ち手が拳1個半ほど伸びている
「刀じゃ無い。」
右手を後ろに回して腰を落とし、刀の抜刀の構えの様に構える
「まぁ、トンファーとでも思ってくれ。」
リヒトーが言い終わったのと同時にリヒトーの右隣に稲妻が落ち、砂埃が起こる
「お前ら! 大丈夫か!?」
砂埃が晴れ声の主が姿を現す
「大丈夫大丈夫、もう終わる。」
神猟の質問にリヒトーが体勢を変えず質問に返す
「? お前何言って、」
神猟の声を遮り、ドラゴンがリヒトーに仕掛ける
「gurrrrraaa!!」
ドラゴンが口を開け、リヒトーに噛み付こうとする
「神猟さん! リヒトーさん!」
アデルの声よりも速く神猟は腰の左側にある鞘から刀を抜刀し、ドラゴンを切りつける
が、リヒトーはそれよりも速く、既に行動を終えていた
「go、、、。」
高く飛び上がったリヒトーの体がドラゴンの首に影を落とす
「これでさよならだ。」
ドラゴンの頭部は体に下顎のみを残し横に綺麗に切り離されて左側にズレ、地面に落ちる、少し間を置き体も地面に崩れ落ちる
「い、一撃で、、、。」
「、、、、これは。」少しは動けると思っていたが、、、予想以上に動けるな、スピードもまぁまぁ。
神猟の左側にうつ伏せで倒れているドラゴンの首の上にリヒトーが着地する
「はぁー、お前ももっと良い形で再会したかったよな?」
「? なぁおい、それってどう言う、、」
神猟の声を遮りリヒトーが話す
「神猟、、良い武具屋知ってるか? この鞘を腰に付けたいからベルトが欲しいんだ。」
「、、、、。」まぁ、無理に聞き出さなくても良いか、、、被害が少ないのはリヒトーのおかげだしな。
「知ってるが、、まずはコイツの後始末が先だぞ。」
ドラゴンの死体を指差し、考えるのに疲れた様な笑顔で神猟が返事をする
「、、そうだな。」
ドラゴンの死体を悲しい目で見ながら武器を鞘へしまう
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